規範授業の準備
今回は、小中学校の「保護者と学ぶ規範意識育成授業」について書きます。これは私たちの団体が県の要請を受けて行っているものです。
規範授業は小学生が45分間、中学生は50分間です。主に県下の4年生から中学生までの児童とその保護者が対象です。
毎年、夏頃から10人ほどのインストラクターが集まって次年度の規範授業のパワーポイントや資料を作ります。
私達は、ゲームやスマホをやめましょうという前に子どもの成長に欠かせない「食べる・遊ぶ・寝る」の大切さを話します。その上で
ネットのやりすぎは自分の大切な体験を奪い、体を壊してしまう危険がある事を話します。
さらに
SNSの書き込みで自分や友達が危険な目に会ったり、傷ついたりする事も実例をだしながら話します。最後に
依存症の怖さを話して、その予防と相談先を伝えます。
16年間続けていますが、事態は深刻になるばかりです。
スマホ低年齢化による弊害
まず、
スマホを自由に使う年齢が低年齢化しています。4年生の半数がキッズケータイではなく自分のスマホを持っています。親のスマホを自由に使える子どもも増えたのでほとんどの子どもが自由に使っている状態です。親としては子どもが1人で留守番をしたり塾に行ったりするので安全確認のために持たせているのです。
でも、スマホが手に入ったら使いたくなります。子ども同士で使い方を教え合います。オンラインゲームで会ったことも無い子と友達になり親の知らないところでエスカレートしていきます。
YouTubeにハマりやめられない子、TikTokに自分の動画を上げる子、InstagramやLINEなどのSNSに写真を載せる子も増えました。ネットで知り合った人が自分の裸の写真を送ってきて、友達の証として裸の写真を要求されて送ってしまう子もいます。結局、その写真をばらまくと脅されるのです。
オンラインゲームで知り合った子(本当は大人)に会いたいと言われて被害に遭う子も年間2000人にのぼります。
子どもは現実の世界とネットの世界の区別がついていません。ふざけて友達を傷つける書き込みをしても集団でいじめた自覚はありません。写真や書いたものは消せない、自分の気持は文字だけでは伝わらない事をわかりやすい事例を挙げて話します。
ゲームの画像を出すとテンションが上がり、夜中の12時すぎまで起きてやっていることを自慢します。そして依存症の話をすると顔を見合わせてヤバいと声を上げます。自制心より好奇心が勝る時期の子ども達。丁寧に伝えても自分ごととして捉えるのは難しいし、生活を変える事ができません。