1.種無しトマトにするために、トマト細胞に挿入されたプラスミドの構造
〇ゲノム編集する際に挿入されるプラスミド(細胞分裂によって娘細胞へと引き継がれるDNA分子※)の構造は特に公表されていないのですが、河田氏はそのプラスミド遺伝子の構造を調べてみて驚きました。発光クラゲの遺伝子とか抗生物質耐性遺伝子が当たり前のように使われているではないですか。これらは選別する際に必要な遺伝子として挿入されていたのです。
〇トマト細胞に挿入されたプラスミドの構造
・U6-26,gRNA...プロモーター(転写開始の部分)、ガイドRNA(ターゲット遺伝子への誘導)
・2x35SΩ...プロモーター2個(大豆やコーンの遺伝子組み換えでもよくスイッチとして使われる)
・AtCas9...土壌細菌のCas9(これがターゲット遺伝子を破壊する)
・2A...口蹄疫ウィルスの遺伝子
・GFP...発光クラゲの遺伝子
・Km...抗生物質カナマイシン耐性遺伝子
※プラスミドというDNA分子は、いわばトロイの木馬のようなものと考えるとわかりやすいかもしれません。(しんしん丸説。当たらずといえども遠からず!かと?)
トロイの木馬の中には、ターゲットとなる遺伝子の元へと誘導するガイドRNAがいたり、そのターゲット遺伝子を破壊するCas9という工作員がいたり、照明係のクラゲ発光遺伝子や敵の攻撃から身を守るための抗生物質耐性遺伝子がいるのです。破壊工作員である彼らはトロイの木馬とともにトマト国へと運び込まれるのであった。
※遺伝子組み換えでも抗生物質耐性遺伝子は使われています。抗生物質であるグリホサートへの耐性を持たせるためです。そしてグリホサートに漬けこんで生き残るものが遺伝子組み換えに成功したものとして選別するのです。こういう遺伝子を持つ作物は、育てているときに除草剤ラウンドアップ(主成分はグリホサート)をたっぷりかけても枯れません。(モンサント方式は種・農薬・肥料の3点セット売り)そしてこうした作物を食べることで、残留したグリホサートが人体の中の腸内細菌の働きを阻害して、様々な肉体疾患、精神疾患を引き起こすということがわかっています。
2.アグロバクテリウム法(遺伝子の導入方法)
・制限分解酵素(DNAを切断する)Cas9の入ったプラスミドの遺伝子をトマトの培養組織に感染させます。
↓
・抗生物質入りの組織を培養します。
↓
・クラゲの発光遺伝子で確認します。
※これは、ゲノム編集にてすぺての遺伝子をノックアウトできるわけではないからです。ですから、ノックアウトできたものを選別する必要があるのです。そのために抗生物質への耐性機能と発光機能を組み込むわけです。
3.発光する組織を集める
・こうして発光する組織を集めます。すなわち、ゲノム編集でノックアウトできた組織だけを選別して栽培するというわけです。
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柄ゆきも寸法も、よ〜く分かってらっしゃる。