アーカイブ: 原発再稼働

40年を超える老朽原発を再稼働させる決定をした福井県知事、再稼働に向けた地ならしをしてきた経産省、地元への交付金は50億円

 4/28、福井県知事が老朽化した原発3基の再稼働に同意したと報道されました。福島第一原発事故後に「原発の運転期間は原則40年」と定めたにも関わらず20年もの延長運転を、さらに使用済み核燃料の県外搬出先を決めることが条件にも関わらず候補地の青森県むつ市は拒否しており、幾重にも約束を反故にする形での再稼働決定です。国から地元へは美浜、高浜合わせて50億円が交付されます。専門家は40年を超えたからといって急に危険というわけではないなど国会などで答弁していますが、全国初の20年延長運転は、世界的に見ても例がないそうです。311の大惨事を経てなお、このようなことを進めるのは、あのけったいなCO2「46%」削減目標も後付けの理由とされています。
 しかし、関電と政府は数年前から再稼働へ向けての働きかけ、地ならしをしていたことを藤野保史議員が4/27衆院原子力問題調査特別委員会で指摘していました。経産省は2019年4月以降だけでも110回も福井県に出張し、とりわけ2020年10月16日には保坂伸資源エネルギー庁長官他5人ものメンバーが福井入りして美浜町長、高浜町長に面談し、両町長は「再稼働の議論が今日(10/16)から始動した」と表明しています。関電ではなく、政府が再稼働の議論を始動した経緯があり、こうした地ならしの上で福井県知事の決定が最後の仕上げとなりました。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)


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「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車
引用元)
運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない
(中略)
 老朽原発の再稼働という全国初の手続きは、4月に入って急加速した。知事は県議会に、再稼働すれば国から県に計50億円の交付金が入ることなどを提示。県議会はすぐに応じ、2週間余りで容認した。
(中略)
梶山経産相から、将来的にも原子力を活用すると言い切りの形での表明がされた」。杉本知事は会見で、同意表明の理由の一つに政府の原子力政策の方向性が示されたことを挙げた。
(以下略)
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「40年ルール」なし崩し 再稼働へ突き進む関西電力の老朽原発 福井県知事が同意へ
引用元)
(前略)
2020年10月16日(中略)この日を境に、関電が40年超運転を目指す美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働を巡る議論が一気に動いた
(中略)
 東京電力福島第一原発事故後、政府は12年6月に原発の運転期間を原則40年に制限した。当時の細野豪志原発事故担当相は「40年という期限が来たら、基本的に廃炉にする。延長を認めるのは極めて例外的なケース」と強調していたが、原則は崩れつつある
(中略)
「今までの想定で原発の検査をしても、未発見の現象は防げず、重大な劣化を見逃している可能性もある」。原発問題に詳しい大阪府立大の長沢啓行名誉教授(システム工学)は警鐘を鳴らす。
(以下略)

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水戸地裁が東海第二原発の運転を禁ずる判決 〜 30キロ圏内の避難計画に実効性がなく防災体制が不完全という真っ当な理由

 18日、水戸地裁が東海第二原発の再稼働を禁じる判決を出しました。「きょうの判決、すばらしい判決です。避難ができないということだけで原発を止めた最初の歴史的判決です」という弁護団のコメントにも心弾みますし、今回は「日本語が通じた」ような判決とその理由でした。大規模地震と原発事故が起きた場合の住民の安全な避難計画が未だに策定できておらず、不完全な防災体制が再稼働を禁ずる理由でした。30キロ圏内の住民が大挙して避難する場合、当地だけでなく避難先の受け入れ態勢も計画しなくてはならず、実効性のある避難計画とは途方も無い規模の準備が必要なのだと認識できた判決でもありました。お金よりも命が大事だと判断された気がします。
日本原子力発電は「到底承服できない」と速やかに控訴するらしい。さらに広島高裁では伊方原発3号機の運転を認める判決を出しました。伊方の人々こそ逃げ場がないぞ。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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東海第二原発の運転禁じる 水戸地裁「防災体制は極めて不十分」
引用元)
 首都圏唯一の原発で、日本原子力発電(原電)が再稼働を目指す東海第二原発(茨城県東海村)を巡り、11都府県の住民ら224人が原電に運転差し止めを求めた訴訟の判決で、水戸地裁は18日、運転を認めない判決を言い渡した。前田英子裁判長は、原発の半径30キロ圏に94万人が暮らすことを踏まえ「実効性ある避難計画や防災体制が整えられているというにはほど遠い状態で、人格権侵害の具体的危険がある」と理由を説明した
(以下略)
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日本原電「到底承服できない」と控訴の方針 東海第2原発の運転禁じる判決 
引用元)
日本原子力発電は18日、東海第2原発の運転差し止めを命じた水戸地裁の判決について「到底承服できないことから、判決文の詳細を確認のうえ、速やかに控訴に係る手続きを行います」との方針を明らかにした
(以下略)

