プリンスの背後
ある企業経営者だった方が次のように語っていたのを記憶しています。
銀行が「借りてくれ、借りてくれ」としつこく言ってきた。それで仕方無しにその金を借りてやって、事業を拡大して展開させた。それで事業は順調に展開していた。しかしある日突然、銀行が借金返済を迫ってきた。貸し剥がしだ。これで事業資金が行き詰まり、順調だった事業が立ち行かなくなった…。
バブルとその破裂の影響を受けた企業経営者の典型がこの方です。このようにして
多くの日本企業は破綻し、不良債権となります。ここで外国ファンドが登場、二束三文となった債権を喰い物にしていきます。
しかし、その企業はもともと事業は順調で、不良債権どころか優良企業だったのです。銀行の貸し剥がしによって日本に不良債権の山が築かれ、それらは外国ファンドにただのような値段で買い漁られていくのです。銀行など日本の金融業も、自分たちの作ってしまった不良債権のせいで破綻していきます。
この惨劇を発動させた一つが、前回に触れたように
「BIS規制」でした。
😱 日本の各銀行は「日銀のプリンス」による窓口指導という信用統制によって、筒いっぱいに貸し出しをせざるを得なくなります。
😱 ところが一方で、1988年に総資産の8%以上を自己資産として維持しなければならないという「BIS規制」が仕込まれ、そのために日本の各銀行は貸し出した資金を回収、つまり貸し剥がしをせざるを得なくなっていくのです。
😱 「BIS規制」で企業も銀行も破綻していくのです。
こうやって「平成大不況」を生み出し、幕の後ろから日本経済を転落させた実行犯が「日銀のプリンス」たちでした。
一方で、日銀のプリンスたちにそれを指示したであろう「キング」もいるはずです。
「プリンス」に対して「キング」とは、外形的にはアメリカ中央銀行FRBの議長となるでしょう。
日本のバブルの生成と破裂に深く絡んでくる「キング」のFRB議長は、1979年から1987年8月まで議長だったポール・ボルカー、そして1987年から2006年まで議長だったアラン・グリーンスパンとなります。
ただし、「キング」といってもその主人がいます。ポール・ボルカーの主人はデイヴィッド・ロックフェラー、グリーンスパンの主人はジェイコブ・ロスチャイルドになるでしょう。
ポール・ボルカーとグリーンスパンの2名のFRB議長の内、
とりわけ日本経済破壊に重要な役割を果たしたのはポール・ボルカーのほうになるはずです。物事は何であれ、それを成立させるための準備と仕込みが重要であり、FRB議長就任期間を見れば、その役割を担ったのはポール・ボルカーになるからです。
ポール・ボルカーは外伝75でみたように、
1971年8月のニクソン(ドル)・ショックを誘導した人物です。そして、ボルカーがグリーンスパン以上に重要な役割を担ったと見るのは、就任期間以外の理由もあります。
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「財務省解体」と言うと過激ですが、その内容は「天下りを全面禁止する」「国税庁を完全分離する」という2つを目的としています。
泉房穂氏は、明石市長時代の「財務部局独自の判断を認めず、市長直轄で予算を組んだ」経験から「財務省の解体」は実現可能だと述べています。「現状は、『官僚』が『政治家』に指示をして、『国民』に負担を押し付け、『マスコミ』が『官僚』の味方をしている構図。本来あるべき姿は、『国民』が選んだ『政治家』が決断をして『官僚』に指示をする構図。政治の主人公は『官僚』ではなく『国民』だ。そして『マスコミ』も国民目線で報道すべきだ」
まさにこの転換を実現する要が、「天下りを全面禁止する」「国税庁を完全分離する」の2つでしょう。
エリザベスさんが「財務省をぶっ潰すべき理由」を5つ、キュートに解説されています。そして最後に「私たちにできるのは、こうした財務省の腐敗に切り込む議員を、選挙で当選させて国会に送り込むこと」と、財務省解体デモの先にある、国民の具体的な戦い方を示して下さっていました。
国民の生活を安定させるためには、政府、財務省の行う財政政策の他に、日本銀行の行う金融政策が必要です。財務省が改まり、正しい財政政策が掲げられても、日銀の金融政策が伴わなければ成功しません。国民のための正しい信用創造が行わているかを同時に監視する必要があります。