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[OurPlanetTV]事故時5歳児、甲状腺がん~悪性・悪性疑い173人

 福島県での甲状腺癌の多発について、検討委員会が3月末に発表した「中間とりまとめ」では、「事故当時5歳以下からの発見がないこと」を理由に「放射線の影響とは考えにくい」と評価していましたが、今月6日の討委員会において、事故当時5歳だった子どもにも甲状腺がんが見つかりました。これについて討委員会の星北斗座長は「いま、1例出たからと言って、それで科学的云々ということを議論する内容ではない」と述べ、改めて放射能との因果関係を認めない発言をしています。
 また、ほとんどが甲状腺がんの中の乳頭がんと診断されているようですが、通常、乳頭がんの男女比率は1:7であるにもかかわらず、本格検査の1巡目では約1:2、2巡目においては約3:4になっています。これについて検討委は「集計の問題である」としていますが、回答になっていないと思います。素直に放射線の影響と考えた方が説明がつくと思います。
 下の動画では、検討委の委員で臨床医でもある清水一雄医師が「放射線の影響でこうなったとは、僕は、…わかりません!」と苦しまぎれに発言していますが、本当は分かっていると思います。だからこそ、「県立医大だけで将来対応できなくなってくるはず…すでに県外に転出している人…ももっと増えてくる」と述べているのだと思います。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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事故時5歳児、甲状腺がん~悪性・悪性疑い173人
引用元)
投稿者: ourplanet

(前略) 

本格検査(2巡目)結果~2014年~2015年 

福島県立医大の大津留晶教授はまず、2014年から2015年に実施された本格検査(2巡目)の結果を報告した。それによると、2次検査で穿刺細胞診を行い、悪性または悪性疑いと診断された子どもは前回より6人増えて57人となった。
 

57人の先行検査結果は、A1が28人(49.1%)、A2が25人(43.8%)、B判定は4人(0.7%)だった。A2判定だった子どもうち、結節があった子どもは17人、なかった子どもが18人だった。平均腫瘍径は10.4ミリで、最大は35.6ミリだった。この2年間で腫瘍が急成長した可能性がある。
 
また年齢は、最年少が事故当時5才と、はじめて事故当時5歳以下の子どもが甲状腺がんと診断された。チェルノブイリでは、5歳以下の子どもが多数甲状腺がんとなったことから、検討委員会はこれまで「被曝の影響とは考えにくい」との見解を示してきた。一方、事故当時5歳以下の子どもに甲状腺がんが多発したのは、事故5年以上経ってからと指摘する研究者もおり、今後、この世代で甲状腺がんが多発するかどうかが、ひとつの焦点となる。
 
(検討委員会の資料より)

(検討委員会の資料より)


男女比は男性25人に対して女性は32人と約3:4の比率となっている。甲状腺がん専門医である清水一雄委員が、「通常の乳頭がんは男女1:7。男性の比率が多いことについて検討しているのか」と質問。これについて大津留氏は、集計の問題であるなどと回答した。
 
本格検査で摘出手術を受けたのは14人増えて30人となり、全員が乳頭がんと診断された。
 

先行検査(1巡目)結果~2011年~2013年 

次いで、2011年から2013年まで実施された先行検査(1巡目)の確定結果が公表された。前回の口頭発表と変わらず、穿刺細胞診で、悪性または悪性疑いと診断された子どもは116人と報告された。
 

平均年齢は震災当時14.9才で、最年少は震災当時6才。男女比は男性39人に対して、女性が77人と約1:2の比率だった。また平均腫瘍径は13.9ミリで、最大は45.0ミリだった。
 
すでに摘出手術を受けたのは102人で、手術後の組織診断によって、乳頭がんが100人、低分化がんが1人、残る1人は良性結節だった。これまで低分化がんは3人公表されてきたが、昨年11月に甲状腺がん取り扱い規約が改定されたことに伴う変更という。
 
1巡目と2巡目の健診をあわせて、悪性・悪性疑いと診断された子どもは、前回より6人増え、172人となった。

2016060604 

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NHK放送コード破りの“常習犯”山本太郎氏が、日曜討論に出演。【動画&文字起こし】

