アーカイブ: 遺伝子組み換え・ゲノム編集

ラウンドアップでも枯れない「スーパー雑草」の除草剤ジカンバがアメリカで登録無効に 〜 日本では農薬以外の使用も

 除草剤ラウンドアップと発がん性を巡る裁判では、モンサントの親会社バイエルの敗訴が続いていますが、アメリカの環境保護庁が農薬として登録した除草剤ジカンバに対する訴訟でも原告の農民側が勝訴する判決が出ました。ジカンバは、ラウンドアップでも枯れない「スーパー雑草」に対する除草剤として公的に登録されたものの、雑草だけでなく周囲の畑に広範囲に大きな被害を出すことが明らかになってきました。またジカンバと発がん性の関連性も認められるに至って、アメリカでは農薬の登録が無効になりました。環境保護庁側の補助参加人にはモンサントが加わっていましたが、圧倒的なパワーで蹂躙する時代ではなくなったようです。
 ところでこのジカンバはすでに日本でも17剤が登録されているそうです。農薬としての出荷量はラウンドアップに比べて少ないそうですが、問題は農薬以外の使用で、2018年にはJR九州が鉄道線路の除草に使用した結果、周辺の農地に広範囲の被害が出ました。しかしJAや自治体が自主的に調査しなければ発覚しなかったことから、農家以外のジカンバ使用がどのように農作物に被害を与えているのか実態はつかめていないようです。
 お金のために命や健康を犠牲にする時代は、もう終わりにしよう。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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配信元)
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米連邦控訴裁判所 除草剤ジカンバの農薬登録を取消す
 米連邦控訴裁判所は6月3日、米国環境保護庁(EPA)による、除草剤ジカンバ耐性遺伝子組み換え作物を対象とした農薬登録について、広範囲にわたる漂流により大きな被害を出していて、リスクを実質的に過小評価していたとして登録無効の判決を下した(中略)農民と市民が勝利判決を勝ち取った。裁判には、被告の米国環境保護庁の補助参加人としてモンサントが名を連ねている
(中略)
 ジカンバ(MDBA)は、17剤が登録されている(2020年5月10日現在)。(中略)その出荷量は少なく、年間6千トン余りが出荷されているグリホサートの一千分の一以下となっている。適用作物も芝や樹木、牧草と限られているため、圃場では使用できない

 一方、農薬としてではなく、2018年に被害が明らかになった、鉄道線路での除草などのような使い方もされているが、農薬外の出荷量は明らかではない。こうした農薬以外の「農薬成分」についても、家庭用を含め使用量をきちんと公開させるべきではないか。
(以下略)


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【緊急署名!】「有機 JAS」に「ゲノム編集」などの遺伝子操作を認めるな! 〜アメリカに屈したという消費者庁は、恥を知れ!という内なる声にいつまで耳を塞いでいられるのか?表示義務付けすべし!

 「ゲノム編集」を「有機JAS」(日本農林規格)で、どう扱うかを、農水省が検討を始めたとのことです。有機も何も、そもそもゲノム編集は危険なものです。しかしすでに流通がはじまってしまい、さらにこうして有機の検討をするというのは、やはりアメリカに追随していこうという危険な流れに見えます。今まさにアメリカでは、有機認定の圧力がかかっている最中なのですから。
 こうした中、日本有機農業研究会さんが、「ゲノム編集の有機反対」の署名の呼びかけをはじめられました。もし有機認定されてしまったら、消費者は危険なゲノム編集食品を避ける手段がなくなってしまうので、絶対に阻止しなければならない話です。そこで、ゲノム編集がどのように危険なのか?元研究者の河田昌東氏が最新情報をわかりやすくお話して下さいましたので、要点を記しておきます。

