消滅危機にあった犯罪シンジケート
カーター政権下で、全米犯罪シンジケートとそれと一体になっていたADLが、アイゼンベルグのビジネス・パートナーのクラツニックの働きもあり、その勢力を一層拡大させたことを
前回に見ました。
ところで、この勢力拡大には前段があったのです。
実はこれ以前の段階で、全米犯罪シンジケートは消滅の危機を迎えています。ところが、その危機を全米犯罪シンジケートは跳ね返してしまい、それが後の一層の勢力拡大へと繋がっていました。
これ全体にはアイゼンベルグが深く深く絡み、そしてティボー・ローゼンバウムも、特に犯罪シンジケートが危機を跳ね返す部分で大きく関与もしています。
犯罪シンジケートの消滅危機とそれの跳ね返しとは、具体的にはどういうことか?
表面的なところは『ヘブライの館2』の「
アメリカの暗黒街のユダヤ紳士たち」の次の記述が簡単に把握できるものです。
●1960年代に入ると、「全米犯罪シンジケート」はケネディ兄弟によって激しい攻撃を受けるようになる。彼らの妥協のない態度は、ジョン・F・ケネディが言った次の言葉に要約されている。
「遠慮せず、徹底的に調査を続けろ。ここには、1つしか規則はない。もし奴らが悪なら、単に傷つけるというようなことでなく、完璧に殺してしまわねばならない!」
●1961年、大統領にジョン・F・ケネディが就任し、司法省長官に弟ロバート・ケネディが就任すると、ケネディ内閣はかつてないほどのスケールで、シンジケート撲滅作戦に乗り出した。ケネディ兄弟は伝統的マフィアの本流、シカゴにまでその手をのばしていった。
この時、ロバート・ケネディはシンジケートに対して大がかりな戦略を練っていた。その大戦略とは、FBI、国税庁、商務省など連邦政府の全機能をフルに動かして、シンジケートの本拠地であるラスベガスを直撃することだった。
1963年の10月には、この大戦略のプランは完成していた。だが、いよいよという時になって、このプランは中止された。敢行直前にケネディ大統領が暗殺されたからである。
1960年台初期に、ジョン・F・ケネディ大統領とその実弟であるロバート・ケネディ司法省長官からの厳しい追求によって、全米犯罪シンジケートは消滅の危機を迎えていたのです。
ところが、ケネディ暗殺で全米犯罪シンジケートへの追求は完全にストップ、生き延びた犯罪シンジケートはその後に更に勢力拡大を実現していったわけです。なお、ロバート・ケネディも後に暗殺されています。
ジョン・F・ケネディ
ロバート・F・ケネディ
全米犯罪シンジケートが危機を跳ね返したと表現しましたが、それは
ケネディ暗殺、その実行グループの主力がその内部に殺人株式会社を抱える全米犯罪シンジケートだったという意味です。
翻って、
ケネディ大統領とロバート・ケネディが全米犯罪シンジケートをなぜ厳しく追求し、大掛かりな撲滅作戦に出たのか?
それを『ケネディとユダヤの秘密戦争』の表紙の帯にある次の文言が端的に示しています。
イスラエル=中国の原爆共同開発、暗殺直前、ケネディは中国核施設への攻撃を決断していた!
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これまでアメリカは、ラテンアメリカを「CIAの裏庭」として扱い、国民悲願の独立した大統領が生まれても暗殺するなどことごとく排除しては親米傀儡政権を作ってきました。そのような中、不正選挙ですら覆せなかった圧倒的な支持でメキシコのオブラドール大統領が誕生したことは画期的で、彼が現在進行形で急速にメキシコを豊かに蘇らせていることはpopoちゃんの「メキシコ便り」で毎回目をみはるばかりです。そのオブラドール大統領が、サミットから他国を排除することに抗議したのみならず、キューバに対する経済封鎖にも我がことのように怒りをもって抗議したことは知られるべきだと思いました。これまで覇権に苦しんできた中南米の国々が協力してアメリカのジャイアニズムを跳ね返そうとしているようです。キューバ大使館は「排除ではなく協力、卑屈ではなく連帯、傲慢ではなく尊重、従属ではなく主権と民族自決だ」と胸が熱くなるコメントを出しています。かつてベネズエラのチャベス大統領は、西側によってお定まりの「独裁者」扱いを受けましたが、ベネズエラの国民はチャベス政権下で本物の民主主義と豊かさを知りました。そのおかげで、西側によって勝手に暫定大統領を宣言したグァイドを今、国民がどのように見ているかは動画が物語ります。
今回、キューバなどと共に排除されたニカラグアのオルテガ大統領もアメリカの政権交代ターゲットにされており、CIAは「何年も前からこの国に何百万ドルもの資金を投入」し、その資金はカラー革命を目指す反政府組織に渡っているようです。しかし「オルテガはロシア軍に法執行作業、緊急事態や自然災害における人道支援、救助、捜索活動を行うことを許可した」とあり、アメリカの思惑は不発になりそうな気配です。