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[第52回] 地球の鼓動・野草便り 戦争ごっこ


戦争ごっこ

やっと春めいて来ました。野草たちも待ちわびていたかのように、日ましに顔をのぞかせています。

先日、広島の廿日市市の上空を艦載ヘリが低空飛行した記事が掲載されていましたが、北広島町芸北地域では、戦闘機が低空飛行の上、火炎弾「フレア」が射出されたというのです。




以下、広報誌より引用します。

『在日米軍機の低空飛行による火炎弾「フレア」射出訓練を日本の地上部で行わないよう求める意見書』

 10月11日午後、芸北地域の雄鹿原地区上空で米海兵隊岩国基地の米軍機が、低空で飛来し、火炎弾「フレア」の射出を行いその後、急上昇して旋回するという訓練が、数分間隔で十数回にわたって行われた。これが何の通告もなく、突然行われたため、住民にとっては、ただでさえ爆音と共に急降下してきて目の前に迫ってくる戦闘機に驚き、恐怖を感じさせられた上に、さらに実弾射撃を思わせるような一瞬眩しく光る正体不明の火の玉が射出されたことに、さらに大きな不安をおぼえるものであった。
 当地域は、国道186号線が通り診療所や郵便局、民家が点在し近くにはこども園や中学校、高等学校もあり、普段は人々が穏やかに生活している。こういう場所で、上述のような実践訓練が行われることは、地元住民に与える影響が大きく、容認することができない。(中略)
 よって本町議会は、町民の平穏な暮らしと安全を守るため、左記のことを米国および米軍に強く求めるよう日本政府に要請する。(中略)

 平成29年11月8日              広島県北広島町議会
【提出先】 内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、総務大臣



私も大好きな八幡湿原がある芸北の植物観察に行っていて、何度もジェット戦闘機の爆音に驚かされたことがあります。 静かな森に轟音が響き渡ります。動物たちもさぞ驚いていることでしょう。


以前地元の人に聞いた話では、ベトナム戦争の頃にはもっと頻繁に飛んでいたようです。ベトナム戦争が終わって元米兵たちが家族連れで訪ねてきたそうです。地元にある鎧滝が飛行機からよく見えて、故郷の山を思い出していた。一度訪ねてみたかったと。

この話を当時は何気なく聞いていたのですが、地元では何十年も前から戦闘機の爆音があったということです。それには半ば慣れていた住民も今回の低空飛行と火炎弾射出に、まるで攻撃されるような恐怖を覚えられたにちがいありません。

シリアなど紛争が続いている地域では実際に爆弾が使われ爆発しているのが、いかに恐ろしいことかよくわかります。沖縄では墜落や落下事故などもあり、頻繁に低空飛行が行われているのでしょう。他人事だと思っていたら大きな間違いだということだろうと思います。また、日本がアメリカの植民地である現実でもあります。こんな攻撃まがいの訓練をアメリカの住宅地や家族がいる場所では決して行わないでしょう。

以前オスプレイが日本各地の上空を飛ぶという時にも、反対署名をした覚えがありますが、まったく聞き入れられていません。今回町議会が提出した意見書に、はたして今の国政が対処するのか疑問です。今の政権に根本的な対処など・・・。まず国民の正しい認識と自覚が必要で、そのためにも真実の情報が重要です。報道機関で働いている人たちも、決して他人事ではないということが、実際に起きてからでは遅いのですが!!
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かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(47)逆境に遭った時

かんなままさんの執筆記事第47弾です。 
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かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(47)逆境に遭った時

困難に遭った時の最初の思いが、その後を決定します。

「しめた!これから何かが動くぞ。自分の人生を生きられるぞ。いいことだ」と思うか、「とんでもないことだ、どうしよう」と思うかで、その後の方向性が変わってしまうのです。

悪いことが起きた時にネガティブな想いを抱くと、後でキャンセルしないといけません。悪い事が起きたと思わず、自分にとって必要なことが起きたと考えるのです。

出典:「ぴ・よ・こ・と2」竹下雅敏(著)


