月別アーカイブ: 12月, 2022

ユダヤ問題のポイント(日本 昭和編) ― 第58話 ― 田中角栄政権の独自外交

 日本の戦後史としての重要観点が米国の圧力に対する「自主路線」と「追随路線」、この両者のせめぎあいの最重要問題は在日米軍の位置づけ、ついで問題になるのが中国との関係だと孫崎享氏は指摘しています。中国との関係改善と交易のベクトルが戦後日本に常に存在していたというのです。
 戦後日本で初めて公的に中国との関係改善に成功したのが田中角栄政権で、日中共同声明を調印したのは1972(昭和47)年9月でした。田中角栄首相は独自外交の米国圧力からの「自主路線」も展開しました。田中角栄首相は裏天皇グループではなかったと思いますが、明らかに米国からの自主独立派でした。現在日本は残存するネオコン勢力に引き回されて、共産中国との戦争が危ぶまれる状態です。戦後の日中関係改善の原点をもう一度見直すべきではあるでしょう。
 2014年05月23日の(株)日立総合計画研究所の白井社長コラム第5回が印象に残りました。ここでは、日中国交正常化とは多くの先人の命がけの苦労と努力の結果実現したものであり、その当事者である周恩来首相、田中首相、大平外相たちを「井戸を掘った」人々と表現されています。日中平和友好条約について死の床にあった周恩来首相が、「中国と日本がどのように末永く仲良く国交関係を保っていけるか、この点を規定した条約でなければならない」と語ったとも。
 私達も日中双方の「井戸を掘った」人々に思いを馳せることが大切なのでしょう。
(seiryuu)
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ユダヤ問題のポイント(日本 昭和編) ― 第58話 ― 田中角栄政権の独自外交

第1次オイルショックへの対応


第2次田中角栄第1次改造内閣(1973年11月25日)

1973(昭和48年)10月、突如日本をも襲った第1次オイルショック、これに対応したのが当時の田中角栄政権でした。公的というか、表に出ている情報での第1次オイルショックの原因は、アラブ産油国が、第4次中東戦争を機に石油公示価格の引き上げを宣言し、更に中東戦争でのアラブ側の支援のため、親イスラエル政策を採る諸国に対する石油輸出の制限を発表したことによるとされます。これに対する田中政権の対応は以下のようだったとされます。

日本政府(田中角栄内閣)は大きな衝撃を受けた。日本も親イスラエル国家に加えられていたので、禁輸リストにのせられていたのである。そこで政府は急きょ、二階堂官房長官の談話として、イスラエル軍の占領地からの撤退とパレスチナ人の人権への配慮を声明した。これはアメリカのユダヤ系勢力の反発が予想されたが、石油禁輸の事態を避けるためにやむなく踏み切った。また12月には三木武夫副総理を特使としてサウジアラビア、エジプト、シリアなどアラブ諸国に派遣し、禁輸リストからの除外を要請した。これらの外交努力により、日本は結果的には禁輸国リストからはずされた。
(「第1次石油危機/オイル=ショック」『世界史の窓』)

73年12月25日、日本は禁輸国リストから外されたとの報告が入ります。日本にとって中東の石油は生命線ですので、禁輸国リストから外されたことはなんとか日本の命脈を保てたということになるでしょう。ただ一方で、この時の中東の石油に対する田中外交にもキッシンジャーは難癖をつけたようです。

ヘンリー・キッシンジャー
Wikimedia Commons
[Public Domain]

『その油、米国が回してくれるのか』(田中角栄のふろしき)小長秘書官の証言(20) 」という題の日本経済新聞の2018/4/30の記事で、1973年11月15日に中東からの帰路で日本に立ち寄ったキッシンジャーと田中角栄首相のやり取りが以下のようにあります。田中角栄首相の秘書官の小長氏の証言からは、田中角栄首相の日本を守ろうとする強い覚悟が見て取れます。

キッシンジャーはすぐに切り込んできた。「米国と一緒にイスラエルの味方をしてくれとまでは言わない。ただ、アラブの友好国となりアラブの味方をするのはやめて欲しい」
しかし、角栄がひるむことはなかった。そしてピシャリ。「日本は石油資源の99%を輸入、その80%を中東から輸入している。もし輸入がストップしたらそれを米国が肩代わりをしてくれますか」――。キッシンジャーが一瞬黙る。すかさず角栄が「そうでしょう」。
そのうえで畳みかけた。「アラブにある程度、歩み寄った対応をせざるを得ない、日本の立場を説明するためアラブ主要国に特使を派遣する準備を進めている」。日本はこれまで通り同盟国である米国との友好関係を維持しながら、石油資源については独自の外交を展開せざるを得ないことを毅然として説明したのだった。


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ウクライナ東部バフムト(Bakhmut)の周辺地域で激しい戦闘が続いている / ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループの標的はウクライナ軍以外に、米海兵隊の元大佐であるアンドリュー・ミルバーンが設立した「モーツァルト・グループ」がある