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柏崎原発の重大なセキュリティ不備は少なくとも30日以上だった / 東電を規制できない原子力規制委員会、「それを追求するのは国会の責務」

 16日の夜、突然に原子力規制委員会の会見が行われ、梶山経産相の記者会見も行われました。3月初めに柏崎原発のIDカード不正使用が公表されましたが、それをきっかけに検査が行われたところ、複数の箇所で不正侵入を防止する検知器が壊れていたことが判明しました。しかしその時点ではまだ対策ができておらず、第三者の不正侵入が可能な状況だったため、詳細を説明することができなかったようです。結果的に30日以上にわたって悪意のある第三者が侵入可能だったということで核物質防護への評価が最も深刻な「レッドカード」レベルになりました。
 翌17日の参院予算委員会には更田委員長、東電の小早川社長も出席し答弁しました。国民の、特に新潟県民の怒りを前に小早川東電社長はロボットのような無機質な受け答えで、この人は事の重大さが分かっているのか、いや、すでに償いきれない罪を負っていることを自覚しているのか疑います。おしどりマコさんは「東京電力のルール無視による不適合の多さは、今に始まったことではなくて、ここ3、4年続いてる。 規制委員会がいくら指摘しても改善されない。」とツイートされ、さらにかぶせるように原子力規制委員会が「東電を規制できていないように見える」とも突いておられました。規制委員会による抜き打ち検査などは「抜き打ち」になっていない現場の実態も知られ、東電を規制できないぬるい規制委員会を監視し追求することこそ国会の責任だとも。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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テロ対策の設備を故障したまま放置、柏崎刈羽原子力発電所で去年3月からと規制委員会 核物質防護の評価で最悪の深刻レベルに!
転載元)
(前略)
新潟県の柏崎刈羽原子力発電所で防犯装置などが去年3月以降に壊れたまま放置状態になっていたことが原子力規制委員会から指摘され、東電が謝罪する事態になりました

原子力規制委員会と東京電力の発表によると、今年1月に柏崎刈羽原発で作業員が誤作動させてしまった検知設備の損傷問題を調査したところ、その検知設備とは別の場所でも複数の設備で故障状態が続いていたことが発覚。
現地調査から侵入検知設備が12ヶ所、それに加えて3ヶ所の設備故障が判明し、少なくとも10ヶ所で代替措置が不十分な状態のまま放置されていたとのことです。

広範囲の設備故障が放置されていたことから、30日以上の期間で不正な侵入を検知できない状態が続いていたとまとめられています。

今回の故障問題について原子力規制委員会は、「柏崎刈羽原子力発電所は組織的な管理機能が低下しており、防護措置の有効性を長期にわたり適切に把握しておらず、核物質防護上重大な事態になり得る状況にあった」と言及し、核物質防護に関わる4段階の評価のうち最も深刻なレベルだと指摘していました。
テロ対策の根幹部分で故障状態が放置されていたと言え、原子力規制委員会からここまで厳しく批判されるのは異例中の異例です。
先日にはIDの不正使用問題があったわけで、東電の危機管理能力と責任が改めて問われています。

(中略)

(以下略)

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大阪地裁が大飯原発の設置許可を取り消す判決、311以降初めてとなった住民勝訴の行政訴訟

