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[ マスコミに載らない海外記事 ]ワシントンのクルディスタン計画を出し抜いたモスクワ

 10/17時事ブログでは「アメリカ、イスラエルは、来年の始めには、クルド人独立国家「クルディスタン」の建設を諦めるのではないか」との見解でしたが、10/18、ロシアが、この大クルディスタン計画に王手をかけていたようです。シリア・クルド地域のエネルギー支配権に影響力を持つことで、ロシアがこの地域の敵対関係を一変させてしまいました。
 ロシアの巨大国営企業ロスネフチは、イラク・クルディスタンの主要石油パイプラインの支配権を購入することに合意し、自治地域への投資を40億ドルに増やすと発表しました。クルド・パイプラインに対する35億ドルの投資に加えて、地域クルド政府に12億ドル貸し付け、この地域の最大外国投資家になったのです。
 10/19には、アメリカが訓練し、兵器も供給していたクルド人のシリア民主軍(SDF)が、自分たちが支配していたシリア最大の豊富なガス田を、ロシア地上部隊に引き渡すという驚きの取引が行われ、続いてロシアは、引き受けたガス田の支配権をシリアのダマスカス政府に返還する、と発表しました。
10/25、イラクのハイダル・アバーディ首相と、トルコのエルドアン大統領との会談は、両国間の画期的な雪解けとなり、イラク・ガスについては、今やトルコは、ロシアの後ろ盾を持つシリアと友好的な交渉をせざるを得ない状況です。
 先般のカタール包囲網が失敗したことも記憶に新しく、「今やカタールは、サウジアラビアが反対する新たな地政学同盟、イラン、トルコ、ロシアと中国と協力している」と鮮やかな変化を遂げています。
 そして現在、サウジアラビアは粛清の最中。大クルディスタン計画は、計画倒れに終わったようです。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ワシントンのクルディスタン計画を出し抜いたモスクワ
 (前略)9月、イラクのクルド人は、どうやらキルクーク内と周辺のイラク国内で最も豊かな油田のいくつかを支配するはずの独立クルディスタン創設に圧倒的多数で賛成したようだった。一ヶ月後の現在、アメリカとイスラエルが支援するクルド指導者、マスード・バルザニは、イラク・クルド議会での深刻な権力喪失に直面している。(中略)進展の中心にいるのは、ロシアとロシア国営巨大石油企業ロスネフチだ。
(中略)
イギリスとフランスが、(中略)崩壊するオスマン帝国の、石油豊富な土地を切り取って以来、クルド人として知られている民族は、イラン、イラク、シリアとトルコの国境で、意図的に分断された。一つのクルド国家を今作れば、地域全体、さらにはその外まで不安定化させるはずなのだ。(中略)
アメリカとイスラエルが、人口約2300万人の大クルディスタンの前身として、イラク国内に独立クルド国家を形成することに成功していればイラン、イラク、シリアからトルコに至る地域全体を、2003年に、サダム・フセインが大量破壊兵器を保有しているという偽の証拠をでっち上げて以来、ペンタゴン・ネオコンが涎がでるほど望んでいる実に巨大な戦争に陥れていたはずなのだ。


一カ月後…

一カ月後、イラク・クルドの光景は一体どれほど変わっただろう。

(中略)
ロシアの石油地政学G
ここ数ヶ月、イラクとシリア・クルド地域の地政学的エネルギー地帯での戦略的変動を起こしている、ほとんど目立たないながら、極めて重要な要素は、ロシア、具体的にはロシアの巨大国営企業ロスネフチだ。

9月25日のイラク・クルド人住民投票のすぐ後、(中略)ロスネフチCEOイーゴリ・セチンは、ロスネフチがイラク・クルディスタンの主要石油パイプラインの支配権を購入することに合意し、自治地域への投資を40億ドルに増やすと発表した。

(中略)クルド・パイプラインに対する35億ドルの投資に加えて、ロスネフチは、今年早々、財政危機緩和のため、地域クルド政府に、12億ドル貸しており、ロシアは、イラク・クルド地域における非常に大きな最大外国投資家となっている。

ベイルートのアルマスダル・ニュースの報道によれば、同日、10月19日、石油とガスが豊富なシリア・デリゾール州で継続中の戦争で、アメリカの兵器と訓練によって大いに支援されていたクルド人のシリア民主軍(SDF)が、豊富なガス田を、ロシア地上部隊の兵士に引き渡すという、驚きの取り引きをした。

