ダビデ神殿跡地下に秘匿された聖杯 ~イエスたちが所属していたクムラン宗団
前回「聖杯」を以下のように定義し、このうち①と③をテンプル騎士団は探していただろうとしました。
①
キリストの遺物(遺体の一部)を載せた物質としての杯
② ユダヤ王の血流をその身に受けたマグダラのマリア(その遺体)
③
キリスト(ユダヤ王)を生みだす器としての知識文献
④ ユダヤ王とマグダラのマリアの血脈子孫
まず①について少し補足します。
映画や漫画などで
髑髏の海賊旗をよく目にします。都市伝説などで多く指摘されているのですが、
あの髑髏マークはテンプル騎士団由来なのです。それについては、火あぶりにされた
ジャック・ド・モレーからその旗のデザインがされたとの記述が多くあります。そしてそれはそうでしょう。
ただし、それ以前の始めから、
テンプル騎士団は髑髏というか人間の首級を重視しており、テンプル騎士団に関係する寺院などには頭像が随所にほどこされています。
頭像およびその象徴であるバフォメットが、テンプル騎士団の信仰の対象だったのです。
基本的にはキリストは男性原理であり、キリストを受け入れ包み、且つ
キリストを生みだす器の「聖杯」は女性原理です。
①のキリストの遺物、遺体の一部とは、ダビデ王の血統子孫でマグダラのマリアのパートナーだった男性の首です。
聖杯はその首を載せる杯(大皿)となります。一部の者たちの間では「その首を所持する者は世界を支配する」とささやかれもする代物です。
ヨハネの首を持つサロメ
そして更に重大なのが③です。詳述の余裕はないですが、約2000年前、ユダヤはローマ帝国の属州でした。
当時イエスそしてマグダラのマリアたちはパレスチナのクムラン宗団に属していたのです。
①の人物を含め、彼らは革命を起こし、ユダヤの独立を目指していました。
しかし、その計画はイエスの磔刑後も果たされることなく頓挫します。
クムラン宗団は、革命のための金銀財宝を含んだ宗団の膨大な重要文書を幾つかに分けて秘匿します。その
最も重要なものは、ヘロデ神殿の地下に強固な建造物が建設されており、そこに秘匿されたのです。
このことはマグダラの子孫である「聖杯家」には秘かに伝えられていたのでしょう。それを受けて、「聖杯家」で十字軍指導者のゴドフロワ・ド・ブイヨンはエルサレムを占拠し、ヘロデ神殿跡を探し、発掘に向かったと推察されます。
ユーグ・ド・パイヤンとゴドフレー・ド・サンオメールにソロモン神殿を与えるボードゥアン2世。第4の人物(右端)は、エルサレム総大司教ヴァルムント。
③の秘密文献の内容は多岐にわたり、その中にはイエスの言行録もあったでしょう。そしてその
秘密文献の中心は、イエスたちが信奉実践したエジプトからの秘教、いわゆるグノーシス、カバラであり性錬金術です。
錬金術とは鉛を黄金に変える秘法ではありません。
人間を超人に、つまりキリストへ変容させる技法です。
クリストファー・ナイトとロバート・ロマス共著の『封印のイエス』では、
テンプル騎士団がこれらの重要物を1120年に発見したと見ています。聖杯はヘロデ神殿の地下聖所に秘匿されてから約1000年の時を経て地上世界に出てきたわけです。
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