 2014年(平成26年)、福井地裁で樋口英明裁判長が運転停止を命じた大飯原発3号機、4号機でしたが、その後の控訴では仮処分も含め2審で覆されていました。その大飯原発3号機、4号機の「設置許可の取り消し」を国に求めていた行政訴訟に4日、大阪地裁で判決が出ました。住民側の請求が認められ設置許可を取り消しました。森健裁判長は「原子力規制委員会の判断は不合理な点がある」と述べ、行政訴訟ではなんと、3.11以降初の住民勝訴だそうです。ツイートでは「素直に科学的判決」とのコメントもあり、樋口判決に続き画期的な判断です。
 裁判では、関電が出した耐震設計の目安となる「基準値振動」を基に設置を許可をした原子力規制委員会の判断が問われていましたが、原告の住民たちは「関電や国は想定される揺れを過小評価している。3、4号機の耐震性は不十分だ」と訴えていました。関電は判決を受けて「極めて遺憾で、到底承服できるものではない」という極めて遺憾で尊大なコメントを出しています。これまで起こされた原発をめぐる裁判はたとえ地裁で住民側が勝訴しても上級審で覆されることが続き、司法は意のままになるという感覚でしょう。しかし、今回の森健裁判長はかつて那覇地裁で辺野古差し止めを認めなかった判事だと知ると意外です。今回の判決を讃えたい。司法の世界に何か大きな変化が起きているのでしょうか。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)

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女川原発2号機再稼働を村井嘉浩宮城県知事が同意 〜 地元住民の反対や避難経路の不明は置き去り

 「今だけ、金だけ、自分だけ」「命よりも金」そんな言葉が浮かびます。村井嘉浩宮城県知事は東北電力女川原発2号機の再稼働に同意しました。これによって2022年以降の運転再開が可能になりました。加藤官房長官は「地元の理解が得られた」と述べていますが、民間世論調査では61%が再稼働反対を表明しています。同意せざるを得なかった地元の方々は、経済的理由で追い詰められての判断ではないでしょうか。おしどりマコさんがいみじくも「経済的徴兵と同じ」と核心を突いておられました。
 さらに事故が起こった時の肝心の避難計画が役に立たない可能性があります。2019年に行われた避難訓練では参加した住民から不安の声が上がっていますし、これまでに「災害時の孤立が頻繁に起きている」との東京新聞の報道もあります。避難経路も確保されないまま、地元住民の反対をも無視する強引な再稼働ですが、ゆるねとにゅーすでは、その背景に「菅政権による脱炭素社会をお題目にした原発推進政策」があると指摘されています。あらゆる利権の中でも最も巨大な闇を抱える原発の実態を、改めて認識すべき時です。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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女川原発再稼働 避難はまた置き去りか
引用元)
(前略)
 女川でも問題になったのが避難計画だ。経路に当たる国道は豪雨や高潮で通行不能になる例が多く大渋滞も懸念される。

 離島からの避難には海路や空路が含まれているが、広域災害時に人員や資材を確保できるのか。想定される避難先も被災した場合、収容先はどうなるのか…。実効性が疑われている

 地元住民らは、立地自治体の同意の差し止めを求める仮処分を裁判所に申し立て、議会には再稼働反対の請願を提出。政府にも避難計画の再審査を求めてきた。
(中略)
 これで十分という避難計画はないのかもしれない。横たわるのは日常の暮らしが根底から覆されかねない危険性を受け入れてまで、原発を維持しなければならないのか、との問いだ。
(以下略)
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女川原発の再稼働へ 「金が落ちるならしょうがねえ」 住民避難の不安は残したまま
引用元)
(前略)
地元同意手続きはとんとん拍子で進んだ。県内の市町村長から意見を聞く場は、会談2日前にあったばかり。事故時の避難計画が義務付けられている原発30キロ圏内にある美里町の相沢清一町長が「県民に新たな不安を背負わせる」と反対を表明したが、少数意見として受け入れられなかった

 早期の同意となった背景には、地元の商工会や漁協の要請も影響した。津波で800人以上が犠牲となり、人口減少が続く女川町では経済のてこ入れとして原発への期待が大きい。2年前には「福島みたいになりたくねえ」と語った同町の60代の男性漁師は、「金が落ちるならしょうがねえ」と諦めたように言った。
(以下略)
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宮城・女川原発の再稼働を村井知事が同意!東日本大震災の被災地で初!福島原発事故の記憶を葬りつつ、「脱炭素社会」を口実に「with原発社会」がますます加速!
転載元)
どんなにゅーす?
・2020年11月11日、宮城県の女川原発2号機について、村井知事が再稼働に同意することを正式に表明した

・東日本大震災の巨大な津波被害を受けた被災地の自治体が原発再稼働に同意したのは初である上に、福島原発と同型機の再稼働に地元知事が同意したのも初めて。福島原発事故の詳細な調査や総括がいまだ行なわれていない中、「脱炭素社会」を掲げる菅政権の主導で「with原発社会」がますます加速していく動きが広がっている。

(中略)

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