注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
で、疑問に思うのですが、なぜ「海上保安庁の初動の遅さ」をどこのメディアもツッコまないのだろうと思うのです。
海難事故はスピードが重要です。
釧路からは30分~1時間程度で向かえるはずです。
ですから最初の通報からすぐに向かえば、まだ沈没する前には到着できた可能性が高い。
午後2時ごろ「KAZU Ⅰ」から会社に「選手が30度傾いている」と無線、「kazuⅠ」はこれを最後に連絡絶つ、とのことでしたから。
13:22 出動指示
14:38 哨戒中ヘリ帰投、給油
15:20 基地発
16:30 現地着
哨戒中で、基地に戻って、給油して向かったから遅れたといわれているけど、釧路には2機のヘリコプターが配備されています。
基地にいた1機がメンテナンス中だったとしても、哨戒中になにか海難事故が起きたらすぐに向かえるような態勢を取っていなかったのもおかしい。
強風だったからすぐにいけなかったという話もあるけれど、結果的に給油して夕方ちゃんと向かっている。
救助活動がすぐには難しかったとしても、上空に早く駆けつけることで救えた命があったかもしれない。
気象状況の確認や、装備の確認で出動が遅くなると言う人もいるけれど、装備の確認なんか事前にやっているっしょ。
すぐに出動できるように。
(中略)
何かおかしい。
「海保の初動については触れるな」というお達しがあるようにしか思えないのですが…。
少なくとも自分は、海保が当日の初動について納得のいく説明をしたということは知りません。
そんな海保が観光船会社を家宅捜索したとのこと。
なんだかなぁ。
知床観光船事故/「犯罪まがい」のメディアスクラム
— アジア記者クラブ(APC) (@2018_apc) May 4, 2022
知床半島に近い女満別空港の到着ロビーを出ると「NHK様」「日本テレビ様」「TBS様」。タクシーやハイヤーの運転手とおぼしき人たちがにプラカードを持って並んでいた。まるで慰安旅行の「ご一行様歓迎」の賑わいだ。https://t.co/vBsgLaotIh
メディアにお願いしたい。
— 麻生幾 (@ikuaso095) April 28, 2022
知床遊覧船事件。
時系列がまったくなされていない。
社長
漁業組合
港湾当局
海上保安庁釧路保安部
航空自衛隊救難団
海上自衛隊掃海隊
詳細データを公開すべき。
知床遊覧船の事故における救助の初動については、一管に知人がいる故に心苦しいのだけど「へき地において別組織の応援をすぐ要請する」という体制の課題を突きつけた事例だと感じます。
— あまっこ (@nishihiro3155) May 5, 2022
海難事故以外や北海道以外でも日本のへき地で大災害起きた際にこれがすぐできないところが多いです。
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さらに読者の方からの情報で、気になる視点がありました。「おおきな木ホームクリニック」さんが「社会の構造とメディア」と題するブログ記事で今回の事故を取り上げておられました。多くの人が感じたメディアの異常さを分析され、その一つとして「なぜ、どこのメディアも海上保安庁の初動の遅さをツッコまないのか」と問うておられました。「通報から2時間後の出発はさすがに遅すぎはしないか」「比較にならないが」とした上で「ドクターヘリだって、いつ要請があってもいいように毎日装備を確認し」「要請があって3分以内に離陸できるよう」態勢を取っているそうです。人命救助の海保がこれほどの遅れをとることの問題がどこにあったのか、メディアの異常な熱意がなぜ、ここに向かわないのか確かに不思議です。作家の麻生幾氏も「社長、漁業組合、港湾当局、海上保安庁釧路保安部、航空自衛隊救難団、海上自衛隊掃海隊」の、時系列に基づく詳細データを公開すべきだとツイートされています。国の安全の根幹がぐらつくような不安を感じていたところ、日本のインフラの劣化をツイートされた方がありました。「技術者の質も数も10年前くらいがピークで」「この20年の間に高齢化と離職」「人手や予算がなければ保守にも手が回らないし見落としも出る」。
今回の悲惨な事故は、日本の様々な劣化が隠しおおせなくなった結果のような気がしました。