2014年11月21日
William Engdahl
ハンガリーと国民全体の利益を目指す民族主義者、
オルバーン・ヴィクトル首相は、ワシントンの政治エリート連中から照準を定められている。
彼の犯罪は、破滅的なことが多いブリュッセルの
欧州委員会の命令に屈しないことだ。ハンガリーの国家意識を明確にしようとしたこと。だが
彼の大罪は、ロシアとの関係を深めたこと、ロシアのサウス・ストリーム ガス・パイプラインを、ハンガリー経由で、EUにもたらすガスプロムとの協定に署名して、ワシントンに反逆したことなのだ。
オルバーンは、1998年に、ハンガリーで二番目に若い首相に選出されて以来、政治的遍歴を経験した。当時彼は、ロシアの抗議にもかかわらず、ハンガリーは、ポーランドやチェコ共和国と共に、NATOへの加盟し、更にEUへの加盟を監督していた。オルバーンは、ワシントン・ネオコンのお気に入りに見えた。
ところが、2010年、6年間の野党生活後、今度は彼の党、フィデス-ハンガリー市民同盟、略称フィデスは、議会で、68%という圧倒的多数で勝利し、憲法を改訂し、新法を成立させるのに必要な議席を得、実際そうした。皮肉なことに、目くそ鼻くそを笑うの典型で、アメリカ合州国のオバマ政権と、欧州議会は、フィデスに権力を与え過ぎたと文句を言っている。欧州緑グループのダニエル・コーン=ベンディットは、
オルバーンのハンガリーが、ベネズエラのウゴ・チャベスを手本にしているといって非難した。フィデスは、EUマスコミによって、ハンガリー版統一ロシアとして、そして
オルバーンは、ハンガリー版プーチンとして、悪魔化され始めた。それは、2012年のことだった。
”更に、オルバーン政権は、ハンガリーを、何十年もの略奪的なIMFの束縛から解放することに成功した。2013年8月、ハンガリー経済省は“規律ある財政政策のおかげで”IMFの借金残額22億ドルを返済したと発表した。もはや、IMFに強いられる国営企業民営化や、厄介な諸条件とはおさらばだ。
ハンガリー中央銀行の総裁がIMFに、ブダペスト事務所の閉鎖を要求した。更に、アイスランドを思わせる調子で、
この国に負わせた犯罪的金額の国家債務のかどで、検事総長が、三人の元ハンガリー首相を起訴した。これは、EUの一部の首都やワシントンやウオール街の連中に、確実に冷や汗をかかせる前例になるだろう。
アメリカ・エリートはすぐさま警鐘を鳴らした。超体制派のニューヨーク・タイムズは、“ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相の政権は独裁主義へと滑落しつつあり、欧州連合の基本的価値観に逆らい、そこから抜け出そうとしている。”
“反民主的政策を巡るなまぬるい懸念を表明するのではなく、
欧州連合は、ハンガリー制裁に動くべきだ。”
全米民主主義基金や、
アメリカ政府が支援するいつものNGO連中が、ウクライナで、アメリカが生み出したとんでもない状況の影響を、ハンガリーのエネルギーが受けないようにしようとした、彼の許されざる犯罪のかどで、フィデスや
オルバーンに対する大衆抗議行動を立ち上げる口実を、やがて見つけ出すことになろう。
F. William Engdahl(ウィリアム・イングドール)は、戦略的危機コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学の世界的ベ ストセラー本の著者。本記事は、オンライン雑誌“New Eastern Outlook”独占。
記事原文のurl:
http://journal-neo.org/2014/11/21/hungary-s-viktor-orban-washington-s-new-enemy-image/
世間では評価が分かれるスノーデン氏ですが、前半は、氏をより深く理解するのに参考になるインタビューです。竹下氏は、以前スノーデン氏について“天才的な人”、“英雄”とコメントされていますが、当の本人は“何者かは問題ではない…重要なのは私が提起した問題の方です”と答えています。何者かであろうとするのではなく、“みんなと同じ1人のアメリカ人”として“公益を最大にできる、最も責任ある行動”をとったスノーデン氏は、やはり英雄だと思います。
“続きはここから”以降では、時事ブログでも取り上げられてきた“PRISMプログラム”について語られています。こういったプログラムで収集された情報は、脅迫材料等に使われることもあるようですが、スノーデン氏は、企業ができる“最も効果的なことはSSLを有効にして、すべてのウェブアクセスを暗号化すること”と述べています。また個人レベルにおいてできることは、2013年6月17日に時事ブログで“サーバーに、あなたのデータを一切残さない検索エンジン”が紹介されています。