 NHKの放送コード破りの“常習犯”として「特別警戒」されている山本太郎氏が、日曜討論に出演。山本太郎氏の発言のみ抜粋して編集している動画とその文字起こしを貼り付けています。
 自民党からは鶴保庸介議員が出演して、山本議員や福島瑞穂議員を睨み付けたり、小バカにしている表情が話題になり、トレンド入りしています。自民党には本当に役者がそろっています。
 今回の参院選の争点について、安倍首相自身が「アベノミクスを加速するか、後戻りするか。これが最大の争点だ」と述べていますが、毎日新聞の"一面トップで自民による改憲隠しを指摘するルポ"を掲載しています。記事によると、自民党関係者が「改憲を訴えると票が逃げる…今は声を潜めた方がいい。参院で3分の2が取れたら改憲に動き出す」と語ったようです。
 また田中龍作ジャーナルでも今回の日曜討論を取り上げ、「【参院選】アベ首相の本音は「憲法改正」争点隠しに騙されるな」という記事を掲載しています。
(編集長)
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配信元)

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<日曜討論>「参院選にどう臨む」山本太郎発言抜粋(字幕付き)2016-6...
配信元)


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山本太郎氏発言の文字起こし
配信元)





















[ちきゅう座・澤藤統一郎氏]甘利不起訴ー検察審査員諸君、今君たちに正義の実現が委ねられている。 〜甘利捜査を潰した黒幕〜

 東京地検特捜部の甘利不起訴処分ですが、6月3日付で東京検察審査会宛に審査申立がなされ、今後、甘利氏が起訴されるかどうかは、検察審会の判断に委ねられたようです。
 検察審査会とは、"国民の中から選ばれた11人の検察審査員が検察官の不起訴処分の当否を審査するもので,検察官の職務の上に一般国民の良識を反映させ,その適正な運営を図ろうとする目的から設けられたもの"ですが、小沢一郎氏を強制起訴に追い込んだ"幽霊検審"のような手を使えば、簡単に「不起訴相当」の判断がなされると思います。
 この事件は誰がどう見ても、「不起訴相当」や「不起訴不当」ではなく「起訴相当」だと思います。「起訴相当」の場合は、最終的に検察判断を無視して起訴することができます。
 "続きはここから"以降は、読者の方(はなぶさ源ちゃん様)からの情報提供です。紹介していただいたリテラの記事では、甘利捜査を潰した黒幕が暴露されています。その黒幕とは、法務省の黒川弘務官房長で次期事務次官が確実といわれている人物、「自民党の代理人」とも呼ばれており、ドリル優子が秘書の立件だけで終わったのも、この人物が暗躍していたからのようです。また、熱心な刑事訴訟法改正の推進者だったようで、「黒川官房長は、刑事訴訟法改革をやってくれた官邸、自民党へのお礼に、甘利捜査を潰したのではないか」とも噂されているようです。
 さらに、この人物はいわくつきで、「小沢一郎と森ゆうこを嵌めたのも黒川弘法務官房長」のようです。ネットで少し調べてみると、日米合同委員会の代表代理にもなっていたので驚きました。顔写真も出ています。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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甘利不起訴ー検察審査員諸君、今君たちに正義の実現が委ねられている。
引用元)
<澤藤統一郎:弁護士>

上脇博之政治資金オンブズマン共同代表(神戸学院大学教授)らが、被疑者甘利明らを告発したのが本年4月8日。同告発に対して東京地検特捜部は、5月31日付けで不起訴処分とした。
その処分通知は下記のとおりまことに素っ気ないもの。

処分通知書
平成28年5月31日
上脇博之 殿
東京地方検察庁 検察官検事 井上一朗 職印
貴殿から平成28年4月8日付けで告発のあった次の被疑事件は,下記のとおり処分したので通知します。

1 被疑者   甘利明,清島健一,鈴木陵允
2 罪 名   公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律違反,政治資金規正法違反,公職選挙法違反
3 事件番号  平成28年検第14913~ 14915号
4 処分年月日 平成28年5月31日
5 処分区分不起訴

これに対して、本日(6月3日)付で東京検察審査会宛に、下記のとおりの審査申立がなされ、甘利の起訴の有無は、検察審会の判断に委ねられた。
この申立の代理人弁護士は49名。その代表者が大阪弁護士の阪口徳雄君。私も、ワンノブ49sである。

審査申立書 
2016年6月3日
東京検察審査会 御中
別紙代理人目録記載の弁護士49名
被疑者 甘 利 明 
 被疑者 清 島 健 一
被疑者 鈴 木 陵 允
申立の趣旨 
 被疑者甘利明、清島健一および鈴木陵允らの下記被疑事実の要旨記載の各行為についてのあっせん利得処罰法および政治資金規正法に違反する告発事件について、「起訴相当」の議決を求める。