クルドのSDFが、9月23日に、ISISから支配権を奪ったばかりのアルタビヤ・ガス田を引き渡すことに同意したという報道は、シリアとイラク両国での石油とガス開発、もちろん、クルドでの開発においても、ロシアの小さいとは言いがたい役割を示唆している。(中略)ロシアは、支配権をシリアのダマスカス政府に返還する予定だという。(中略)
10月25日、イラクのハイダル・アル=アバーディ首相は、アンカラで、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談したが、これは両国間の大きな雪解けだ。
(中略)ワシントンの地政学的愚行と、ネオコンの戦争熱が、従来、地政学的な敵だった国々を、わずか三年前には到底想像できなかった形で協力させるよう追いやったのだ。

ロシアは、地政学チェスの戦いを抜け目なく演じたのだ。(中略)イラク・ガスについて、今やトルコは、ロスネフチと、ロシアの支援で、バッシャール・アル・アサドがしっかり定着している中、ダマスカスと交渉しなければならない。そして、トルコはそうしているように見える。(中略)
ワシントンにとっての更なる失点は、カタールを巡る展開だ。(中略)“アラブNATO”は(中略)元湾岸協力会議の同盟国で、(中略)カタールに対して経済制裁を課した。(中略)今やカタールは、サウジアラビアが反対する新たな地政学同盟、イラン、トルコ、ロシアと中国と協力している。

ロシアは、イラクとシリアのクルド地域の真ん中に身を置き、大クルディスタンとNATOが支配する大中東という英米とイスラエルの計画に対する鮮やかな政治クーデターをなし遂げたのだ。

王手! ワシントン。あなた方は中東を失ったのだ。

(以下略)

17/10/13 フルフォード情報英語版 [番外編]:仮想通貨の現状――白龍会からの特別報告書 3/6

 前回は、仮想通貨を巡る周囲の反応を見ました。IMFやFEDは新たな世界でも支配権を確立しようと虎視眈々と狙っていますし、既存の大手企業も一儲けしようと参入して来ています。国で言えば、中国や韓国は消極的、日本やスイスは積極的。
 一昔前、IT系のベンチャー企業が雨後の筍みたいに乱立していたのと似ています。今は“スタートアップ企業”と呼ぶみたいですけどね、発想力勝負の戦国時代の様相を呈しております。本文では、スタートアップを「新規立ち上げ」などと訳していますが、会社ではなく“チーム”、事業ではなく“プロジェクト”と、なんだかゼミかサークルのノリっぽい。
 前回最後に出てきた“ブロックチェーン”は、トークンの全ての取引を記録した電子台帳です。一定期間毎に塊(ブロック)に分けて皆で保存し合い、前の塊が次の塊へとジグソーパズルのピースのように特定の繋がりを有して続いていく(チェーン)のだとか。
 争いの場はトークン(仮想通貨)の多様化だけではなく、仮想通貨市場を支える技術的な分野にも及んでいる、というのが今回のお話。
(Yutika)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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仮想通貨の現状――白龍会からの特別報告書 3/6
投稿者:フルフォード

仮想通貨とは一体


実際には今年市場に参入してきた仮想通貨の多くは通貨と呼べるものではなく、どちらかというとアプリやプラットフォームへのアクセス権限を表象する“機能的なトークン”と言うべきものだ。

このように考えればよい:グーグルが“グーグルコイン”なるものを作り出して、貴方がグーグルで検索する度にそのグーグルコインを少量支払わなければならない仕組みになったとしよう。縦えそれが正確には通貨と呼べるものでなく、グーグルのプラットフォームのみでしか使用できないとしても、こうなるとグーグルコインの需要が生まれ、価格が下支えされることになる。


新市場のサービスも争いの場


多くの企業が仮想通貨の生態系における新たな“グーグル的存在”、つまり核となる必要不可欠なサービスを提供する企業になろうと、競い合っている最中だ。

例えばチェーンリンク社は「オラクル」と呼ばれる形で既存の金融データをブロックチェーンに移行させ、他の仮想通貨の企業にそのデータを提供しようとようと試みている。どうやらチェーンリンクのチームはスイフト【国際銀行間通信協会】と既に提携しているようだ。


しかし我々が思うに、スイフトのシステムそのものが廃止され撤退すべきではないだろうか。ロシアと中国はスイフトの代替機関を作り出そうと既に動いている。またの名を金融制裁とも称する金融戦争において、銀行カルテルが使用する主な武器の一つがスイフトなのだから当然のことだ。