 農業分野や医療分野における産業の今後の発展につながると期待されているゲノム編集ですが、この技術の危険の一つに、意図した遺伝子以外のものまで切ってしまうというオフターゲット問題があるといいます。よく目にするCRISPR/Cas9の図解では、一つのハサミで目的とする遺伝子を切り取るように見えますが、実際には、一つの遺伝子を切り取るのに数百万、数千万のハサミを対応させているそうです。濃度が高いほど効率が良いためです。しかし濃いほどにオフターゲット現象も比例して増えるとのこと。こうしたリスクは研究者なら誰でも知っていることだが、目的や成果のために効率を優先させてしまうものだそうです。こわい話です。
 そしてさらに危険な点として、ゲノム編集はマーカー遺伝子を組み込んでいます。マーカー遺伝子とは、ゲノム編集がうまくいったかどうかを識別するためのもので、発光遺伝子や抗生物質耐性遺伝子が使われます。ゲノム編集後に、グリホサートなどの抗生物質の培養液に浸すことで、生き残ったものをゲノム編集されたものとして選別できるというわけです。
 つまりゲノム編集作物(魚でも畜産でも)には、必要悪としての抗生物質耐性遺伝子が組み込まれているのです。そして人がこうしたゲノム編集作物を食べると、腸内細菌が抗生物質耐性になってしまいます。抗生物質が効かない腸内環境になるということです。第二の脳として注目を浴びている腸、その腸内細菌の破壊は、様々な病気を引き起こしたり、神経にも多大な影響があることがわかっています。つまり、ゲノム編集された作物は、食べてはいけないものなのです。
 こうしたことから、厚労省のいう"遺伝子を削除しただけで、外部遺伝子が残存しない方のゲノム編集[ノックアウト]は大丈夫"(外来遺伝子が追加されるゲノム編集[ノックイン]は、GMO同様に扱うのだが)というのが、ウソだとわかります。ノックアウトであれ、補助的な目的のために使われるマーカー遺伝子の中には、こうした危険な外部遺伝子である、抗生物質耐性遺伝子などが入っているのです。こうした点について、厚労省は、戻し交配するから大丈夫といっています。しかし河田氏が調べた中では、そのために全ゲノムを調べて、戻し交配がされていることを示すデータをきちんと提出したものは、一つしか見つけられなかったそうです。後はおそらく野放し状態であろうとのことです。(ちなみに河田氏は、消費者側に立って、研究者の視点から、ゲノム編集の危険について警鐘を鳴らして下さっています。すでに現役を引退された研究者なのですが、現役の研究者ではこのように危険を伝えてくれる方が見当たらないということに、官僚と同様な立場主義の空恐ろしさを感じます。やはり研究費とかの問題でしょうか)
 ビジョン21の安田節子さんの情報によると、今は技術も進んでいるので、全ゲノムの解析には1-3万円ほどでできるとのこと。つまり消費者庁が、「ゲノム編集されたかどうかを調べるのはできないから表示はしない」というのは、表示させないためのウソなわけです。やろうとおもえばできるのですから。ゲノム編集作物を有機にするかどうか?という以前の問題だということです。
 鈴木宣弘教授によると、消費者庁は米国の圧力に屈して”表示しないことにした”とありますが、だからといって私たち国民が、はいそうですか!とそれを見過ごすわけにはいきません。グローバル企業は、日本の食の安全を潰しにきているのですから。こうしたことをわかっていながら、日本政府は、農水省、厚労省、消費者庁は、統合イノベーション戦略の名の下に、米国の、そしてグローバル企業の側に立っているのです。予防原則よりイノベーションというわけです。内閣府は、ゲノム編集が600兆円産業になると皮算用しています。未解決の問題には目をつぶり、経済優先でことを判断するのですから、原発と同じ構造です。ただ、放射能は半減期があるように、時間とともにその影響は徐々に消えていくものです。しかしゲノム編集は、操作の対象が「生命の根幹の遺伝子」であるため、その影響が消えることはありません。ですからなおさらのこと、安易に触らせるわけにはいきません。

署名の三次集約日は、12/5です。
一人ひとりの強い意と思いは、こうした署名を通じて結集していきます。

※署名は、もちろんFAXや郵送でもできますが、ワード・ファイルにPC上で記入して、メール添付して送信すれば簡単です。

追記①
 農水省が「有機農産物の日本農林規格において、(遺伝子組み換えを使えないことに加え)ゲノム編集技術を用いて生産されたものについても、原材料等において使用できないことを明確にする改正を行う」ためのパブコメで意見公募をはじめたとのこと(11/8)
 農水省がまさかの方針転換?しかし、表示の義務付けをさせないでおいて、こういうことを言うのは、やはりおかしな話です。体裁を整えて、実を取ろうとでもいうのでしょうか。

