注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
民進党の小西洋之参院議員が4月17日の参院外交防衛委員会で「16日夜に議員会館近くで現職の自衛官を名乗る者から『おまえは国民の敵だ』と繰り返し罵声を浴びた」と明らかにした件は大きな話題となりましたが、調査でさらに恐ろしいことが明らかになりました。
(中略)
3佐が小西氏について「政府、自衛隊が進めようとしている方向とは、違う方向での対応が多いというイメージだ」と話しているということ。これは「国民の敵」以上にあり得ない発言です。
まず「政府、自衛隊が進めようとしている方向」という部分ですが、自衛隊は内閣総理大臣をトップとする文民統制(シビリアンコントロール)に絶対的に従う組織であり、決して自らの意思で何かを進めようとすることは許されません。
(中略)
さらに恐ろしいのは政府と自衛隊を併置し、あたかも政府と自衛隊が軌を一にして何かを進めようとしているように考えていること。(中略)… これはもはや五・一五事件や二・二六事件と並ぶ正真正銘のクーデターに他なりません。
(以下略)
4月22日 テレ朝 サンデーステーションで「防衛省幹部」が「国民の敵」事件に以下のコメントをしたと報道。防衛大臣に調査を要請しました。日頃、国民の敵などの言葉が飛び交っているのではないか。。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) April 24, 2018
[防衛省幹部]
そんなに騒ぐこと? だって言葉の通りでしょ
もちろん本人に言うのはバカなことだが pic.twitter.com/BCbN1WnNKT
この「防衛省幹部」がどういうランクの人かわからないが、防衛省の上層部までこの認識だとすると「ひとりの3佐」の問題ではなくなる。 https://t.co/YZErBBrQDR
— 布施祐仁 (@yujinfuse) April 22, 2018
防衛省幹部の言葉にまた驚く。
— サチエ (@bettybeat) 2018年4月22日
サンデーステーション pic.twitter.com/Yqk1uPpH26
自衛隊に対する文民統制は、内閣による文民統制と国会による文民統制がある。政権の方ばかり向いて、国民の代表者で構成されている国会を軽視するような防衛省・自衛隊であってはならない。首相・政権の国会軽視の姿勢が自衛隊の文民統制をもおかしくしているのではないか。
— 布施祐仁 (@yujinfuse) April 22, 2018
昔でいえば大本営参謀の少佐の地位にある現職自衛官が、国会議員に対して「俺は自衛官だ。貴方がやっていることは日本の国益を損なうことだ」と発言したことは、文民統制上許されないことだ。自衛隊の任務を決めるのは国会であり、自衛隊が自ら国益を判断して行動するようなことはあってはならない。 https://t.co/0vxs2iDowd
— 布施祐仁 (@yujinfuse) April 25, 2018
自衛隊3佐:暴言 「国民の敵だ」発言否定 防衛省が供述公表 https://t.co/w3sm1E3msX
— 毎日新聞 (@mainichi) 2018年4月24日
これは、自衛隊の中で異変が起こっており、これまで我々が自衛隊に対して持っていたイメージとは異なる方向に自衛隊が動き出していることを意味すると思います。今の自衛隊の危機的状況は“自衛隊の危機01 ”と“自衛隊の記事02”という記事に、要点がまとめられています。
記事の中に、“多くの制服が切実に訴えたのは…憲法9条2項によって…手足を縛られている自衛隊が現状のまま、ある日突然、軍隊に変貌することを求められるのでは、という懸念”であると書かれています。激変する世界情勢の中で、彼らが現状に不満を抱く理由はよくわかります。しかし、米軍がこれまで世界で行ってきたことをありのままに見るならば、その2軍あるいは下請けとして自衛隊が軍隊として活動することに価値があるのかという疑念が生じます。
田母神元航空幕僚長と言う、かなりずれた国際感覚を持っているとしか思えない前例があります。国際情勢を正しく認識出来ていない者が上層部を占めていて、縛りを外せと言われても、むしろ一般国民とすれば、共産党が言うように、憲法9条のおかげで日本はこれまで戦争に巻き込まれて来なかったという見解の方が、説得力がある気がします。
この問題は、国際貢献という観点も含め、きちんと議論されなければならないものだと思います。