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ユダヤ問題のポイント(近・現代編) ― 外伝18 ― テンプル騎士団「メリカ」の地へ
アメリカに向かったテンプル騎士団 ~1000年にはノルマン人が北米到達
1307年、一斉逮捕を逃れたテンプル騎士団員は、10月13日ラ・ロシェルの港から二手に分かれて出航。一方はスコットランドへ、もう一方はポルトガルで物資の補給を行った後に「ナザレ教の巻物に「メリカ」と書かれた星の指し示す土地を目指していた。」と『封印のイエス』では記しています。
同書によると、フランス人であるテンプル騎士団員は「この星を「ラ・メリカ」と呼んでいた。そしてこの名は、のちに「アメリカ」に転じた」とし、続いて「1308年初頭、彼らはニューイングランド州(註:マサチューセッツ州の間違いだと思われる)のケープ・コッド、もしくはロード・アイランド州あたりに到着した。」としています。
一般には、「アメリカの発見」はコロンブスの1400年代末の仕事とされていますから、これだとコロンブスよりも200年近く前に、テンプル騎士団がアメリカに到達していたことになります。
実際はどうだったのか?といえば、コロンブスがアメリカ大陸の最初の発見者で到達者という定説は全く違っていそうです。無論、人類初の意味では、先住民がいるのですからコロンブスの発見は誤りなのですが、ヨーロッパ人最初の発見でも間違いのようです。
ヴァイキングの航海。緑色はヴァイキングの居住地(植民地)、青線は経路、数字は到達年。黒海やカスピ海、北アメリカ大陸のニューファンドランド島にも到達している。
Wikimedia Commons [CC BY-SA]
この「世界史の窓」の記事等を読んでもらえば分かるように、日本ではバイキングの名称で知られるノルマン人が、少なくとも1000年には北米に到達し、現地の人々と交易を行い、更に失敗はしていますが、幾度も植民も試みているようなのです。1000年といえば、ノルマン人であるウィリアム征服王がイングランドを征服し、王朝を開いたのが1066年ですから、その70年ほど前になります。
ウィリアム征服王は、ノルマン人北米到達の知識は当然持っていたと見るのが自然でしょう。そして、それはシオン修道会、テンプル騎士団にも伝わっていたでしょう。ウィリアム征服王は、別名ギョーム2世、つまりマグダラのマリアの血流「王家の血流」であり、「王家の血流」を守護するのがシオン修道会とテンプル騎士団なわけですから。
シオン修道会の創設は1090年代で、その枝分かれでテンプル騎士団が創設されたのですが、その創設までのルーツ・前身があり、それは「王家の血流」とずっと絡んできているのです。
また、テンプル騎士団に関して、キーワードになる海賊、蛮勇、戦闘能力の高さ、フロンティア精神、地中海レバント貿易と並べてみると、これらはノルマン人とテンプル騎士団に共通した事柄です。
1130年頃までにノルマン人が征服した地
Author:Captain Blood [CC BY-SA]
アメリカに帆を向けたテンプル騎士団はフランス人ですが、フランス北西部にノルマンディ公国があったこともあり、どうもテンプル騎士団員は、ノルマン人系が多かったのではないか?との気がするのです。
ともあれ、テンプル騎士団が1307年10月にアメリカに帆を向けて、翌年に到達していたとの説は全く不自然ではなく、事実だったでしょう。
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1300年頃のヨーロッパにおけるテンプル騎士団のサイト
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さて、この世界で一度定説として染みついてしまったものを覆すのは、中々困難で厄介なことです。支配層は意図的に実体のない物語を定説としてしつらえて世界に流布します。この様な定説は数え切れないほどあるのですが、その中の一つが「コロンブスのアメリカ大陸の新発見」です。
実際は、1000年にはノルマン人が北米に到達しているので、この定説は全くの誤りです。そしてコロンブス自身がテンプル騎士団員でしたが、その遙か先輩たちも既にアメリカに到達してもいました。ヘンリー・シンクレアたちです。
コロンブスがアメリカに赴いた動機は「黄金の獲得」でしたが、同じテンプル騎士団でも、ヘンリー・シンクレアたちの動機は、コロンブスのそれとは全く異質のものでした。アメリカに“新エルサレム”を築き、そこを中心とした理想国家の建設が彼らの目的であり、動機だったのです。
彼らの元々のスタートとなるルーツが、約2000年前のクムラン宗団であり、宗団はユダヤの独立、エルサレムの再建を目指した活動を行っていたのです。
そして、約1000年の時を経て、ヘロデ神殿地下から発掘された彼らの秘密文書には、「星の指し示す土地」として「メリカ」が記されていたようなのです。その書の内容に導かれるようにして、シンクレアたちは新世界に向かったのです。