私を支えてくれた平和の祈り


ただの主婦が1冊の本に感動して講演会を企画しただけなのに、なぜここまで大きくマスコミに取り上げられるのか?感動を共有するために参加くださる人になぜ「人種差別だ!」と抗議しなければいけないのか?それもわざわざアボリジニの人達が外国から押しかけて来るのか?訳が分からないままキャンセルの電話に丁寧に応対しつつ現実を受け入れるしかありませんでした。

pixabay[CC0]


「それでも開催するのですか?」という、まるでこちらが人種差別の片棒を担いでいるような質問を受けながら『もしも私達の会場にも抗議団体が押しかけて参加者に迷惑をかけたら・・』と不安がよぎったのも事実です。

でも、私の気持ちは変わりませんでした。本の中に書いてあった『神様、私に変えられないものを受け入れる平和な心と、変えられるものを変える勇気と、その2つの違いがわかる知恵を与えてください』という平和の祈りが私を支えてくれました。

キャンセルや抗議は私には変えられない事だから平和な心で受け入れ、今私に何ができるかを見極めて最善を成そうと思いました。会場を変更するのは大きなリスクがありました。もうチラシは独り歩きをしています。来ると言ってくださる方にもアナウンスしなおさなければいけません。無理です。どうしたらいいのか、ぼっーっと会場を見ていたら、ふっと考えがよぎりました。『そうだ!この広い会場を使って楽しもう!』と思ったのです。

舞台を使うのは辞めました。アリーナホールなので体育館のようにも使えます。客席の半分の椅子を片付けて500席にします。前の空いた空間をブッシュにしようと思いついたのです。そこを歩きまわりながらお話ししてもらえば面白いかも!と思いました。

さて、そのレイアウトを誰がやってくれるのか?友人がNさんを紹介してくれました。Nさんはギャラリーを経営しながらイベントのレイアウトも手掛けている方でした。聞くところによると、この本を読まれて大いに賛同してくださっているとの事。すぐに「喜んで協力します」という返事を頂きました。嬉しい助っ人です。さっそくお友だちと一緒に会場に来て、和紙でオーストラリアのブッシュを再現してくださいました。見事でした。

何だか面白くなってきました。もうこうなったら楽しもう!自分の中の直感を信じて大切にしていることを大切にしよう!これが自分を生きるという事だと思いました。
もう当日は落ち着いていました。むしろこの会場を見たらみんなびっくりして喜ぶだろうなと思うと嬉しくなりました。

ところが、朝一番に館長から呼び出されました。行ってみると固い顔の男の人が2人立っています。館長も怖い顔をして「昨日の新聞を読みました。他の会場は抗議団体が押しかけてきたと書いてあります。この会場でそんなことがあったら困ります。念のためにこの2人の私服刑事を付けておきます。何事もないように万全の注意を払ってください」と申し渡されました。

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[第51回] 地球の鼓動・野草便り 植物ホルモン


植物ホルモン

今年の大雪で折れたビワの枝やナンテンの枝、ツバキ、サザンカなどが沢山あって、お茶にいただいています。
ビワの薬効は高く、ビワの葉温灸や葉や種の焼酎漬け
をされている方も多いのではないかと思います。シャンティ・フーラでもビワの葉茶の紹介をされていました。我が家では雪で折れた枝をそのまま干しておいて、葉っぱを3枚ずつくらい裏の毛を軽く洗い流して他の野草と一緒に野草茶にしています。

ビワの葉や種にはがん治療薬の青酸配糖体アミグダリン(ビタミンB17)、ぶどう糖、クエン酸、タンニン糖質、サポニンなどの成分があり、弱アルカリ性血液にして自然治癒力を促進するそうです。

江戸時代から枇杷葉湯(びわようとう)として、ビワの葉に肉桂(にっけい)、霍香(かっこう)、莪述(がじゅつ)、呉茱萸(ごしゅゆ)、木香(もっこう)、甘草(かんぞう)の7種の薬草を煎じて、夏の暑気払いに飲まれていたそうです。

また、古来3000年の歴史を持つ仏教医学でも枇杷の葉療法として、緑の濃い厚手のビワ葉の光沢面を火であぶり、10回ほどこすり合わせて、1枚ずつ両手に持ち、熱いうちに皮膚を直接なで、ヘソの下や腹を6~7分丹念にマッサージするそうです。有効成分が肌から直接入り、甚大な効果があるとか。

