注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
国交省によると、今回、緊急放流は12日夜から13日未明にかけ、国が管理する美和ダム(長野)や県が管理する城山ダム(神奈川)など計6カ所で実施された。
(中略)
昨年7月の西日本豪雨で(中略)… 愛媛県のダムを緊急放流した後、河川が氾濫し、浸水被害が拡大。9人の犠牲者が出たのだ。
この被害を受け、国交省は昨年12月、「異常豪雨の頻発化に備えたダムの洪水調節機能に関する検討会」の提言を公表。
(中略)
ダムが満杯になってから慌てて放流するのではなく、事前に余裕を持って放流して備えておくことを勧めている。ところが、国交省によると、「緊急放流した6ダムでは事前の水位調節(事前放流)はしていなかった」(水管理・国土保全局河川環境課)というのだ。
(以下略)
電力土木事業協会の規定を見ると、我が目を疑うようなことが書かれていた。
http://www.jepoc.or.jp/tecinfo/library.php?_w=Library&_x=detail&library_id=180
事前放流の実施にあたっての基本的事項は以下のとおり。
「電力土木事業協会」というのは、東電や関電など電力企業の機関だろう。巨大な放射能事故を起こして人々を殺し、生活を破壊しても、ろくに賠償もしない電力企業が、流域の安全のために事前放流して、それが回復しなければ賠償させると脅しているわけだ。
(以下略)
アクションプランにより確立した事前放流だが、利水分まで流すのシンドイだよ。各地整局長決済の他に利水利害者の同意、かつ「利水放流分の回復」と「利水利害者への補償」しなきゃならん。つまり瞬間的に回復する放流量の見極め間違うと、地整幹部の首が寒い。役人やんねえよ。
— 昼寝猫 (@tcv2catnap) October 16, 2019
https://t.co/t2FxpszTy1
— 昼寝猫 (@tcv2catnap) October 16, 2019
・事前放流した利水容量を回復させることが大前提
・関係利水者の同意と地方整備局長等の承認が必要
・事前放流した利水容量が回復しなかった場合は,利水事
業者が機能回復のために実施した措置に対し,ダム管理
者が利水事業者と協議の上,要した費用を負担する。 https://t.co/lL42JfrA3L
多目的ダムってのは、利水利害者と利害対立概念(治水)を包摂した謎の構造物だから、確証的に水害対策でガチの役割をしたという、補償求めてくる利水利害者がぐうの音出ないエビデンスが必要になる。
— 昼寝猫 (@tcv2catnap) October 16, 2019
そんなシビアな判断を一担当者に強いる仕組みなら、誰も判断するはずないですよね・・・・・・
— RAVEN_6@GDZ勢 (@Raven_6_trpg) October 16, 2019
台風が上陸する前に大きな被害が予測されていたのに、なぜ事前の水位調節(事前放流)を行わなかったのかが謎でした。
東海アマさんによると、実のところ、事前放流の実施は極めてハードルが高いようです。事前放流には、“関係利水者の同意と地方整備局長等の承認が必要”であり、事前放流したダムの水の容量が回復しなかった場合には、賠償責任が発生するようです。これでは、現場の判断で事前放流をするのは無理です。
ツイートをご覧になると、多目的ダムの目的のひとつである流量調節による洪水防止(治水)は、利水事業者と利害が対立するので、“水害対策でガチの役割をしたという…エビデンスが必要になる”と言っています。
官邸からの指示が必要だったことがわかります。やはり、この問題は、安倍政権の無能さが被害を拡大したと言えると思います。