防衛省がおこなった地上配備型ミサイルシステム「イージス・アショア」の調査報告書に、事実とまったく異なるデータが記されていたことが物議を醸している。
防衛省は陸自新屋演習場(秋田市)以外に、青森、秋田、山形各県の国有地と陸自弘前演習場の
計19カ所を調べた結果、どこも「不適」になったため「新屋演習場が東日本で唯一の適地だ」と主張してきた。
ところがレーダーの妨げとなる山があるかどうかを調べた9カ所すべてで、
実際にある山の高さより数倍高い数値を記し「不適」としていたことが発覚した。適地選定の恣意性とともに、あまりにずさんな調査姿勢が表面化している。
(中略)
ところがこの
「仰角」データがすべて誤っていたことが明らかになった。このうちもっとも誤差が大きかったのは秋田県男鹿市の秋田国家石油備蓄基地を候補地とした例だった。候補地からの「仰角」は候補地と対象の山を結んだ「水平距離」と「山の高さ」を基に三角関数で算出する。
秋田国家石油備蓄基地の場合は、同基地から男鹿の本山まで水平距離は約9600㍍で、本山の標高は715㍍である。従って
「仰角」は「約4度」とならなければおかしい。だが調査結果に記していた「仰角」は「約15度」だった。この「仰角」から男鹿の本山の高さを算出すると約2600㍍になる。この男鹿半島に実在しない巨大な山がレーダーを遮ることをもって「秋田国家石油備蓄基地はイージス・アショア配備地として不適」としていた。ところが
男鹿半島に2600㍍級の山などない。地元住民の指摘ですぐにデータの誤りが表面化することになった。
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