竹下雅敏氏からの情報です。
 ウクライナ東部バフムト(Bakhmut)の周辺地域で激しい戦闘が続いています。先の記事で、前線のウクライナ兵の最新レポートがあった場所です。
 ウクライナ東部の親ロシア派「ドネツク人民共和国(DPR)」の首長のデニス・プシーリン氏は、“ロシア軍が現時点でバフムトの包囲に近づいている。とりわけ傭兵(ようへい)集団「ワグネル」の前進が著しい”と言っています。
 “バフムトは、半年間にわたる塹壕(ざんごう)戦や砲撃の応酬、正面攻撃を伴う激戦により、「肉ひき機」と呼ばれるようになった”と言うことからも分かるように、ウクライナ軍が非常に大きな損失を出しています。
 冒頭の記事によれば、ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループの標的はウクライナ軍以外に、米海兵隊の元大佐であるアンドリュー・ミルバーンが設立した「モーツァルト・グループ」があるとのことです。
 「モーツァルト・グループ」はNGO(非政府組織)で、“バフムトをはじめとする前線地域からの一般市民の避難を手助けしているボランティアの組織だ”と言うことですが、設立者のミルバーンは、“うちのボランティアが訓練するウクライナ兵たちがもらう給料よりずっと少ない。うちが雇うのは傭兵とは異なるタイプの人材だ。私たちは武装していないし、戦わない”と、不思議なことを言っているのです。
 “続きはこちらから”の記事で、この謎が解けます。ルガンスク人民共和国(LNR)の内務大臣補佐官、ヴィタリー・キセレフ氏は、“殺された、あるいは致命傷を負ったウクライナ軍人の臓器摘出に関わるグループが、ドネツク人民共和国(DPR)のアルチェモフスクの近くに到着した”と言っています。このグループの中に米民間軍事会社「モーツァルト」代表のアンドリュー・ミルバーンがいると書かれています。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「アメリカの傭兵」──ワグネルが名指しで命を付け狙う精鋭グループ
Notorious Wagner Group targeting volunteers in Ukraine, U.S. trainer says
引用元)
画像はシャンティ・フーラがツイートに差し替え
ウクライナ軍も多くの兵士を失った。写真は、バフムト前線の野戦病院で兵士に応急処置を施す医師(12月1日)  Leah Millis-REUTERS
(中略)
ウクライナ東部ドネツク州の要衝であるバフムトをめぐる攻防は、ロシアがウクライナに軍事侵攻を開始して以降、最も過酷な戦いのひとつとなっている。
(中略)
バフムトとその周辺地域への激しい攻撃で、ロシアの軍事ブロガーや扇動家が勢いを取り戻しており、ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループとその創設者エフゲニー・プリゴジンも力を誇示している。
(中略)
プリゴジンと彼が率いるワグネルの戦闘要員(受刑者を大量に採用したことでその数は膨れ上がっている)には、ウクライナ軍以外にも標的がいるようだ。それは「モーツァルト・グループ」。米海兵隊の元大佐であるアンドリュー・ミルバーンが設立したNGO(非政府組織)で、バフムトをはじめとする前線地域からの一般市民の避難を手助けしているボランティアの組織だ。
(中略)
プリゴジンはモーツァルトを「民間軍事会社」だとしているが、ミルバーンは否定する。「私たちは兵器を持たずに人道支援の活動をしている。法律的にも人道支援団体だ」と言う。米内国歳入庁の認定を受けた慈善団体だと説明した。
 
「傭兵がうちのような安月給で働くものか。うちのボランティアが訓練するウクライナ兵たちがもらう給料よりずっと少ない」とミルバーンは言う。「ただし心の知能指数は傭兵より私たちの方がずっと高い。うちが雇うのは傭兵とは異なるタイプの人材だ。私たちは武装していないし、戦わない。民間軍事会社との共通点は何もない」
(以下略)
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配信元)
 
 

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マーク・ミリー将軍が和平交渉を勧めても、バイデン政権のネオコンたちが受け入れられない現状 ~「ワシントンが最終的に自分たちを見捨てるのではないかという恐怖が高まっている」

