アメリカはイランを平和への最大の脅威だと考えているのに、残りの世界はアメリカこそが平和への脅威だと考えている理由とは?【ノーム・チョムスキー】
Why Does U.S. Consider Iran the Greatest Threat to Peace, When Rest of World Agrees It’s the U.S.?
4月4日【Democracy now!】
(中略)
アメリカとイラン両国間の関係について、 私たちは世界的に著名な反体制派であり言語学者、執筆家の
ノーム・チョムスキー氏の意見を伺った。
フアン・ゴンザレス(インタビュアー) :
(中略) なぜアメリカは、イランとの戦争を起こすための根拠となる状態を作り出すことに固執しているのでしょうか 」
ノーム・チョムスキー氏 :
(中略) 世界の市民が考えている「世界平和に対する最大の脅威の国」は実はアメリカ合衆国です。
他のいかなる脅威よりも断トツの一位です。二位のパキスタンという意見は、それと比べるとはるかに少ないものでした。
イランは(世界の脅威として)言及されることがほとんどありませんでした。
ではなぜ、ここでイランが世界平和への最大の脅威だと考えられてるのでしょう。
(中略)
数年前の
諜報機関による結論によれば、 イランが核兵器を配置しているとした場合、
(中略)… イランの核配備は戦争抑止力としての戦略の一部だというのです。
(中略)
戦争抑止力を懸念するのは、自らの戦力を使いたいと思っている者たちです。
自らの戦力を自由に使いたがっている者たちが、戦争抑止力の可能性を深く懸念するのです。
(中略)
(翻訳終了)
【参考】
https://www.democracynow.org/2017/4/4/why_does_us_consider_iran_the
(インタビューの動画は上記リンク先からご覧いただけます)
*-*-*-*-*-*-*-*-*
【コメント】
さすがチョムスキー氏、明瞭でわかりやすい説明ですね。
よくアメリカや日本のメディアや政府が 「世界はこう考えている!」
「国際社会は・・・」などと言われていますが、実はそこでいう「世界」というのはアメリカとわずかな同盟国だけを指していて、実際には残りの本当の世界や国際社会はまったく異なる考え のようですね。
(中略)
古く歴史的な経緯や国境問題などから近隣諸国と仲が悪いケースは、上記以外にも世界中に存在しています。
日本の大手メディアの報道では、国際情勢についてはアメリカ系のメディアの要約版がほとんど のようですが、イランの様な遠い国よりも近隣諸国に対する敵対心が強い傾向があるようです。(アメリカのメディアでも中国はあまり好意的に描かれてない場合も多いですが)
そして依然として、「アメリカは世界最大の超大国で、世界の中でも安定した強い立場を占めており、軍備も最強と」考えている人も日本には多そうですが、そういったアメリカが世界に信じてもらおうと必死になっている一極的な権力の集中した状態は危険ですし、夢物語にすぎないようです。プーチンさんの演説にもありましたね。
現在はロシアや中国を中心とした反米的な国が一丸となりつつあり、米ドル中心から金本位制度の金融システムへの移行を目指しつつありますが、その動きがまた最近になって加速化してきているようです。 詳しくは次の動画にまとめられています(英語)。
VIDEO
12分10秒〜13分45秒では、キッシンジャー氏について語っています。やはり、キッシンジャー氏はこれまでとは異なり、世界の安定のために動いているということで、しばらく様子を見たいと言っています。
毎日新聞の記事は、興味深いものです。トランプ政権の外交政策を事実上牛耳っているのはキッシンジャー氏であることが、これではっきりとしました。キッシンジャー氏は、トランプ氏が大統領になる前の2016年の5月の段階で、すでにトランプ氏と交渉をしています。その後、習近平氏に会い、プーチン大統領に会い、今の北朝鮮問題に関わっているわけです。全体を俯瞰した場合、キッシンジャー氏は第三次大戦に誘導するために動いているのではなく、平和外交を目指しているのは明らかだと思います。
一般の見方とは異なり、コミー長官の罷免はキッシンジャー氏も了解済みのはずです。多くの人が思っているほどには、トランプ政権は不安定ではありません。