殺菌作用や血液浄化作用があり、腰痛、肩こり、冷え性、皮膚炎、高血圧、糖尿病、リウマチに。また、風邪にはきざんだ葉や花に蜂蜜を入れて15分くらい蒸して食べ、喉が痛いときにはビワ茶に塩を入れてうがい薬に、アトピーには煎じ液を入浴剤に、また半量まで煮詰めてアルコールと混ぜて皮膚炎、火傷、水虫、捻挫などの外用薬にもなるようです。


ところで、折れた枝ですが、梅の木が余り実をつけなくなっていたのに、折れた枝にだけたくさん実をつけていたことがあります。果物の枝は捻じ曲げると実りがいいと聞きました。伐られる前の木には花や実が沢山ついています。子孫を残すために力を振り絞っているかのようです。私達も予感がするということがありますが、木にはいつまでの命とか、わかるのではないかと思います。


また、果樹の剪定方法は徒長枝を伐るのが一般的でしたが、みかんの剪定で従来のものが全滅した年に、何も手を加えていなかった木だけ沢山実をつけていたのを見て、徒長枝を伐ると植物ホルモンが働かなくなってしまうことに気づかれた方がいるそうです
(参考:H26・2・7道法正 徳氏による剪定講習会を開催。みかんの剪定技術とは!?

植物ホルモンがしっかり働く剪定方法で木の生命力を高めると、果樹でも農薬も肥料もいらなくなるのだそうです。 そして、今度は野菜の垂直仕立てで植物ホルモンを活性化させ、無農薬、無肥料で多収できると紹介されています。とにかくまっすぐ上に誘引します。いちごのランナーは従来は取り除いていたが、取り除かずに上に引っ張って伸ばすと、根が充分張って、いちごが沢山つくそうです。

えんどう豆もキュウリネットに真っ直ぐに縛り付け、側枝もまとめて真っ直ぐに縛っていくと、病害にも強く、沢山実るそうです。ソラマメもトマトなども同じように真っ直ぐに支柱にぎゅーっと縛りながら垂直にしていくと、草にも負けないで実つきがいいのだとか。
(参照:野菜だより2017冬号P36~41(道法流垂直仕立て栽培)(株)学研プラス/発行)

エンドウの新芽


農文協発行の現代農業などの農業誌が面白いのですが、2017年12月号にも雪折れしない剪定方法の紹介がありました。バネ枝をつくるために徒長枝をきらずにうまく使い、競合枝をすべて残すなど、常識の逆の剪定をするようです。

また、P320~321には、薬草ボルネオ島(その3)大ケガを治したり悪霊を避ける「油薬」という記事が載っていました。著者の白石正之さん(72歳)は20年にわたって425種の植物を調べてこられたそうで、伝統的なシャーマンの知識や技術を残そうと調査研究をされています。その昔、ボルネオ島には何千種類という油薬があったそうですが、キリスト教の宣教師や回教徒の宗教家によって、徹底的に壊され、現在は200種類ほどしか残っていないようだとか。また、ボルネオ島の奥地にも病院が建ち、人々は安価な化学薬品の薬を買うようになり、このままでは薬草利用の技術や知識が失われそうだと、その記録を残すため今後もボルネオ島に通い続けると語られています。

中でも10年以上も見つけられずにいた「星の油」という大怪我に効く一番有名な油薬の原料の植物を発見したそうです。葉を潰して市販のココヤシ油に浸け、試したところあまり効果がなく、シャーマンに尋ねると、古法に従ってココヤシ油を手作りするよう助言をもらい、実行すると大変速やかに効果があり、ご自分の変形性膝関節炎の痛みが消えたそうです。その伝統的なココヤシ油とは、ココヤシの実が熟して、金曜日に落下したもので、へたの中央から発芽したもののみを使うのだそうです。