追記②
 山田正彦氏からの情報です。
 種子法が廃止されたことへの対策として、21もの道県で種子条例が制定、もしくはその方向で動いているということです。そしてさらに、今治市では遺伝子組み換え作物を作ったり、使ったりすることを禁止する条例までできたというのです。だから、ゲノム編集にしても、地方条例から禁止していくことができるわけです。住民の1/50の署名を集めれば、住民投票ができるので、ゲノム編集禁止の条例も市民の力でもって制定することができるということです。市民が主役となって、自治体条例を求め、地方から変えていくことができるのです!各市町村(意見書)→市議会(審理)→県議会(条例の制定)と。
 とても勇気づけられる、実践的なお話しです。(11/10.しあわせの経済~国際フォーラム2019~より)
(しんしん丸)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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JOAA―日本有機農業研究会の活動
引用元)
本会主催の催し
署名のよびかけ:「有機 JAS」に「ゲノム編集」などの遺伝子操作を認めるな!

  ⇒署名用紙:【WORD】【PDF】

(以下略)
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河田昌東「ゲノム編集、どこに危険が潜んでいるか」
配信元)

「ゲノム編集の今」は、かつて原発が作られ始めたころにそっくりだ。未解決の問題には目をつぶり、経済優先でことを判断する。この構造は今も変わらない。生命が金になる時代がやって来たのだ。だが「操作の対象が生命の根幹の遺伝子」であることを忘れてはならない。人間の傲慢さがもたらしたつけはいつか必ずやってくる。
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ゲノム編集食品は当然有機じゃない(パブコメ)
引用元)
「有機農産物の日本農林規格等の一部改正案について」というパブコメのタイトルを見て、思わず身構える。ついにゲノム編集された食品を有機に入れるということに手を染めるのか、と思って読み進むと、(遺伝子組み換えを使えないことに加え)「ゲノム編集技術を用いて生産されたものについても、原材料等において使用できないことを明確にする改正を行う」(1)と。

 え、正しいじゃん。

(中略) » 続きはこちらから

ヒトへの感染症を防ぐための「蚊の撲滅」プロジェクトが失敗していた 〜 人為的な遺伝子組換えすらも改変して生き延びようとする生物、その反動を予測できない人類

竹下雅敏氏からの情報です。
 InDeepさんは、これまで「蚊の撲滅計画」に関する記事を継続して追っておられました。
蚊による感染症を防ぐ目的で、成虫になる前に死ぬように遺伝子を組み換えた蚊を大量にブラジルで放出したところ、なぜかその後、その地域で小頭症の赤ちゃんが生まれるジカ熱が大流行したという記事、蚊が成虫になる前に死んでしまう遺伝子操作を加えたり、蚊を故意にバクテリアに感染させるといった「蚊の滅亡プロジェクト」は本当に人類への恩恵なのかという記事などで、ヒトのためには「絶滅してもいい生物がいる」という考え方に疑問を呈し、浅はかな人為的操作によって取り返しのつかない環境の変化を生む危険性を示唆されていました。
 そして今回は、そのブラジルで行われた遺伝子組み換え蚊のプロジェクトが失敗していたという記事です。
WHOも後押しした事業として、昆虫の駆除やコントロールをおこなうイギリスの企業オキシテック社は、遺伝子組み換えした蚊の最初の世代(F1)が死滅する設計をしました。実験当初は予想通り個体数が激減したものの、1年半後には元の個体数に戻り、しかも、操作した遺伝的改変は子孫の蚊に受け継がれていたそうです。InDeepさん曰く「ジュラシックパークみたい」とはまさに。人間の予想を超え、数世代のうちに自ら生存に向けて変化したのだそうです。しかも人為的な改変の反動で、蚊が以前とは違う強力な性質を持つ可能性があるとも警告されています。「蚊の撲滅プロジェクト」はさらに、一つの種を滅亡させる生物兵器「遺伝子ドライブ」技術へと進むようです。
反対や批判を押し切って進められるプロジェクトですが、ヒトへの感染症予防というのは表向き、実は陰惨な目的があってのことではないかと勘ぐりたくなります。
 書いていてもおぞましい実験の数々ですが、はるか昔から「ウイルスと生物の仲介をし続け、血液の交換をしてきた」蚊の役割を尊重し、地球上に不要な生物が存在するという考え方自体がおかしいのでは?と結ばれたInDeepさんの見解にホッと息をついたのでした。
(まのじ)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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「蚊の撲滅」を目的としたブラジルでの「成虫になる前に死ぬ遺伝子操作」を施された蚊の放出実験が大失敗していたことがネイチャーの論文で発覚。遺伝子を操作された蚊たちは数世代で元通りに
転載元)
ロシアの報道で、「ブラジルで行われていた、遺伝子操作により蚊を撲滅させるプロジェクトが失敗した」という内容の冒頭の報道を見つけました。