(中略) 

第7 検察官の処分 
 不起訴処分。理由は嫌疑不十分。なお理由は処分した検察官からの電話で、代理人代表弁護士が「嫌疑不十分」と聞いただけであり、どの事実についてどのように証拠がなく、嫌疑不十分となったかの質問をしたが、それは答えられないと拒否された。従って、報道されているように「権限に基づく影響力の行使」を『いうことを聞かないと国会で取り上げる』などという違法・不当な強い圧力を行使した場合に限定した解釈をした結果不起訴になったか否かは不明である。

(中略) 

5 結語 
(中略)… 
 口利きによる利益誘導型の政治が政治不信を招き、それを防止するために制定されたあっせん利得処罰法の趣旨を十分理解したうえで、検察官の不起訴処分に対して法と市民の目線の立場で「起訴相当」決議をしていただきたく審査請求をする次第である。ちなみにあっせん利得処罰法違反で500万円を受領した事件の時効は本年8月20日に満了する。早急に審査の上、起訴相当の議決をして頂きたい。

不起訴処分と同時に、甘利の政治活動への復帰が報じられている。甘利本人にとっても、起訴は覚悟のこと、不起訴は望外の僥倖と検察に感謝しているのではないか。不起訴処分は、限りなくブラックな政治家を甦らせ、元気を与えるカンフル剤となる。それだけではない。政治家の口利きは利用するに値するもので、しかも立件されるリスクがほぼゼロに近いと世間に周知することにもなる。

これでは、あっせん利得処罰法はザル法というにとどまらない。あっせん利得容認法、ないしはあっせん利得奨励法というべきものになる。

(中略) 

検察審査会は単に不起訴不当というだけではなく、国民目線で、起訴相当の議決をすべきである。そうでなければ、政治とカネにまつわる不祥事が永久に絶えることはないだろう。

検察審査員諸君、あなたの活躍の舞台ができた。せっかくの機会だ。このたびは、あなたが法であり、正義となる。政治の浄化のために、民主主義のために、勇躍して主権者の任務を果たしていただきたい。
(2016年6月3日)

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[芳ちゃんのブログ]ギリシャの降伏 - 新たな戦争の手段としての国際金融

 先月下旬、ギリシャはIMFやユーロ圏から103億ユーロの融資を受けることになり、それに伴い、一般庶民の生活は年金の支払いが一部カットや新たな課税が導入され、"非常に過酷な緊縮財政"に見舞われることになるようです。こうした動きについてマイケル・ハドソン教授がとても分かりやすい見解を述べています。
 IMF・ユーロ圏は融資との引き換えに、緊縮財政をしき、"ギリシャが達成する所得の伸びをすべて吸い取ってしまう"程の金利を25年も課し、ギリシャの"経済は年率で1%、2%あるいは3%も委縮"させ、二進も三進もいかなくなったころに、その出口としてギリシャの"港湾や土地、公共の上下水道施設、空港、等、所有している物は何でも"売却させることを目論んでいるようです。
 マイケル・ハドソン教授は"国際金融を新たな戦争の手段として用いている"と指摘しています。経済崩壊後の新しい金融システムでは、こうしたことがなくなることを望みます。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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ギリシャの降伏 - 新たな戦争の手段としての国際金融
転載元)
(前略) 

ギリシャ危機に関してはギリシャ、IMF、ユーログループとの間での交渉によって突破口が開かれたと報じられている。5月25日にロイターが報道 [注1] した内容の一部を参照すると、下記のような具合だ(斜体で示す):

債務の減免に関してユーロ圏はギリシャに対して今までには見られなかったようなもっとも確固とした提案を行った。

(中略) 

ユーロ圏の蔵相らは、(中略)… アレクシス・ツィプラス首相が率いる左翼系連立内閣によって推進される苦痛を伴う財政改革を評価して、ギリシャに対して103憶ユーロ(80憶ポンド)の新たな救済策を講じることに承認を与えた。

しかし、話を先へ進めるさまざまなステップの中でもより大きなステップとなるのは次の策だ。つまり、合意された支払い基準を満たすために救済が必要となった場合には、ユーロ圏はギリシャ政府に対する債務の減免に関する提案を2018年に示すことに同意したのである。これがギリシャを救済する資金提供を行うにあたってはIMFが再び参画することに関する合意を取り付ける鍵となった。