さて次に移ろう。ビットクエンスは利用者が使い易い電子財布のアプリを構築しようとしている。ある意味、電子通貨のダッシュボードであり、ある意味ソーシャルメディアのアプリといったところだ。


イコノミは電子資産の運用会社であり、仮想通貨世界を熟知した参加者が管理する投資ファンドを提供しようとしている。

興味深いプロジェクトは幾つもあり過ぎる。こういった“トークン”を時価総額で分類した一覧はコインマーケットキャップにて確認可能【なので興味ある方はそちらを参照して頂きたい】。


取引所の開設も争いの場



他に興味深い新規立ち上げと言えば、0xプロジェクト(「ゼロ・エックス」と読む)である。分散型でP2P形態の為替取引のため、核となる構成要素を作出しようと試みているのだ【※ざっくり言うと、各種トークンを送ったり交換したりするため、分散型の取引所に類似するものを新設しようとしているみたいです】。

言わば、仮想通貨の生態系は金融取引にとっての新たなインターネットのようなものであり、各企業がその新たなネット上の核となる機能を作り出そうとしている。

中国が少し前に仮想通貨の取引所を閉鎖することが可能だったのは、それが集中型の取引所だったというだけであり、つまり取引所が特定の一つの場所に存在したか、特定の一連のコンピューターに存在したせいなのだ(中国の場合は後者)。

分散型の取引所が謳っているのは、それが特定のいかなる物理的な場所にも存在せず、よって閉鎖や統制されにくくなるだろうということだ。加えて、利用者に仮想通貨建て資金を預け入れることを要求しないものが大半なので、そういった資金が盗難されるリスクも排除される。分散型の取引所においては、【これまでの集中型取引所と異なり】利用者同士によるP2Pの形で取引が行われるのだ。

分散型の取引所という狭い分野においてでさえ、既に激しい競争が始まっている。「分散型取引所プロトコルにおける情勢」と題された最近の記事が、幾つかのアプローチの非常に細かい技術的な違いについてまとめてくれている。

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自由党議員による加計問題追及 ~じわじわと追い詰められる内閣府と文科省の役人~

竹下雅敏氏からの情報です。
 黒川敦彦氏によると、“11月10日認可の説が濃厚だ”とのことですが、野党各党は加計問題追及の姿勢を見せています。黒川敦彦氏のところに“野党各党の議員さんから、なぜか一挙に連絡が入ってる” ようです。
 下の自由党によるヒアリングの様子は、なかなかのものです。山本太郎議員と森ゆうこ議員が、内閣府と文科省の役人をじわじわと追い詰めて行きます。
 49分50秒~50分5秒では、“6月5日のワーキングの議事録は、作成している”と言っています。51分55秒~54分では、議事録の録音テープについて聞かれ、“録音テープは廃棄した”と言い、山本太郎氏は苦笑い。“メモがあるでしょう”と聞かれると、言い訳をしながら“メモの公開は難しい”と言っています。
 54分~55分20秒では、森ゆうこ議員が、“全部オープンにはなっていませんね”と確認すると、内閣府の役人は“全部オープンになっています”と強弁。国税庁長官に出世した佐川が良い見本になっているようです。
 1時間18分20秒~1時間20分10秒の所は必見です。“今治と京都の両者をいつ誰が比較して、どのように加計学園が優れていると判断したのか”との質問に対して、“このような判断を昨年夏から今年の頭にかけて判断したが議事録は無い、メモは無い”との説明。
 “どこが全部オープンやねん!”とツッコミたくなります。以下、自由党の議員の追及には、あべぴょんや大臣の国会答弁のごとく、のらりくらりと意味のない言い訳ばかりしています。
 “本当に、頭が悪いんですね。日本語がわからないみたいですね。官僚の仕事は向いていないから、とりあえず病院に行って診てもらった方がいいですよ”とアドバイスしたくなります。これは国会議員も同様です。アホな連中を権力から排除しなければ、この国の再生はありません。
(竹下雅敏)
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2017.11.08 自由党 政策審議会
配信元)