(中略)

当時、ジカ熱とデング熱、そして黄熱病やマラリアなどの、それぞれ蚊が媒介する感染症が流行していました。

特にブラジルでは、妊娠した女性が感染すると、お腹の赤ちゃんに障害が出る可能性が高いジカ熱と、高熱と痛みに苦しめられるデング熱が大変に流行していまして、これらの感染症の拡大を防ぐために

「遺伝子操作を用いて、蚊を根絶する計画」
を実施することにしたのです。

オキシテック社(OXITEC)というイギリスにある昆虫の駆除やコントロールをおこなう企業が、遺伝子操作により、ジカやデング熱を媒介するネッタイシマカだけを撲滅させるプロジェクトをブラジルで行う実験を開始しました

この遺伝子操作は、

次の世代の幼虫が成虫になる前に死ぬように遺伝子を組み替えた

もので、その蚊たちをブラジルに一斉に放出したのでした。

このような遺伝子操作ですので、計画通りなら、この蚊の子孫たちは死に絶えることになります。

(中略)

このやり方は、WHO も、世界中の企業に呼びかけていました(中略)
(中略)

いくつかの組織が、この試みを開始し、中でも英オキシテック社は、ブラジルで大規模な「蚊撲滅実験」を実施したのでした。

実験が成功していれば、ブラジルに放出された蚊と、その子孫は、今はすべて死んでいる「はず」で、その遺伝の繰り返しの中で、ブラジルの蚊は、大幅に減少していた「はず」でした。

ところが、現実には、

「放出された蚊たちは、大繁殖を再開していた」


ことが米イェール大学の調査でわかり、その結果が、9月10日の科学誌ネイチャーに掲載された論文に記されていたのでした。

つまり、実験は失敗したわけで、それどころか、予想外の悪影響の可能性だけを残したということになりました。

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アメリカの言いなりである日本が置かれているあまりにも危うい食の安全 〜 輸入食材を口にするのは、できるだけやめた方がいい!

竹下雅敏氏からの情報です。
 日曜日の記事で、しんしん丸さんが、「種苗法についての勉強会」をレポートした優れた記事を挙げていました。こうした記事を見た時に、自分に関係する非常に重要な問題だと捉える人と、農業なんて自分とは何の関係もないと思う人に、分かれると思います。皆さんが、直接自分に関係することだと自覚するほど、社会の変革は早く来ます。
 長周新聞さんの鈴木宣弘教授の記事をご覧ください。大変長い記事で、後半部分をカットして要約しました。ご覧になると、日本の置かれている立場があまりにも危うくて、恐ろしくなると思います。はっきり言って、輸入食材を口にするのは、できるだけやめた方がいいと言えそうです。日本はアメリカの言いなりで、海外から入ってくる食品を口にしていたら、健康を保つことがまずできないことがわかるでしょう。食材はよほど注意して、厳選する必要があります。
 食事に気をつけている人にとっては常識なのですが、スーパーで購入できる食材というのはほとんどありません。大病を患って、現代医療に見放された人たちが食事に気をつけるようになるというのが、通常のコースです。なので、普通に健康な人が、普段の食事に気をつけているというようなことは、まさに1000人に1人いれば良い方だと言えるかも知れません。よほど意識が開いていなければ、食材に気をつけるというところまで気が回らないのが普通です。
 しかし、こうした記事を読むと、安いからといってスーパーで値引き品を買って、食費を安く抑えることばかりやっていると、まず間違いなく病気になり、かえって医療費という形で出費がかさむのがわかると思います。
 おそらく、いちばん安くつき安心なのは、自分で生産することでしょう。この意味でも、若い人は未来を農業にかけるのが有望ではないかと思います。
(竹下雅敏)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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食の安全保障を放棄する日米FTA 東京大学教授・鈴木宣弘
転載元)
(前略)

