娘からオーストラリアのお産事情を聞いてみました
多民族国家なので妊娠がわかった時に最初に聞かれたのは「通訳はいりますか?」という事だったそうです。娘の場合は必要ありませんでしたが、
その費用も含めて健診や産後の入院費、家庭訪問、赤ちゃん健診、子育て支援など全て無料だそうです。有料のプライベートの産婦人科もありますが、医療内容はあまり変わらないという事で、
娘夫婦は近くの公立病院でお産することを決めました。
健診は助産師が中心で、初めから産むまで顔見知りの助産師さんがチームを組んで関わってくれるそうです。助産師と産科医の連携は取れているのですが、
娘の場合は妊娠に問題がなかったので産科医の診察は1回だけだったようです。
エコー検査も2回だけ。専門の技師がしてくれるとのことです。その際
赤ちゃんの性別は希望すれば教えてもらえますが、娘たちは必要ないと判断して教えてもらいませんでした。(
私は男の子だと思っていましたが・・・)
家族は赤ちゃんの服をプレゼントするためにも教えてくれた方が便利だと思ったのですが
「性別に関係なく新生児の服は何でもいいし、色なんて男女で分けるものじゃないよ」「フリフリの服は新生児には必要ないし」
と言われてハタと納得しました。そういえば
この娘は小さい頃からランドセルや上靴の色は青がいいと言い張った子です。私は世間の感覚で赤を買ってしまって申し訳なかったと思いました。
そして、
妊娠30週過ぎたらマタニティクラスがあるそうです。夫婦参加なので夜のクラスです。その時、
お産までの流れの説明があって「この病院では赤ちゃんとお母さん中心のお産をします。お産のスタイルは当事者が産みやすい方法を選べるように
分娩室は広くて、バスタブ、お産用のリクライニングシート、普通の分娩台、ソファなどが置かれています。分娩室の照明は赤ちゃんのために暗くします。
麻酔や促進剤は基本、使いません。会陰切開も帝王切開も希望されても必要な時だけしかしません」と言われたそうです。
娘は、子どもの時に目にしたお産が印象的で(万華鏡で書いた記事)、水中分娩を希望していたそうですが・・・
さて、期が満ちて私が飛行機で娘の所に向かっているその日の夜、
パパの帰りを待っていたかのようなタイミングでお産が始まりました。
初産なのに生まれ出るまであまり時間がなかったようです。
助産師さんが「まだまだ時間がかかる」と言っている間に大きな赤ちゃんが一気に出てきて、分娩用バスタブにお湯を溜める時間もなかったそうです。
4150gという
予想外に大きな赤ちゃんで、会陰切開もやむを得なかったとのこと。そして、
生まれてすぐに赤ちゃんはへその緒も胎脂も血もついたまま娘の裸の胸に抱かれ、そのままの状態で臍帯を切り、おっぱいをくわえさせたりしながら1時間以上過ごしたそうです。
あい∞ん(挿絵)
これをカンガルーケアと言いますが、世界中で推奨され始めた矢先に、赤ちゃんの温度管理に問題があって事故が起こった事を理由に、すぐに赤ちゃんを別室に連れて管理するケースが増えたようです。・・・が、
赤ちゃんとママが肌を触れ合って温め合い、お互いに匂いや声を感じ合う事は何より大切なスタートだと思います。
親子で抱き合っている間に胎盤などの処置が行われるのですが、娘の場合は胎盤も大きくて出血が多かったので周りがバタバタする場面もあったとか。でも、
娘は赤ちゃんをしっかり抱きながら赤ちゃんと2人だけの世界に浸っていたそうです。
パパはその全てを見ていたのでハラハラしたとのことでした(笑)。もちろん
処置の時も部屋は自然光のまま、必要な部分だけ照明が当てられていたそうです。
その後、
赤ちゃんのチェックがあって、母子同室で過ごします。日本のような新生児だけが集められた観察室はありません。
娘もパパもお産の続きで一睡もしないで朝を迎えました。
赤ちゃんを抱きながら親子3人でまどろんでいる時に私が病室の部屋をノックしたというわけです。
Writer
かんなまま
男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。
趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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