[カレイドスコープ]世界を不幸にするグローバリズムの正体

 新政権が誕生して、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)離脱かとおもわれたニュージーランドでしたが、先月末のTPP参加11か国の首席交渉官会合にてTPP残留を明言しました。アメリカ抜きのTPPを諦めていない日本政府はさぞかし安堵したのではないでしょうか。
 そんな中、先日来日したトランプ大統領からは、TPPの個別バージョンといえるFTA(自由貿易協定)を視野に入れているとおもわれる発言がありました。もちろんISD条項入りでしょう。
 各国の思惑が行き交うこれらの流れを、私たち国民が追っていくには、まずグローバリストが一体何を目的としているかを理解しておく必要があるとおもわれます。
 下記の記事は2013年のものですが、わかりやすい解説なので改めて取り上げてみたいとおもいます。
 発展途上国において、国連主導の下でIMFと世界銀行は貸付の条件として水道事業やガスなどのエネルギー事業の民営化を迫り、ライフラインを押さえていきます。先進国においても同様です。TPPでもFTAでもISD条項さえあれば、彼らは食糧と水道を押さえてくるはずです。ましてや日本では、2018年3月いっぱいで種子法が廃止されますし、水道法改正案が2017年3月7日に森友問題の裏で人知れずこっそりと閣議決定されてしまっています。そして民営化されてしまうと、生物特許のあるGM種子が蔓延し固有種は無くなり、水道にはアメリカの31の都市のように神経毒素のあるフッ素や発がん性のある化学物質などが入れられることになるとおもわれます。
 このように彼らグローバリストは国連の名の下に、国家の安全基盤の保障であるインフラを押さえていくことで人口削減を進め、彼らが目指す世界政府の基盤となる多国籍企業への利益誘導を行っています。こういうグローバリストの真の姿を、私たち国民は正しく認識しておく必要があります。それこそが、ヴァイシャ支配を終焉させる、まともな政治家が育っていくための土壌となるのですから。清廉なる地球とともに。
(しんしん丸)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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日本の水道をすべて多国籍企業に売り渡す自民党
転載元)

(中略)

麻生太郎が、CSIS(米戦略国際問題研究所)で、「(安倍晋三首相に続いて)私も戻ってきました」と切り出し、「日本経済再生に向けた日本の取組みと将来の課題」というタイトルでスピーチを行いました。

その中で、「日本の国営もしくは市営・町営水道は、すべて民営化します」と発言

(中略)

三大水メジャーのひとつ、ヴェオリア・ウォーターの子会社が2012年4月から地方の公営水道事業を受託している 

まず、フランスのヴェオリア・ウォーターが日本法人、ヴェオリア・ウォーター・ジャパンを設立。
手始めに、2012年4月から、松山市の浄水場の運転業務を受託

外資が水道事業で攻勢、仏ヴェオリアが松山市から受託 (日本の水道事業を外資に委託するのははじめて)

世界最大の水事業会社であるフランスのヴェオリア・ウォーターの日本法人、ヴェオリア・ウォーター・ジャパン(東京都港区)が2012年4月から、松山市の浄水場の運転業務などを始める。
外資系企業が単独で日本の自治体の水道業務を受託するのは初めて。
 
同年5月、ヴェオリア・ウォーター・ジャパンは、広島、埼玉でも下水処理場のO&M(オペレーション&メンテナンス=運転・維持管理)事業を相次いで受託
その後、千葉県でも、終末処理場の維持管理業務を受託しています。

ヴェオリア・ウォーターは、スエズ・リヨネーズ・デゾー(現在はオンデオ)、テムズ・ウオーター・ユーティリティーズと並ぶ世界三大水企業のひとつで、東京都の水事業でも、よく出てくる社名です。

(中略)

“水メジャー3社は”別名、「ウォーター・バロン」と言われており、穀物メジャーと同様に、世界の水利権を支配しようとしている多国籍企業軍。

(中略)

「新世界秩序」から日本に送り込まれたエコノミック・ヒットマン 

さて、安倍内閣は、その命の糧である日本の水を外資の獰猛な牙の前に、そっくり差し出しますよ、と言っているのです。

(中略)

これほど重大な決定を議会に諮るでもなく、ましてや、日本ではなく、アメリカの、それもただの民間シンクタンクであるCFR(外交問題評議会)の下請け機関で真っ先に表明するのです。

(中略)

日本は世界の中でもっとも民営化率が低い国(資料は、こちらから)

(中略)

