注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
◆「戦後最長の景気拡大」のはずが既に後退局面に
内閣府が3月7日、景気動向指数の1月の基調判断について、従来の「足踏み」から「下方への局面変化」に引き下げました。
(中略)
しかし内閣府は「景気の現状の基調判断は、あくまでも指数から機械的に示されるもので、政府としての景気判断は月例経済報告で総合的に示したい」としている他、菅官房長官も「景気の回復基調は変わらない」と発言しています。
NHKや朝日新聞ではこの下方修正の原因を中国の景気の減速に伴う日本国内の輸出や生産を押し下げたとしていますが、それだけでは説明できそうにありません。
◆働き盛り世代の貧困化が進む
SMBCコンシューマーファイナンスは3月6日に30~40代の金銭感覚に関する調査結果を発表しました。それによると「現在の貯蓄額がゼロ」と答えた人が前年比6ポイント増の23.1%になり、平均貯蓄額も同52万円減の195万円に低下しています。
その中でも、貯蓄額の平均は30代が前年比4万円減の194万円なのに対し、40代は同120万円減の196万円と著しい落ち込みを見せています。(中略)
(以下略)
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「BUZZAP!」では内閣府、NHK、金融機関の発表をまとめておられますが、さすがの内閣府も景気絶好調とは言えなかったようで、「景気動向指数」により今年1月からの景気は後退局面と認めました。これに対して菅官房長官はあくまでも「景気は回復基調」との認識です。景気動向指数は景気変動に敏感ないくつかの指数を3ヶ月前の水準と比較して出しますが、政府はその他の状況も加えて総合的に判断する「月例経済報告」で好景気を演出するつもりなのでしょう。その布石のように、NHKでは中国の景気減速が原因と伝えています。
一方、三井住友銀行(SMBC)子会社の調べでは、30〜40代の貯蓄額ゼロの割合が増加し、全体の2割以上になるようです。また40代の平均貯蓄額の落ち込みが激しく、120万円も減少しています。子育て、働き盛り世代の生活が突出して厳しいことになります。ちょうどNHKの番組が、2002年から2017年の「年収700万円の手取り額の推移」を紹介していますが、それによると、社会保障や税制が手取り額をどんどん削っている様子が分かります。国にネコババされているようです。
しかも番組が年収700万円を取り上げるということは、それが日本の平均年収なのかと思いきや。
日本のサラリーマンの平均年収は現在約415万円、ツイートで示された2017年の円グラフでは年収700万円以上に該当する人はほんの2割程度ですが、それが2019年ではさらに1割程度に減っています。その年収700万円の層ですら生活に豊かさを感じていない現実を、NHK「あさイチ」は「中間層の解体」と表現し、まさに超富裕層と貧困層の2極化を指摘しました。
政府がどんなに好景気と言い張っても、ウソですから。