 日米貿易協定(FTA)の第一弾が決まった。まさに「失うだけの日米FTA」だったことが明らかになっている。まず貿易自由化をめぐる現在地を確認したい。

 12カ国によるTPPは、「国論を二分」といわれる反対運動の成果が米国であらわれ、8割近い米国民の反対世論が大統領選の全候補にTPP離脱表明をさせ、最も強硬だったトランプ大統領がこれを破棄した。これでTPPは終わったはずだったが、日本は米国抜きの11カ国で昨年12月30日にTPP11を発効した。ここで日本は、米国が抜けたにもかかわらず米国を含めた12カ国に譲った枠をそのまま盛り込んでいる。米国のかわりにオーストラリアやニュージーランドが大喜びで日本にさらに安い農産物を送り込んでくる状況になっている。

 そうなれば当然、米国は「俺の分はどうしてくれる?」と黙っていない。だからTPP11と日米2国間貿易交渉(FTA)は最初からセットだった。日本政府は「TPP11発効は日米FTAを避けるためだ」と嘘を言ったが、実際には避けられないので早急に交渉を開始。そこで国民をごまかすためにFTAを「TAG(物品貿易協定)」という言葉に換え、日米共同声明の日本語訳やペンス副大統領の演説内容まで改ざんして「日米交渉はFTAでなくTAGだ」と言い張った。

(中略)

TPP11で米国分も譲っているのだから、日米FTAでさらに米国に譲れば簡単に「TPP超え」になる。しかも今回は巨大なお土産つきだ。米中貿易摩擦の尻ぬぐいのために300万㌧もの飼料用トウモロコシを米国から買えと言われ、これを約束した。(中略)... 国民に説明できないので「虫のせい(害虫被害)」だといった。

(中略)

さらに今年2月1日、EUとの自由貿易協定(EPA)を発効した。(中略)... TPP11と日米FTA、日欧EPAの三つを揃えたら、TPPをはるかに超える規模になっている。

(中略)

今回の日米FTA第一弾はどのように決まったのか? まさにトランプ大統領の選挙対策だ。自分がほしい牛肉、豚肉は「早く譲れ」といい、TPPで撤廃する約束だった自動車の関税撤廃はやらない。

 日本側は米国の合意内容の文書(譲許表)を隠して「自動車関税の撤廃は決まったが、そのスケジュールは明記されていない」と説明したが、署名後に出てきた米国側文書(和訳はせずに今も目に触れにくくしている)には関税撤廃そのものが「今後の交渉次第」としか書かれておらず、日本側の説明は完全な虚偽で、それを隠ぺいして国民をだまして署名してしまったことが明るみになった。

(中略)

米国は、自国に有利なものはTPP基準以上でやらせ、都合の悪い約束はTPPでの約束を反故(ほご)にした。米国だけに都合のいい「つまみ食い協定」である。

 ただし、牛肉と同じように「二重の枠」が設定されるとみられていた乳製品(バター、脱脂粉乳)など33品目については今回米国にはなにもつけていない。(中略)... ここにはちゃんと再協議規定がある。

(中略)

記者会見で日本の交渉責任者は、自動車関税撤廃の日米交渉について「日本は農産物のカードをすべて切ったので、もう交渉カードがないのでは?」との問いに、「カードはある。TPPでの農産品の関税撤廃率は82%だったが、まだ米国には40%も出していない」と答えた。つまり自動車輸出を守るために農業を差し出していくことを認めた。TPPで米国の量も含めて輸入枠を差し出しているわけだから、さらに今後33品目にも米国のために「二重」の枠をつくるということだ。

