発熱外来の嘆き事例その(3)
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
後期高齢者のお爺さん。難聴がある。定期のお薬取りにやってきたところ、病院入り口の検温で38.3度あったので一般エリアに入れず発熱エリアへご案内。自覚症状なし。
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私:「最近どこかで数名でご飯食べたりしましたか?」
爺:「はぁ・・・?」
私:「ど こ か で 誰 か と ご 飯 一 緒 に し ま し た か ?」
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
爺:「はぁ・・・?」(マスクを外そうとする)
私:「😱😱マスクはしててください!外さないで!」
私:「熱 が あ る け ど 調 子 は 悪 く な い の ?」
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
爺:「はぁ?変わらないねえ」(マスクを外そうとする)
私:「あ、あ、マスクはしててください!😱」
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— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
しょうがないので、もう検査突入!
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コロナ抗原(+)!!!
保健所に連絡すると、妻がすでにコロナ発症していて遠方の病院に入っており、本人を濃厚接触者としてPCR呼び出しをかけているが、家電に全く出ないとのこと。
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私:「あのね、コ・ロ・ナ なんですよ。」
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
爺:「はぁ????」(マスクを外そうとする)
私:「😱マスクはしててください!」
私:「あのね、コ・ロ・ナ なんですよ。」(音量増大)
爺:「はぁ????」(マスクを外そうとする)
私:「😱!」
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— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
しかし入院の当てがない。今のところ酸素は下がっていないので自宅に帰して、保健所に「とにかく早く入院させてくれ」と懇願する。
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私:「あ の ね、 保 健 所 か ら 連 絡 が き ま す。そ れ ま で 家 に ず っ と い て く だ さ い。」
爺:「よくわからんねえ。」
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
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紙に書く
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爺:「すまんねえ。今日メガネ忘れてきたんだよな。はっはっは。」
私:「 家 か ら 出 な い で く だ さ い 。」
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爺:「今日はこれから郵便局に行かにゃ行けないんだよ」
私:「い か な い で く だ さ い」
爺:「しかしねえ。通帳が郵便なんだ。郵便局にはいくだろう?」
(とりあえず、保健所にもう一回電話して、頼む、この人早く入院させて、お願い!と再度懇願するも、早めにはするが、今日はどうしても無理と言われる。
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
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私:「保 健 所 か ら 電 話 が 来た ら 電 話 と っ て。家 か ら 出 な い で 。(筆談込み)」
爺:「わかった♪」
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定期の処方と解熱剤を薬局から届けてもらう
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
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10分後。事務員が飛んでくる
事務:「先生!あの、あのお爺さんが通りの向こうのバス停に立ってる!!!」
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事務員が急いで呼び戻しに走る。
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(あとはご想像にお任せします)
補足:後期高齢者の感染者がほとんどいなかった第1波、第2波の時は、このような、「極度の難聴(しばしば補聴器は経済的事情でもっていない)」の対応に苦しむ事例はありませんでした。しかし第3波になってこの事例は非常に増えています。
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
また、この方は普段、奥様が同伴で受診をされていることが後で主治医に聞いて判明。つまり、奥様という後ろ盾がコロナで先に入院されてしまい、軽度の認知症と極度の難聴がある本人が、家に独り残されてしまってるんです。
— sguard_cupi_0571 (@concert_1750) January 18, 2021
ちなみに、子供なし、首都圏に身寄りなし、介護保険は未申請でした。
耳の遠いお爺さんや認知症のおばあさんにコロナ感染対策を分かってもらう大変さと言ったら!
平時でも「認知症、視覚障害、身寄りもお金もない、超高齢の」人々への治療はそれ相当の配慮が必要ですが、日々、コロナ感染が増えるに従って、外来業務がとんでもなく大変なことになっている様子が呟かれています、、、が、、そのドタバタがコントになってます。
呟かれたドクターは「現実はすごいイラつく状況、焦るんだけど、お爺さんに向かってそのイライラと焦りを出さないようにしてます。」と自然に語られていました。いつ終わるともしれないコロナ禍の中で、ご自身もしんどい思いをされているのに、冷静な客観性と患者さんへの優しさがコントに昇華してしまったのかも。感謝しかありません。
このコントを安心に変えられるのは、「公助」だけだ。