竹中平蔵が産業競争力会議に提出した資料の中で、このように言っています。

「こうしたインフラは全国で約185兆円の資産規模と推計され、全国的に民間開放の動きを進めることで、少なくとも数十兆円規模の財源創出が見込まれる」。

「全国的に民間開放」と言っているのは、竹中の場合、日本企業向けではなく、グローバルな多国籍企業に対して全面開放しますよ、と言っているのです。

(中略)

つまり、彼は「新世界秩序」から日本に送り込まれたエコノミック・ヒットマンなのです

(中略)
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17/10/13 フルフォード情報英語版 [番外編]:仮想通貨の現状――白龍会からの特別報告書 2/6

 前回、既存の金融システムが死に体で専門家にも見放され、いつ崩壊してもおかしくないということをさくっと復習しました。そんな中でビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が頭角を現しています。
 今回から色々な“トークン”が登場します。ネット上で会社が独自に発行するコインもどきらしいです。銀行やクレジットカード会社の仲介なして、色々生み出せるとか。実体のない商品券みたいなものでしょうか。
 “サブ・トークン”は……多分、イーサリアムとかの大型トークン内部で更に分岐した準コイン、例えば巨大カジノ全体で使用可能なチップではなく、特定のスロットマシーンにしか入れられない特殊チップ的なもんすかね(※ラスベガスなんざ無縁の人生なので、そんなマシンが存在するかは不明です。あくまでイメージの話)。
 通貨発行権と抵触しないの? どこまで使えるの? どっちかっていうと投機目的の金融商品なんじゃないの? と謎は尽きませんが、銀行が無から生み出す金融世界そのものが最初っから胡散臭いのです。虚偽の上にそれらしく構築された経済学なんざぁ、深く考えちゃあいけませんぜ。とりあえず「へーこんな世界もあるんだー」的に読んで頂ければ。
(Yutika)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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仮想通貨の現状――白龍会からの特別報告書 2/6
投稿者:フルフォード

様々な仮想通貨が誕生


イーサリアムといえば、独自の生態系を急速に構成しつつあり、イーサリアムのプラットフォーム上にはありとあらゆる目的のために作成された何百もしくは何千の“サブ・トークン”が既に存在する。




デンタコインは歯科業界で使用される将来の通貨になろうと試みている。奇妙に聞こえるかもしれないし、実際に我々もそう思ってしまうのだが、まあしかし何が悪い? 何百もしくは何千もの通貨が競合する市場が広がる、リバタリアン【=自由至上主義者】が長らく夢見た未来の世界においては、通貨を国家ではなく業界毎に沿って線引きしたっていいではないか。


もう一つ別の例として、ベーシック・アテンション・トークンというのがある。消費者の注目というコンセプトを“トークン化”し、オンラインの広告詐欺を撤廃し、実際に消費者が【広告を】見るのに費やした時間に対価を支払うことで、広告業界に革命を起こすことを目的としている。

ベーシック・アテンション・トークンは新進気鋭のウェブブラウザブレイブと繋がっている。ブレイブ・ソフトウェア【社】はネット上のプライバシーの非常に熱心な擁護者であり、モジラ【社】(ファイアーフォックス)の元最高経営責任者であるブレンダン・アイクが率いている。

ブレンダン・アイクと言えば、カリフォルニア州の提案8号【※同性婚反対の住民投票】に1,000ドル寄付したせいで、モジラを追い出された男として覚えている読者もいるだろう。広告はグーグルやフェイスブックといった会社にとっての主要な収入源なのだから、彼は【自分をクビに追い込んだ】リベラルなシリコンバレーに報復する機会を得るかもしれない。

興味深い仮想通貨プロジェクトは挙げればきりがない上に、この業界は電光石火の勢いで発展を遂げている最中だ。イニシャル・コイン・ オファリング(ICO)【※株式(IPO)ではなく仮想通貨発行による資金調達方法】に注ぎこまれた金額は今年度爆発的に増え、其の他全てのベンチャー企業投資形態を凌駕してしまった。

これが意味するところは、中国から欧洲に至るまで世界中の若い技術企業家のほぼ全員が、何らかの仮想通貨プロジェクトに現在関わっているということだ。そういった観点だけから考えても、我らの将来の金融システムがどのようになるか、見当が付かない訣があるまい。


