注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
シリア国営サナ通信が、同国とトルコの国境付近の町マンビジに政府軍が完全に配備された、と報じました。
サナ通信は、「シリア軍は、国家防衛と侵略者への対抗という責務を果たすべく、マンビジに配備されている」としています。
シリア駐留のアメリカ主導連合軍のMiles Coggins報道官も、「当連合軍はシリア北部マンビジを撤退した」と語りました。
ロシア国防省も、シリア軍が同国北部に進軍したことを明らかにしています。
シリア北東部におけるトルコの大規模な軍事作戦は、同国のエルドアン大統領の命令により、クルド人武装勢力への対抗を口実として今月9日から始まっており、現在も続けられています。
クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)は13日日曜、アメリカがもはや彼らをトルコ軍の攻撃から防衛しないことを確認し、自らの掌握する地域へのシリア軍の入域をめぐり、シリア政府と合意に至ったことを明らかにしました。
この合意を受け、シリア軍は13日日曜にマンビジ入りし、この市および国境地帯を完全に掌握しています。
情報筋によれば、シリア軍は現在、同国北部のトルコ国境に接するクルド人の拠点都市コバニ(アイン・アル=アラブ)付近におり、近くこの市に配備される見通しだということです。
「ISISを倒した後、私は多くの米軍をシリアから撤退させた。シリア人とアサドにクルドを守らせ、自分の土地のためにトルコと戦わせるのだ。私は将軍たちに言ったんだ。なぜ我々がシリアのために戦う必要があるのかと…」―トランプ。 https://t.co/EyDv9t2hzD
— mko (@trappedsoldier) October 15, 2019
今朝、米軍が出て行ったマンビジの米軍基地の中に、ロシア軍警が立っている! #シリア https://t.co/Q717nnApQ3
— mko (@trappedsoldier) October 15, 2019
「シリア人がロシア軍兵士や、北コーカサスから来たイスラム教徒の軍警を好意的に受け入れていることは喜ばしい。住民は彼らを信頼し、助けや保護を求めている。そのような報告をたくさん受けている」―プーチン https://t.co/cDxyFSZoEQ
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シリア軍が東グータを解放した時の光景が、今、ハサカで繰り返されている。「市民を殺害する独裁者アサド」という薄汚いNATOメディアのデマに反し、住民はシリア軍が来るのを待ち望み、大喜びしている! https://t.co/mJPdUGfLUK
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クルド軍は13日にシリア政府と合意に至り、マンビジとコバニをアサド政権に引き渡すことにしたとのことです。ロシアが動いたようです。
冒頭のツイートのトランプ大統領の言葉を見ると、トランプ大統領はシリアから米軍を撤退させたかったことがわかります。これは、時事ブログで以前から指摘していたことです。これまでは、マティス米国防長官(当時)の反対でできなかったのが、今、可能になったということだと思います。逆に言うと、トランプ大統領の軍の掌握が、これを可能にしたということだと思います。
シリアでの戦いは、アサド政権を支持するロシア、イラン側の完全勝利になったと言えそうです。こうなると、サウジアラビアは、生き残りをかけた戦いになります。現在、サウジアラビアはロシアに近づいています。ロシアとサウジアラビアは、エネルギー分野で長期的に協力していくことに合意したとのことです。
当初から予測されていた通り、長期的には、アメリカは中東、ヨーロッパから手を引き、これらの地域はロシアの影響力が強くなるものと思われます。