竹下雅敏氏からの情報です。
注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。
————————————————————————
大阪大学が解明したADEのメカニズム
配信元)
YouTube 21/5/28
————————————————————————
新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見
―COVID-19の重症化に関与する可能性―
―COVID-19の重症化に関与する可能性―
転載元)
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 21/5/25
大阪大学
日本医療研究開発機構
研究成果のポイント 日本医療研究開発機構
・新型コロナウイルスに感染すると、感染を防ぐ中和抗体ばかりでなく、感染を増強させる抗体(感染増強抗体)が産生されることを発見した。
・感染増強抗体が新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の特定の部位に結合すると、抗体が直接スパイクタンパク質の構造変化を引き起こし、その結果、新型コロナウイルスの感染性が高くなることが判明した。
・感染増強抗体は中和抗体の感染を防ぐ作用を減弱させることが判明した。
・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)重症患者では、感染増強抗体の高い産生が認められた。また、非感染者においても感染増強抗体を少量持っている場合があることが判明した。
・感染増強抗体の産生を解析することで、重症化しやすい人を検査できる可能性がある。また、本研究成果は、感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン開発に対しても重要である。
概要
大阪大学の荒瀬尚教授を中心とした微生物病研究所・蛋白質研究所・免疫学フロンティア研究センター・感染症総合教育研究拠点・医学系研究科等から成る研究グループは、COVID-19患者由来の抗体を解析することにより、新型コロナウイルスに感染すると感染を防御する中和抗体ばかりでなく、感染性を高める感染増強抗体が産生されていることを初めて発見しました。本研究成果は2021年5月24日(月)に米国科学雑誌Cell誌に掲載されました。
研究の背景
新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合部位(RBD)*1に対する抗体は、ヒトの受容体であるACE2*2との結合を阻害することにより、新型コロナウイルスの感染を抑える中和抗体として重要な機能を担っている(図1)。実際、最近の様々な変異株が中和抗体の認識部位に変異を獲得したことから、抗体がウイルスの排除に非常に重要な機能を担っているために、ウイルスが中和抗体に認識されない変異を獲得したと考えられる。一方、COVID-19患者においては、中和抗体以外にスパイクタンパク質に対する多くの抗体が産生されるが、これまでそれらの抗体の詳細な機能は明らかでなかった。
前述の通り抗体はウイルス感染防御に重要な機能を担う一方で、ウイルスに対する抗体によって感染が増悪する現象が知られており、その現象は抗体依存性感染増強(ADE)*4と言われている。ADEはデングウイルス等で知られており、一度デングウイルスに感染した後、異なる型のデングウイルスに感染すると、最初の感染によって産生された抗体によって重症化する場合がある。また、コロナウイルスの一つである猫伝染性腹膜炎ウイルスにおいても、ウイルスに対する抗体が増悪因子になることが報告されている。これらの抗体による感染増強には、ある種の免疫細胞が発現しているFc受容体が関与していると考えられてきた。
すなわち、ウイルス粒子に結合した抗体が細胞のFc受容体に結合すると、Fc受容体を介してウイルス感染が引き起こされる。しかし、これらのFc受容体を介した感染は、Fc受容体を発現した特定の免疫細胞に限定されるため、体の中の多くの細胞の感染にはあまり関与していないと考えられてきた。
そこで、本研究では、COVID-19患者で産生される抗体の機能を解明するために、COVID-19患者の免疫細胞からクローニングされたスパイクタンパク質に対する抗体遺伝子をヒト細胞に発現させて用意した76種類のスパイクタンパク質に対する抗体の機能を詳細に解析した。その結果、今までに知られていたFc受容体*5を介した抗体依存性感染増強とは全く異なり、ウイルス粒子に結合するだけで感染性をFc受容体非依存性に高める抗体が存在することが明らかになった。
» 続きはこちらから
76種類の抗体の働きを解析したところ、中和抗体とは逆に、結合を促す感染増強抗体が見つかったという事で、「今後研究が進めば重症化しやすい人を事前に見つける検査や、新しいワクチン開発などに活用できる」という内容でした。
ところが、この論文の内容を紹介している動画「大阪大学が解明したADEのメカニズム」によると、論文には「ワクチン投与によって、感染増強抗体の産生が高まる可能性」が指摘されており、“既に感染増強抗体を持っている人では、感染やワクチンの接種で感染増強抗体の産生が高まる可能性が考えられる”と書かれているというのです。
動画の7分15秒のところをご覧になると、1回目のワクチンを接種すれば、“既に感染増強抗体を持っている人”になり、2回目のワクチン接種で、“感染増強抗体の産生が高まる可能性が考えられる”という事になるかと思います。
ナルホド。だから、ワクチン接種は2回必要なのか。抗体依存性感染増強(ADE)による人口削減を狙っているとしか思えないですね。
動画の解説を聴きながら論文を読むと、素人でもそれなりに分かります。図1で、“スパイクタンパク質は、S1とS2領域から成るが、S1領域は、さらにRBDとNTDに分けられる”とありますが、RBDがヒトの受容体であるACE2との結合部位です。76種類のスパイクタンパク質に対する抗体のなかに、NTDと結合する感染増強抗体があり、“中和抗体による ACE2 結合阻害能を減弱させる”とのことです。
図5のように、感染増強抗体はNTDの下面側に結合し、スパイクタンパク質のRBDが開いた構造になるために、RBDがACE2 と結合しやすくなるというのが、感染増強のメカニズムだという事です。