メキシコ東南部の経済活性化
メキシコに住んで面白いなと思ったのは、popoちゃん在住のファレス(アメリカ・テキサス州エルパソとの国境都市)は首都のメキシコシティよりも物価が高いこと。ファレスはメキシコの中で最も物価が高い街の一つ。ちなみにファレスの人口は約150万人。メキシコシティは約920万人。
メキシコの北部は、アメリカに近いため他の地域のメキシコよりも経済が発展していて確かに賃金も高い。ファレスはたくさんの外国企業の工場があり、いつも働き手不足。職を求め南部から出稼ぎに来る人も多いです。北部ではシエスタ(お昼寝)の習慣もほぼ消えています。「我々メキシコの北部の人たちがせっせと働き、南部の人たちを食べさせてあげている。」というアンポンタンな発言をした北部の州知事がいるほどです。
ロペス・オブラドール大統領によると、長年、新自由主義政権下でメキシコ東南部への経済開発がほとんど行われなかったとのこと。それどころか前政権は、東南部に属するユカタン半島(メキシコの一番重要な観光地帯)にあるすべての石油資源の開発を外国に引き渡そうとしていたらしい。大統領の出身は、東南部にあるタバスコ州。(上の地図のVeracruzの右隣あたり、メキシコ湾の一番下のカーブのあたり)確か新自由主義政権下ではタバスコ州の成長率はマイナス10とかだったと記憶しています。余談ですが、レストランのテーブルによく置いてあるタバスコ・ソースはアメリカ・ルイジアナ州の商品。タバスコ州原産のチレを主原料に使っているらしい。(
wikiより)
そんな見捨てられていたメキシコの東南部の経済活性化を目的としたマヤ列車。5つの州からなるこの東南部にあるユカタン半島のカンクン(上の地図の黄色い部分の一番右の先端)は、おそらく日本でもリゾート観光地として知られていると思います。popoちゃんがカンクンに行ったのは約20年前。
2022年10月19日の記事で、東京大学の鈴木宣弘教授は、“もう輸入は止まって来てます。ということで、食糧危機真っただ中というのがですね、今の状況かと思います。…肥料が無いんです。化学肥料の原料は…ほぼ100%海外依存なんです。…日本で有機農業、自然栽培を頑張ってくれている方々は、全体では0.5%の耕地面積です。99.5%の方々は慣行栽培ですね。そこに大打撃が生じる可能性が出てきたというのが、今の状況なわけですね”と言っていました。
この危機的な状況をどう乗り切るかですが、ピンチはチャンスでもあります。日本は危機を克服する技術を既に持っています。堤未果さんの動画では、菌ちゃんふぁーむ代表・吉田俊道氏の声を聞くことが出来ます。
吉田俊道氏はひとつめの動画で、“消毒すると、悪い菌を殺したつもりで、1個の悪い菌殺した時に700のいい菌殺してるんですよ、実際は。だから700の微生物と繋がりを切っちゃったら、弱くなるに決まってますから、お野菜も人間も(4分22秒)…もうそろそろ、気付かないといけないけど、なかなかそれは難しい。じゃあ、いっそのこと肥料が無いってなってしまったら、無肥料でやるしかなくなるじゃないですか。…だから逆に地球的にはめちゃくちゃいい状態になるんですよ(11分18秒)…もうそろそろ新しい農業をしてよ、という地球の意思じゃないですかね(12分20秒)”と言っています。
ふたつめの動画の冒頭、「菌ちゃん農法」は環境再生型農業であることを説明しています。そして、“ウンコが臭い人が煮干しを食べてもダメなんです。畑がまだ十分菌がいないのに、カキガラ石灰入れてもそのカルシウムは吸えないんです。ミネラル吸えないの。微生物と一緒じゃないと吸えないんです、畑では。まったく同じことが人間のお腹の中でも言えちゃうんですね。だから、いいウンコを出して、且つミネラルのあるものを食べると、途端に元気になります(8分30秒)”と言っています。
妻によく、人間の存在理由を問われ、「いいウンコをすることだよ」と答えていましたが、その事が証明されたように思いました。それと年の初めにウンコの話が出来て良かったです。
動画の最後のところで吉田俊道氏は、“日本は大丈夫。ほんとに大丈夫。木や竹や草だらけなんだから。そしてもう微生物たっぷりの国で、どんどん発酵型環境になる潜在的な力が日本はあるわけだから、一番うまく行く国なんですよ”と言っています。
動画で吉田俊道氏の声を聞いているだけで元気になります。オススメの動画です。
“続きはこちらから”の長周新聞の記事は、2021年3月19日の編集長の記事で既に取り上げています。記事を読むと、自然農法の考え方が良く分かります。また、「虫も微生物もその他のものたちもみな役割があって生きている。虫や病原菌がいたからこそ、この地球は生命にあふれている」という思想は、日本人の原点のように思えます。
そして、「有機農業の普及は日本が一番遅れているけど、技術は実は進んでいる。そういう意味で近い将来、日本は世界を変えるようなリーダーになるのではないかと思っている」というのは嬉しい言葉です。