日本でも薬効の高い薬草があり、例えば、大豆やゴマを発芽させてから油を抽出し、ケガや解毒に効くゴボウの種を浸ければ、良い油薬が作れるとご紹介くださっています。
(参考:現代農業2017年11月号 (農文協/発行) 薬草ボルネオ島(その2)

yasou
自然賛歌

コブシのつぼみ

タンポポの花一番咲きと水仙の芽



オオイヌノフグリ・・・雌しべ2本がフグリに似た種に



ハコベの花・・・数日前まで雪の下だった
 



水鳥の羽根・・・このビオトープによく来ているらしい



ウマノアシガタ?・・・三つ葉に似ている、キンポウゲ科で有毒



モミジバフウの実




モミの木の種



モミジバフウの木の枝がすごいことになってる・・・この木だけ病気?
周りのモミジバフウは普通



大杉の根元





■ 参考文献

イー薬草・ドット・コム
「大地の薬箱 食べる薬草事典」 村上光太郎/著 農文協
「カラダ改善研究所 自然のチカラいただきます」中村臣市郎/監修 西日本新聞社



ライター

ニャンニャン母さんプロフィール

ニャンニャン母さん

プロフィール:1955年魚座生まれ、広島の県北 中山間地域在住、
体癖はおそらく2ー3種

20代の頃「複合汚染」有吉佐和子/著 を読んで、食の環境悪化を考えた時、野草を食べることを思いつき、食料としての野草研究を始める。
全くの素人ながら、健康住宅の設計事務所に入社し、健康住宅を学ぶ。
残された人生と限られた時間について気付かされ、仕事を辞め、自給自足を目指す。
平成22年頃、古民家を借り、Iターン。野草教室を開催。
「古民家カフェ・むす日」「山のくらしえん・わはは」「クリエイティブ・アロマ」等にて野草教室。

現在、野草好きになった87歳の母と、無関心な33歳の長男と猫3匹と暮らしています。

かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(46)学び

かんなままさんの執筆記事第46弾です。 
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かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(46)学び

五感を研ぎ澄まし、全身で学ぶことが大切です。深い思想的なものをヒントに、人々から、様々なものから学びとろうとするのです。

普段、そのように生きている人は、小さな子どもの一言からも学ぼうとします。あるいは花から、自然から学ぼうとします。それを神の言葉、啓示だと思って耳をかたむけられるのです。

研ぎ済まされた、繊細な高い感受性で生きるのです。

出典:「ぴ・よ・こ・と2」竹下雅敏(著)


真実の人族


ハワイから帰ってきてしばらく経った頃、マルロ・モーガンの「ミュータント・メッセージ」という本を読みました。大自然の中で何も持たずにキャンプした後だったので、その内容に衝撃を受けました。そこには5万年も前からオーストラリアで生き続けてきた「真実の人族」というアボリジニの小さな部族の生き方が書かれていました。

* * *

ある時、アボリジニから招待を受けてオーストラリアに訪れたマルロ・モーガンが晴れやかな授賞式をイメージして待っていると、迎えに来たのは薄汚れたTシャツを着た若いアボリジニの運転手。ジープに乗って40度を超える赤銅色の砂漠を走り、連れて行かれたのは「真実の人族」の聖なるところ。

pixabay[CC0]


身に着けていたものを全て火の中に入れられ、代わりに与えられたのはボロ布1枚。その人たちはみんな優しい眼をして悪意はないようですが・・・ここから「真実の人族」との長い旅が始まるのです。初めは早く帰ることばかり考えていたのですが一緒に歩き続けるうちに、彼らの何も持たない生き方や必要なものが必ず与えられる事実を目の当たりにするうちに現代人、つまりミュータントが忘れていたものに気づき始めるのです。

まさに水も食べ物も持たずに灼熱の大地を裸足で歩き続けるのですが、彼らの聴力、視力、嗅覚は超人的で、地下水の音を聞き分け、植物の地下茎が見えるのです。それは人類に与えられたダウジング能力だというのですが・・・。

ある日、狩りを志願して出かけた若者が具合が悪くなって仲間にテレパシーを送りました。3キロも離れているのに皆はそれをはっきり受信したのです。これは皆が心を開き、嘘をついたことがないからできるのだそうですが・・・。あいまいな真実、作り話、想像などは無縁の生活なのでしょう。

そして彼らは文字を持たないがゆえに素晴らしい記憶力の持ち主です。知識は歌や踊り、絵画で伝えられます。又、彼らは恐怖心もありません。人間が聖なる一体について知り、つながっているという信念があれば恐怖を感じることはない。人は物を持てば持つほど恐怖心が募り、他国を武力で脅したり、自分の子どもを脅すというのです。

