第4次アーミテージレポートを発表したことが注目を集めている。
(中略)... ここ二十数年で進行した郵政民営化も人材派遣自由化も米軍再編も、すべて
アメリカが1994年以後突きつけてきた年次改革要望書と、それを引き継ぐアーミテージレポートの具体化だった。
(中略)... その実態
はアメリカ側が日本に押しつける一方的な政策命令にほかならない。
(中略)
90年代の年次改革要望書を見てみると、「商法」関連で
米国型企業統治の導入や、
日本企業を買収しやすくする株式交換型M&A(三角合併)解禁を求め、「競争政策」で独占禁止法の罰則強化や公正取引委員会の権限強化を要求している。
(中略)... その
要求にそって日本政府は1997年に独占禁止法改定をおこない、
持株会社を解禁(金融持株会社も含む)
した。持ち株会社は傘下企業の株式だけ握って支配する会社で、以前は禁じていた制度だ。
持ち株会社の解禁によって製造に直接携わらない持ち株会社がグループの頂点に君臨し、末端の製造部門を徹底したコスト削減に駆り立てる動きが加速した。
98年には地元小売店や商店街を守るための大規模小売店舗法(大店法)を廃止し、大型店出店を野放しにした。海外からの参入も促進し、
地元商店街が一気に疲弊していく下地となった。
(中略)
99年には労働者派遣法改悪で人材派遣を自由化した。技術者を育てていく
終身雇用を崩壊させ、必要なときだけ外から連れてきて働かせる不安定雇用を拡大した結果、
若い世代の貧困化、技術の断絶、少子高齢化に拍車がかかった。
(中略)
小泉首相が身振り手振りを踏まえながら
絶叫していた「聖域なき構造改革」はこの年次改革要望書の具体化だった。なかでも「年次改革要望書」で1995年から実行期限まで区切って要求したという
郵政民営化はその典型だった。
(中略)... 郵政民営化の次は農協・漁協などの相互扶助組織がおこなってきた
金融・共済の解体、日本の医療制度や国民皆保険制度の破壊などの動きを強めている。
(中略)
年次改革要望書自体は自民党大惨敗で発足した
鳩山政府の時期(2009年)に廃止となり、それ
以後、日米経済調和対話やアーミテージレポートへと引き継いでいる。だがアメリカがシナリオを書きそれを時の政府が忠実に実行する関係はまったく変わっていない。
2016年3月に米日経済協議会(USJBC)が(中略)... TPP協定実施に向けた関税・非関税措置の撤廃、法人税率の25%への引下げなどの要求とともに、今年成立させた働き方改革関連法や統合型リゾート推進法(カジノ法)を優先課題として明記していた。
» 続きはこちらから