既得権益が規制に乗り出してきた


IMFのクリスティーヌ・ラガルドですら、ブロックチェーン技術が既存の金融システムに取って代わることに関して不吉な兆候を今や認めるようになった。どのように展開されるのかはまだ不明だが、連邦準備制度やIMFのような組織が、「ビットコインなんて忘れろ。IMFコインのことを聞いたことはあるか?」と題された『ウォール・ストリート・ジャーナル』の最近の記事に描写された如く、通貨に対する支配を少なくとも保持しようと試みるだろうことは想像に難くない。連邦準備制度【FED】が新たな仮想通貨を発行する可能性について、金塊と通貨の評論家であるダグ・ケイシーが『FEDコインを生き残る』と題した本を執筆するくらいなのだ。


ビットコインのファンであれば、その興隆を阻止しようとする政府機関の試みはどれも無駄でしかないと反論するだろう。結局のところ、ビットコインはその誕生時から阻止することが出来ないように設計されているのだ。それは人々がビットトレントといった流通するピアツーピア【P2P】技術を使って、ネット上の動画や音楽をダウンロードしたりシェアすることを、阻止するのは事実上不可能だというのと同じことである。


「政府によるビットコイン禁止措置」【※部分的に封鎖しても意味なしということ。元記事にあった唯一の画像です。】

とはいえ、各国政府(そして彼らを操る御主人様ども)既存の金融システムに対して今でも実際に支配を続けており、人々が不換通貨を仮想通貨の生態系内へ預けたり下ろしたりすることを非常に難しくする力を有している。とりわけ中国韓国では最近ICOを厳しく取り締まったため、多くの仮想通貨の取引所が閉鎖されてしまった。

他の金融規制機関でもSEC【米国証券取引委員会】などが少なくとも声明を発表している。SECの声明文は、縦えICOをあからさまに禁止しないとしても、伝統的な証券同様に規制されるであろうし、されなければならないと示唆していた。【確かに】こういった規制もある程度は必要だろう。現在の仮想通貨市場ときたら、かつての西部開拓時代のようになりかけている。

多くの詐欺行為が存在することは疑うべくもないし、多くのトークンが近い将来その価値は殆ど無きに等しいものとなることも確実だ。ひと財産稼ぐ者もあれば、ひと財産失う者もいる。

とある証券専門の弁護士はこう形容してみせた:「ICOの世界も、証券関連法規が存在するのにはそれなりの理由があったのだと既に学びつつある。【ウォール街大暴落となった】1929年以来ずっと明確であるべき筈だったものだ。残念ながら、多くのそれ程見識の無いICO投資家たちは、長きに渡って築き上げられたコーポレート・ガバナンス規範もまた、理由があって存在しているのだと、身をもって学ぶことになるだろう。」

とはいえ、行政の過度な締め付けに委ねるのではなく、仮想通貨経済それ自身が何らかの規律を課すことも可能ではないだろうか。


仮想通貨に乗っかる既得権益もあり


しかし、仮想通貨を厳しく取り締まる政府もあれば、門戸を開放し仮想通貨ビジネスや新規立ち上げで激しく競争している政府もある。日本は仮想通貨の取引所を閉鎖するどころか、受け入れ、調整することでビットコイン大国となりつつある。

スイスのツーク州(ベンジャミンのブログでしばしば言及されるロスチャイルドの居留地では仮想通貨の新規立ち上げが大量にみられることから、クリプトバレー【※シリコンバレーになぞらえて、「仮想通貨の谷」ってことでしょうかね】と呼ばれるようになりつつある。


なんにせよ、仮想通貨に対して政府がどの程度の統制力を保持しうるか未だにはっきりしないものの、現時点で確かなことが一つだけある:この世界の未来の金融システムはブロックチェーン技術を行使して築かれるだろうという点だ。IBMやマイクロソフト、JPモーガンといった大手企業はブロックチェーンの船へと飛び乗ってきているし、様々な産業共同体を次々に発表している。まさにこれこそが仮想通貨の価格を今年上昇させている要因の一つなのだ。


翻訳:Yutika

註:【 】内は訳者の解説部分です。また訳文は日本語での読み易さを優先して見出しを入れ、原文とは異なる形で文や段落を分割することもあります。原文にはないツイートや画像も加えています。


お願い
フルフォード氏本人から快く許可をいただき、英語版レポートをシャンティ・フーラで翻訳して転載させていただいております。ただ、フルフォード氏の活動を支えるためにも有料の日本語版メルマガを購読して応援してもらえると有難いです。皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

Writer

Yutika

体癖:8−2、エニアグラム:4
関西の英語塾で教えつつ、翻訳業(英語&仏語)をしております。