又、生まれてすぐに名前を付けられるのですが、成長するにつれて「癒し手」「裁縫の名人」「音楽の達人」など、その才能によって呼び名を変えていきます。彼らは何も持たないのですが自分の中に才能を持ち歩いているのを誇りに思い、皆も認めているのです。何て素敵なのでしょう。

さらに、彼らは物事について、どう感じるかが重要だと言います。感じたことが細胞、意識、魂に記録されると信じています。そしてそれが自分の永遠の魂の通信簿となっていくというのです。

pixabay[CC0]


彼らはこのような生き方で5万年もの間、森林を滅ぼすことも水を汚染することもなく、動物や植物を絶滅させることもゴミで汚すこともなく、動物や植物の命が自分たちに与える準備ができているかを確かめ、なおかつ宇宙に許しを得ながら食べ物を頂き、必要な水や日陰を与えられて生活をしてきました。でも、彼らはここを去る決心をしたのです。そして彼女が彼らの生き方のメッセンジャーとして選ばれたのです。
(以上、ミュータント・メッセージより抜粋)

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私は読み進むうちに深い感動を覚えました。私達は快適便利な生き方を求めて何と多くの経験と才能と繋がりを失くしてしまったのでしょう!原点に戻って問うてみたいと思うようになりました。

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ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」にみる”幸せな経済”

「よみがえりのレシピ」というドキュメンタリー映画の上映会が地元でありました。山形の鶴岡で在来作物を守り続ける人々の記録です。
上映後に食事が付いたプランだったので、まともな食をいただきたい!との動機から、内容もよく知らないままに参加したのでした。
・・・映画が進むにつれ、自然が香り立つ映像の連続に”この蕪(かぶ)を食べてみたい!”とおなかが鳴ります。
あまりに美味しそうなその映像をみながら、この後の食事でこの蕪が出てきたら最高の演出なのだが!とちらっとおもったりもしたのですが・・・さて、いかに。
(しんしん丸)
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ローカリゼーションの"幸せな経済"

もう無くなってしまったかもしれないとされる"在来作物の蕪"を今も守っている方がいると知り、食してみてその味わいに感動したシェフが、大学の先生と組んで蕪主会というものを立ち上げます。この“蕪主”は一般的な株主とは違い配当はお金ではなく、収穫されたその在来作物である蕪が分配されるのです。さらに、採れたてのかぶ料理が味わえる特典つきとのこと。
そして映像では、蕪を収穫する様子や、かぶ料理をお披露目する蕪主総会?の様子が映しだされます。
シェフが腕を振るい素材を生かした創作料理のその新しい味わいに、蕪を守ってきた方もにっこにこです。

他にも、ミネラル豊富な土づくりのために、毎年山で野焼きをして50年というお年寄りと見習いの若者。
そして、これからも末長く在来作物の蕪を伝えたい!とのおばあさんの意をくんで、野焼き後のミネラル豊富な山の斜面に蕪の種子を蒔く親子。
小学生たちに種子から育ててもらい、収穫した在来作物を味わってもらう食育を大切にする方たち。
などなど、山形の鶴岡で在来作物を守り続ける人々の姿を記録した魅力満載の映画です。なによりも美味しそうな映像がたまりません!

映画の終了後に、サプライズで監督の渡辺智史氏が登壇されました。
監督によると、以前食の危機をうったえる映画を見たことがあるそうです。そして見終わった後の渋谷の街にて、一体何を食べたらいいのか?と不安にかられたとのことです。そこで、観た後に幸せになれる映像を撮ろう!とおもったそうです。

山の斜面を野焼きしている写真を持つ渡辺監督

そして撮影中に3.11がありました。そこで、かつてはこれらの在来作物が飢饉対策としても重宝されていたこと、さらに戦時中の食糧難のひもじい時にこの守り続けた在来作物である蕪にいかに助けられたかという話を盛り込んだとのことでした。人と種との強い結びつき、そして豊かな共生の絆を感じてもらいたいと。
監督がお話しされている最中、収穫された蕪に触れてみて下さい!と蕪をまわしてくださいました。ずっしりとした存在感のある蕪くんでした。

在来作物の温海かぶ
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