竹下雅敏氏からの情報です。
 昨日の記事で、「NATO(アメリカ)がロシアと戦争して絶対に勝てない理由」を紹介しました。
 「アメリカ陸軍大将マーク・ミリーの戦況分析」の字幕動画は、11月20日の記事で既に取り上げたものですが、“軍事的に見ると、ロシア軍を物理的にウクライナから追い出すと言うのは非常に難しい事です。この先数週間で起こり得ない事です。ロシア軍が完全崩壊と言うのもないでしょう。…政治的な解決策として、ロシア軍が撤退することは可能性があります。勢力があるうちに交渉するのが有利です。”と言っていました。
 スコット・リッター氏は、“和平交渉勧めたって? どーしたミリー君? 負けるからだろ?…この期に及んで37,000,000,000ドル送るのか?…アホなのか?…いったい何の中毒なんだ?…どーなってんだよアメリカ国として脳死状態だ ”と言っています。
 マーク・ミリー将軍が和平交渉を勧めても、バイデン政権のネオコンたちが受け入れるはずがありません。
 マクレガー元米陸軍大佐は、ウクライナ兵がロシア兵捕虜の頭を撃ち抜いて処刑する動画について、“これはウクライナ兵が撮影し、誇らしげにインターネット上に公開した映像です。…ウクライナ、特にキエフだかキーウでは、ウクライナとロシアの間で、交渉による和解を出来なくすることに関心があるのだと思います。…ワシントンが最終的に自分たちを見捨てるのではないかという恐怖が高まっているのだと思います。ですから、彼らはそれを阻止したいのだと思います”と解説しています。
 “続きはこちらから”のツイートを見ると、ウクライナの現状が良く分かります。停電と断水の続くウクライナでキレてる女性は、「お前の政治ってこんなカスなの? サルが統治してるからみんな逃げて行ってるじゃん。…ホモ野郎。交渉のテーブル拒否してるお前のことだよ。…お前はくっさいゴミなんだよ」と言っていますが、「日本のお話しですよね?」と言う印象的な書き込みがありました。
 前線のウクライナ兵の最新レポートでは、「ホモゼレンスキーとゴム野郎ザルジニ元気ですか? バハムートからお届けします!」と言って、現地での悲惨な生活を報告し、「この場所は明け渡します。捕虜施設にいるので探してください」と言っています。
 他のツイートを見ても、もはやウクライナ軍が戦える状態にないことが分かります。しかし、ゼレンスキーは和平交渉を勧めることが出来ません。ロシアによってウクライナのナチスが滅ぼされれば交渉に入れるかもしれませんが、今度はウクライナ軍と民衆によって吊るし上げられそうな気配です。
(竹下雅敏)
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[Twitter]水圧がすごすぎるんじゃ

編集者からの情報です。
おもわずのけぞっちゃう水圧💨
(ぺりどっと)
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防衛省がAIを使って世論誘導をする研究に着手、すでにコンサルタント会社日本法人が受託している 〜 ロシア報道を見ても洗脳に弱い日本人

 共同通信が防衛省の「工作」をスクープしました。あまりにもあんまりな内容なので当初はガセでは?との観測もありましたが、本物らしい。防衛省はAIを使って、SNS上で世論誘導をする研究に着手したとあります。防衛問題で影響力のありそうな「インフルエンサー」を特定し、その人物がよく利用するSNSやサイトに「防衛省に有利な世論」「特定国への敵愾心」「反戦・厭戦機運の払拭」を流し、インフルエンサーがそれを発信するよう仕向けるとあります。それによって意図的なトレンドが爆発的に広がるよう情報操作するという計画ですが、例えば日本国民が隣国への憎悪をたぎらせ、戦争さえ辞さないマインドに誘導し、国防のためならば軍事費倍増の税負担をも容認する、みたいな? 国民もバカにされたものだと思いますが、しかし12/11時事ブログにあったように、ウクライナとロシアの実際が西側大本営によって真逆に報道されれば、日本人は素直に洗脳されて「ロシア悪」になる「実績」がありますから怖いです。米軍の情報戦活動を扱うコンサルタント会社の日本法人に委託が決定したとの情報もあります。ジャーナリストの犬飼淳氏によると、12/10の首相会見で質問を許された記者は13名でしたが、この重大な「防衛省による世論工作研究」を質問した記者は「ゼロ」。共同通信も犬飼氏も指名されませんでした。
 「虚構新聞のネタだ」ととばっちりを受けた虚構新聞編集部が「これは現実のニュースです。ご了承ください。」と訴える笑えない現実。

[2022/12/13 0:40 追記]
 これらの報道について、防衛省は「全くの事実誤認であり、防衛省として、国内世論を特定の方向に誘導することを目的とした取り組みを行うことはありえない」と否定しました
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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防衛省、世論工作の研究に着手 AI活用、SNSで誘導
引用元)
 防衛省が人工知能(AI)技術を使い、交流サイト(SNS)で国内世論を誘導する工作の研究に着手したことが9日、複数の政府関係者への取材で分かった。インターネットで影響力がある「インフルエンサー」が、無意識のうちに同省に有利な情報を発信するように仕向け、防衛政策への支持を広げたり、有事で特定国への敵対心を醸成、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりするネット空間でのトレンドづくりを目標としている

 中国やロシアなどは「情報戦」に活発に取り組む。防衛省は、日本もこの分野の能力獲得が必要だと判断した。改定される安全保障関連3文書にも、情報戦への対処力向上を盛り込む。
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