注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
西川氏を含む複数の日産自動車取締役は「株価連動型報酬(SAR)」を割り当てられており、あらかじめ決められた行使価格に対し各自が決めた行使日の株価との差額に割り当てられた株数を掛けた金額が、現金で支給されることになっていた。西川氏は2013年5月14日に行使したものの、日産自動車の株価がその後も上昇したため、いったん決めた行使日を秘書室にごり押しして5月22日に修正し4700万円もの利益を不正に得たというものである。もちろんいったん行使すれば、後から行使日を修正することは「明らかな不正行為」であり、まだ時効になっていない。この時点において西川氏が受け取った「株価連動型報酬」の総額は1億5000万円にも上り、ひたすらゴーン被告とルノー本社に対する忠誠心を見せるだけの「ご褒美」が1億5000万円もの「株価連動報酬」となっていたことになる。
(中略)
西川氏は、何とこの期に及んで「(株価連動型報酬については)ケリー被告ら事務局に一任しており、適切に処理されていると認識していた」とトボけていたが、明らかにケリー被告の暴露と違っている。ケリー被告は西川氏がはっきり認識したうえで秘書室を通じて事務局に圧力をかけたと明言している。
(以下略)
・2019年9月9日、日産自動車の西川広人社長が、SARを不正に操作し、4700万円上乗せした報酬を受け取っていたことが発覚したことを受けて、16日付での社長職の辞任を発表した。
・西川氏は会見で「社長になって以降、完成車検査の問題、ゴーン事件、業績不振、残念ながら過去の膿が相当、噴き出した時期でもありました。負の部分を全部取り去ることができず、道半ばでバトンタッチすることをお許し頂きたい」などと語ったものの、自らも不正に増額された報酬を受け取っていた西川社長に対し、批判の声が殺到している。
日産自動車は9日、西川(さいかわ)広人社長兼最高経営責任者(CEO)が9月16日付で辞任すると発表した。業績悪化に加え、西川氏に株価に連動する報酬で不正に上乗せされた金額を受け取っていた問題が浮上し、社内外から経営トップの責任を問う声が強まっていた。
(中略)
カルロス・ゴーン前会長の側近だった日産前代表取締役のグレッグ・ケリー被告=金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴=が西川氏から役員報酬の増額を求められ、西川氏のSARの権利行使日を1週間ずらすことで約4700万円上乗せされた金額を西川氏に支払ったと認定された。権利の行使日を決めていたのに、その後の株価上昇に合わせて行使日を遅らせていた。SARを使った不正な手口で、ゴーン前会長が1億4千万円、ケリー前代表取締役も700万円を得ていたほか、金額は明かされなかったが、元取締役2人、現職・元職の執行役員4人にも不正な支払いがあったことも認定された。
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ただ、西川氏を含むいずれのケースも、不正な方法で報酬が増額されたことを知らず、SARを利用した不正の指示などもなかったと認定した。西川氏らが「不正行為に関与したとみる余地はない」とし、西川氏らに「責任追及をすることは予定していない」と結論づけた。西川氏と元取締役の1人は上乗せ額を返納する意向を示しているという。日産は、取締役会への結果報告をもって、報酬不正問題の早期の幕引きを図りたい考えで、SARの廃止も決めた。
~省略~
【朝日新聞 2019.9.9.】
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闇株新聞によると、今回明らかになった不正は、「文芸春秋」 7月号(6月10日発売)で、既に暴露されていたとのことです。文書オンラインによると、こうした不正な報酬によって、西川氏は渋谷区内にマンションを購入したということです。
ゆるねとにゅーすさんは、“ゴーンさんよりも先に西川社長が逮捕されるような話”だとしています。しかし、西川社長は司法取引があるのか、今のところ逮捕される気配はありません。また、カルロス・ゴーン氏の逮捕が、「政治的または権力層の都合」によるものだと指摘していますが、そう考えるのが自然だと思います。
一説には、日産の軍事技術が、フランスを介し、中国に渡ることを恐れたとも言われています。ファーウェイの5G戦争も考慮すると、この線は有力かも知れません。