(中略) 

IMFは、ギリシャの公共財政を持続可能とするためにはヨーロッパ各国が自ら打撃を受け止めて、アテネ政府の債務の一部を削減するべきだと長い間主張していた。ドイツや他の国々はこれに反対し、何ヶ月にもわたってIMFとの口論が続き、この交渉の間、ギリシャはあたかも観覧席に居るかのような有様であった。

(中略) 

こうして、ギリシャ危機については当面の決着がついた模様である。この話し合いの結果、ギリシャは当面103億ユーロの融資を受けることになった。

(中略) 

今後、2018年にどのような判断が必要となるのかが関心の的となりそうだ。

しかし、この決着によって非常に過酷な緊縮財政に見舞われる一般庶民の生活はさらに大きな痛みに直面することになる。年金の支払いが一部カットされることや新たな課税が導入されることがこの5月にギリシャ議会を僅差で通過したのだ。この新法案の詳細を見てみよう(注2)(斜体で示す):

この新法によると、2,000ユーロおよび3,000ユーロを超す年金はカットされ、企業年金基金は暫時排除するとしている。

免税となる所得限度額は9,100ユーロから8,600ユーロに引き下げる。加えて、7月1日から消費税率を13パーセントから14パーセントに引き上げる。これらの措置は諸々の製品やサービスのコストを増加させるものと見られる。6月1日から、タバコ、ガソリンやディーゼル燃料、ならびに、天然ガス、等の物品税や消費税も増税となる。

2017年1月1日には、コーヒー、電子タバコ、2個以上のスターにランクされるホテルでの旅行者の宿泊も初めて課税の対象となる。

インターネットでのブロードバンド接続には5パーセントの課税、有料テレビには10パーセントの課税が今年7月1日に開始される。

投資物件にも課税され、これには不動産会社や資産運用管理会社も含まれる。財産税(ENFIA)の徴収が新法によって拡張される。 

政府支出、特に国防費や公営企業に対する費用は今年の6月には減額される。

中小企業に対する課税は年間所得が50,000ユーロまでの場合は26パーセントから29パーセントに引き上げられる。50,000ユーロ以上の所得に対しては33パーセントが課税される。

ギリシャ政府による増税策は以上のような具合だ。
2011年に強化された財産税(ENFIA)は今までのところ立派な成績をあげていると報じられている。この実績に基づいて、政府としては徴収の対象をさらに拡大したいようだ。

しかしながら、緊縮財政政策の影響を受けて経済が疲弊し、失業率が高まると、今後もこの成績が続くとは限らないとも指摘されている。ギリシャの返済能力は減少の一途を辿るのではないだろうか。

ここで、ギリシャ危機を巡るIMFやユーログループの最近の動きについてマイケル・ハドソン教授の見解 [注3] を確認してみたいと思う。

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[MidoriJournal]『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』刊行記念対談 矢部宏治×孫崎享 〜日米指揮権密約の暴露〜【文字起こし・後半】

竹下氏からの情報提供です。
 前編の続きです。
 米軍が自衛隊を自由に指揮できる指揮権密約は、条約や協定からも明らかのようです。旧安保条約の原案となったマグルーダー原案というものがあり、これが現実になりつつあり、指揮権に関して以下のように書かれています。

 『①「この協定〔=旧安保条約〕が有効なあいだは、日本政府は陸軍・海軍・空軍は創設しない。ただし(略)、アメリカ政府の決定に、完全に従属する軍隊を創設する場合は例外とする」』

『②「戦争の脅威が生じたと米軍司令部が判断したときは、日本のすべての軍隊は、アメリカ政府によって任命された最高司令官の指揮のもとにおかれる」(→吉田の口頭密約)』 

『③「日本軍が創設された場合(略)日本国外で戦闘行動をおこなうことはできない。ただし、前記の〔アメリカ政府が任命した〕最高司令官の指揮による場合はその例外とする」』 

 "アメリカ政府の決定に、完全に従属する軍隊"を"アメリカ政府によって任命された最高司令官"が指揮することになるようですが、この最高司令官になるために「日本国憲法を蹂躙し、せっせと国富を投げ売りする我が国のトップがいる」とカレイドスコープ様の記事では指摘されています。
(編集長)