(中略)

国際法では一方的に不利な状況をつくる差別的なFTAを原則禁じており、全品目を含めるのなら許すというのが国際ルールだ。だからいままでの貿易協定は9割の品目を含めるようにやってきたが、今回は自動車と部品を入れないことで6割を切っている。政府は「自動車と部品も関税撤廃された」とウソをついて米国の関税撤廃率を92%と発表したが、ここから自動車関連のシェア41%を引くと、実際は51%でしかない。これは過去に例のない低いレベルで、前代未聞の国際法違反にあたり、国会承認はできない。

(中略)

そもそも米国が自動車に25%の追加関税をかけることが国際法違反であり、EUは「犯罪行為は許さない。WTOに訴える」と対抗しているが、日本は「犯罪者にお金をあげて許しを請う」てしまった。

(中略)

8月25日の早い段階ではある新聞社の記者は「日本が約束したトウモロコシ輸入量は(300万㌧ではなく)1000万㌧だ。政府高官の話だから間違いない」といっていた。「自動車25%関税」で何度も脅されて300万㌧を3年買えば、本当に1000万㌧になりかねない。まさに「底なし沼」だ。

(中略)

現在、経産省は独裁といっていいほど官邸で力を持っている。私が知る彼らの行動パターンは、自分たちの天下り先である自動車や鉄鋼、電力、石油業界の利益拡大のために食料と農業を差し出していく交渉スタイルでずっとやっている。

(中略)

一番影響が出ているのが酪農だ。前述三つの貿易協定による打撃のうえに(中略)... 酪農協による生乳の共販を弱体化させる法改正をした。これは大手による買い叩きをしやすくするために農家をバラバラにするのが目的だ。中小零細の酪農家がまとまって大手と交渉するのは国際的な独占禁止法のカルテルからも除外される正当な権利なのに、日本だけがそれをやめさせる法律を作った。

(中略)

「これはやり過ぎだ」と官邸に進言した事務次官候補の農水省生産局長はクビになった。逆らう者はその場で処分される。(中略)... そして種子法廃止をはじめ、海や山を含めて地域で頑張っている人たちを潰して、そのビジネスとお金をむしり取るために法律を撤廃、改定し、新法まで作るという恐るべきことが進行している。

(中略)

国産を選ぶことができないことがなぜ深刻なのか。(中略)... 日米交渉でまず決まるのが、BSE(牛海綿状脳症)対策としての輸入条件の撤廃だ。

(中略)

もう一つは、禁止農薬の防カビ剤「イマザリル」など。(中略)... 日本では収穫後に禁止農薬をかけることはできないが、米国は収穫物に防カビ剤を大量にかけて輸送してくる。禁止農薬がかかっていたレモンを日本側が「不合格」として海洋投棄すると、怒った米国に「自動車輸出を止めるぞ」と恫喝されて震え上がった。そして、防カビ剤イマザリルは収穫前にかけると農薬だが、収穫後にかけたら食品添加物であるとしてこれを認めた。いまでもそれがどんどん入ってきている。

 食品添加物に分類されると食品への表示が義務づけられる。禁止農薬が入っていることがバレるから「これは不当な米国差別だ。表示するな」とまた米国が怒り出した。それでTPPの裏交渉で改善を約束し、今回のFTAでは表示の撤廃が待ち受けている。

 イマザリルのような防カビ剤は浸透するので皮を剥いて食べても体内に入る。このような自由貿易協定は「農家には申し訳ないけど、消費者は安くなっていいな」という話ではない。いざというときに食べられないばかりか、とんでもないものを食べざるを得ず、命の危険にさらされる。農家の問題ではなく、国民の命の問題であることを認識しなければならない。

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トランプ大統領の大統領令からはじまった、ゲノム編集食品の「規制なき解禁」

 今月、ゲノム編集食品の流通が解禁になりました。
安全性が疑問視される中での、こうした性急な規制なき解禁は、実は6月にトランプ大統領が大統領令に署名したことから始まっているといいます。
 その大統領令の目的とは、規制を撤廃して、遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品の開発や生産を促進して、日本などにも規制緩和させ、輸出を拡大させるというものです。つまり食の安全より食の支配、農業票の獲得の方が大事だということのようです。来年には大統領選が控えていますから。
 時系列で追ってみると、大統領令でまず米国にとって不公平な貿易障壁を取り除くための戦略を立てるよう命じたとあります。
 まさに日本ではゲノム編集食品を流通させるための動きが始まったころです。こうした大統領令が、日本で報じられることはありませんでしたが、厚労省も消費者庁もこの頃から、結論ありきのような性急な発言が始まっているのです。つまりこうした大統領令を忖度?したからこそ、消費者からの強い懸念があるにもかかわらず、ゲノム編集食品の安全性審査や表示義務の見送りが決められてしまったというわけです。(そもそも安倍政権は、昨年設置した統合イノベーション戦略会議で"ゲノム編集作物・食品は規制しない"方向を示していたので、大統領令は渡りに舟だったのかもしれません。出来レースにも見えますが)
 同様に農水省は、米国で新種の遺伝子組み換え小麦が発見された際に、米国からの小麦を輸入停止しないという異例といわれる措置をとっています。アメリカ・ファーストということでしょうか。
 そしてさらに米国においては、今まさにゲノム編集食品を有機に入れることを検討しようとしています。ゲノム編集によって問題ある変異が生まれるということが次々に明らかになっているにもかかわらずです。
 そして、トランプ政権はゲノム編集の解禁に加え、ついには従来の遺伝子組み換えも同様に規制から外そうとしているというのです。安全性が疑われる遺伝子組み換えやゲノム編集の技術を、食を支配するために用いるとしたら、それこそ取り返しのつかない事態を引き起こしかねません。かたやロシアや中国は、安全性に疑問があるとして遺伝子組み換え作物の輸入や栽培を禁止しています。これは予防原則の観点からも当然だとおもいます。

 ディープ・ステイト/カバールと戦うトランプ大統領の、敵を欺くためにはまず味方から!といった天才的な作戦にはいつも舌を巻いているので、こうしたバイオ食品への対応に関してもおそらく何かしら、命>金のどんでん返しがあるのでは??とどこかで少しは期待をしていたのですが。カバールはぜひとも一網打尽にしてもらいたいものです。しかし危険だとわかっている遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品の規制はどんどん外されているのが現状です。生態系全体、全生命にかかわる危機は既にはじまっています。...とても残念です。

 さあて、日本、古代ハスの種のごとき日本よ!
安倍叫喚地獄に咲く平安の花よ!
(しんしん丸)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ゲノム食品「規制なき解禁」にトランプ大統領の影
引用元)
 動植物の遺伝子を意のままに操作し、自然界には存在しない特質を持たせた「ゲノム編集食品」の解禁が決まった。(中略)

 性急な「規制なき解禁」はなぜ起きたのか。その謎を解く鍵は、米トランプ政権が打ち出した、ある政策にある。

米国の政策転換

 6月11日、大統領再選の鍵を握る州の1つアイオワ州を訪れたトランプ大統領は、大勢の支持者が見守る中、1枚の大統領令に署名した。(中略)

規制を可能な限り撤廃してバイオ食品の開発や生産をスピードアップし、一大産業に育てようというのが今回の大統領令の目的。(中略)

トランプ大統領は(中略..)貿易相手国の不公正な貿易障壁を取り除くための戦略を立てるよう命じている。名指しはしていないが、米農産物の大口輸入国である日本が貿易相手国に含まれるのは間違いない。(中略)

 実は、この大統領令は、日本では一切報道されていない。しかし、(中略..)厚労省や消費者庁の担当者の発言を拾っていくと、この大統領令を念頭に結論を急いだ節がある。(中略)

再選のことしか頭にないとも言われているトランプ大統領にとって、農業票の獲得につながる農産物の輸出拡大は最優先課題の1つだ。ゲノム食品の性急な、規制なき解禁は、大統領を一瞬でもニッコリとさせる手頃な手土産だったのだろうか。
(以下略)
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