注)以下、文中の赤字・太字はシャンティ・フーラによるものです。

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『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』刊行記念対談 矢部宏治・孫崎享
配信元)

16:28

なんで日本だけがこんなことになっているのかというと、それは一言で言うと朝鮮戦争だったんです。

 朝鮮戦争(1950年 - 1953年)

朝鮮戦争(1950年 - 1953年)



朝鮮戦争というのは、皆さん知識がない忘れられた戦争と言われているんですけど、これは本当に戦後世界の行末を決めた大戦争で、しかもアメリカは最初徹底的に負けるわけですね。徹底的に負けて、これは有名な話ですけど、釜山の一角に閉じ込められると。でもばんばん日本から補給が来てるから、負けずに盛り返していったということなんですけど、結局この時の朝鮮戦争における米軍に対する戦争支援ですね。それをするという法的な関係がそのまま継続されたと。そしてそれが未だに続いているという信じられないことなんですけど、これは全部条文なので疑いようのない事実です。

その時どういう戦争協議がされたかというと、大きく2つありまして。先生、その時海上保安庁が掃海艇を出して戦死者が出たという話はご存知でしょう。

この時にここまで追いつめられてマッカーサーが仁川上陸作戦というのをやるんですけど、この時に反対側の東岸から上陸して挟み撃ちにするという作戦があったんですね。

その時に日本の掃海艇を出してくれという話があって、出すわけです。そしたら機雷にひっかかって爆死するんですけど、戦争中において機雷の掃海をするというのは完全にこれはもう、参戦ですよね。完全に参戦して戦死者も出してるわけです。

もう一つは、先生の『戦後史の正体』でもあるように、その時に警察予備隊というのができるわけですけど、警察予備隊というのは何か。7万5千人できるわけですけど何かというと、要するに日本に居た米軍が全部朝鮮に行ってしまうわけですよね。そうすると基地を守る人間が誰もいないから、朝鮮に行った米軍の代わりに7万5千人の警察予備隊をそこに入れたわけです。ですからアメリカの軍隊の代わりになった。

 大久保武雄著『海鳴りの日々』(海洋問題研究会)

右)大久保武雄著『海鳴りの日々』(海洋問題研究会)
左)フランク・コワルスキー『日本再軍備』(サイマル出版会)


この本はその時の海上保安庁の初代長官の大久保武雄さんという人が書いた、『海鳴りの日々』という本で、これは日本の警察予備隊、今の自衛隊を事実上作ったフランク・コワルスキーというアメリカの大佐が書いた『日本再軍備』という本で、非常に貴重な証言があるんですけど、この時に完全に憲法破壊が行われている。完全に参戦してるわけですね。

それと平行して日本の平和条約が結ばれるわけですけど、平和条約を結んだ後もそういう戦争協力は継続するという条約が結ばれるわけです。それが、吉田・アチソン交換公文という条文が結ばれるわけです。

先に言いますけど、今まで戦後再発見草書でいろいろやってきた。これは占領体制の継続だということで、ほぼそれは皆さんに認知していただいたと思うんですけど、実態はもっと悪いんです。

スクリーンショット 2016-05-29 15.48.15 

占領体制の継続ではなくて、占領下の戦時体制の継続なんです。ですからこの横田空域なんかも、何でこんなものがあるかというと、要するに米軍は日本にある基地にアクセスする絶対的な権利を持っているんです。軍事行動をするための。

ですからこれ(横田空域)は首都圏だけではなくて、軍事基地があるところには必ずこういうふうになっている。軍事行動作戦をするための法的権利を持っている。それは何故かというと、占領下の戦時体制の継続なんです。

ですから我々が思っているよりももっと状況は悪かったんです。その中で軍の指揮権を他国に取られたら疑いようもなく属国ですよね。基地を貸している場合は損得があって、駐留経費を払ってもし守ってもらってるんならいいじゃないかということもできますけど、軍の指揮権を持たれてるということは、これはどういう言い訳もできませんから、しかもそれが条文と協定の組み合わせとして明らかなことですから。

これはそのままでいいじゃないかということはできないと思います。この知識がだんだん広がっていけば。ですから今度指揮権という問題の歴史的経緯と構造を研究してかなり証明したと思っていますけど、そのことで今までのような出口のないような思いではなくて、これはいつかは日本人はこれを解決できるのではないかという気になりました。

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