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ー通過儀礼ー リース詐欺の体験 〜第1幕 事件の概要〜

seiryuu氏の新連載です。
 2005年3月中旬の夕刻、その日まだまだ冬の寒さで珍しく風邪気味だった私は神戸で途中下車し、行き着けの店に向かいました。注文したニララーメンをすすりながら自分の背中が丸まっているのを感じていました。自分の中からエネルギーが抜け体がしぼんできているのを感じていたのです。その日は大阪の弁護士事務所で今後の方針について話し合いをした帰り道でした。
 その頃私は電話機リース詐欺に引っかかりその善処のために弁護士事務所で相談していたのです。電話機リース詐欺、これに一度ならず2度3度と引っかかり一時の最悪時には総額税込みで427万円を払いこまなければならないところにまで追いやられていました。この事件の簡単な(といっても三回なので長いですが)概要を、当時悪徳商法関連の某掲示板に投稿した記事にて。
(seiryuu)
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ー通過儀礼ー リース詐欺の体験 〜第1幕 事件の概要〜

pixabay[CC0]



2005年2月末の某悪徳商法系掲示板への私の投稿記事内容

(一部削除と付け足しをしています)

 電話機リースに関する投稿が多くなされていますが、私も3度にわたって電話機リースの契約を結ぶことになり、総額税込みで427万円を払いこまなければならないところに追いやられています。
私は兵庫県で寺の住職をしているものです。・・・宗教法人としての契約を結ばされたものです。



【相手業者と契約内容】
1件目

・業者  株式会社ス◯◯ム(現在の社名は(株)オフィス◯◯)

・契約日 2002年3月12日(契約はあくまでもリース会社の主張)


(契約内容)

・物件 田村電機製 主装置1台、普通電話機3台 コードレス2台

・金額 月額16200円(税抜き)

・期間 84ヶ月

・リース契約会社 NTTリース株式会社(現在はNTTファイナンス)


2件目

・業者  トラストコミュニケーションズ株式会社(注:現在は存在しない)

・契約日 2004年9月7日(契約はあくまでもリース会社の主張)

(契約内容)

・物件 SAXA製ASTRAL std主装置1台 普通電話機3台 コードレス2台
・金額 月額29200円(税抜き)

・期間 84ヶ月
・リース契約会社 NTTリース株式会社(現在はNTTファイナンス)


3件目
・業者  株式会社日本システムライン(注:現在は存在しない)

・契約日 2005年1月末(後に書類不備にて契約不成立が判明)


(契約内容)

・物件 NTT製αGX主装置1台 普通電話機3台 コードレス2台

・金額 月額43200円(税抜き)

・期間 84ヶ月
・リース契約会社 三井住友銀リース株式会社
 

【概要】
 

1件目(業者に応対し契約を結んでしまったのは同居する妹) 


2002年3月11日、(株)ス◯◯ムのO庭という男が突然訪問してきてバッジ等を示しNTTの業者であるとかたり「このあたりの担当業者で、デジタル回線化しなければならない。お宅だけがまだである。遅れれば周囲にも迷惑がかかる。今なら工事代金はサービス期間であるから本日中に契約してもらいたい。」とせまる。

周囲に迷惑がかかるといけないからと同意の意を示すと、「この電話機はデジタルに対応できない、また故障すると修理代が高額になる。」とリース契約を結ばせられる。その後工事終了後「この契約を途中解約すると百数十万円の違約金が生ずるので解約できない。」と告げられる。2週間後ぐらいにこの契約書を見た私は、金額ややり口から何となく悪徳業者にひっかかったようには感じたが、多額の違約金のことを思い我慢することにしてしまいました。



2件目(この時も主に業者に応対したのは同居する妹) 

2004年9月6日「すぐに済む簡単な電話機の点検」を口実に、トラストコミュニケーションズ(株)のY口新介が訪問してきた。電話機の主装置を点検し、「光ファイバーが通じて、通信のいろんなサービスが受けられるようになる。どの家庭でも遅かれ早かれ必ずその工事をせねばならいが、今なら無料で行います。IP電話を使えば通信費は安くなります。リース料金はほとんど変わりません。」との説明にすっかり業者を信用した妹は一部の契約関係の書類に署名。

 多忙で席をはずしていた私、「前の契約で多額の解約金が発生するはずだが」、「大丈夫です。ちゃんと処理しておきます。」「月々のリース料の払いもしんどい」、「それでは前の契約もありますのでリース料金は変わりませんが通信費全体としては安くなるシステムにしましょう。」。「本当に多少は安くなるんだな。」私の念押しに「はい」との業者の言葉。それで契約書に捺印してしまいました。前の契約がそのまま善良な業者に移行しサービスの付加がされると思ってしまったのです。

 そして実は電話機を皆取り替えるとの説明も聞いていなかったので、工事で電話機を取り替えられて唖然ともしました。ただ月々のリース料金の銀行引き落としは確認していなかったのです。





3件目
 

2005年1月中旬「NTTのものです。お宅は規格外の主装置を設置しているので点検しなければいけません。」このようにして(株)日本システムラインのS秀作ともう一人の青年が訪問してくる。NTTのバッジや写真つきの証明書等を示しNTTそのものとも思わされたところで「今の契約内容は、月々3万円程度が後6年半、次は4万3千円程度が7年、更には5万数千円で再リースという契約内容になっています。いつまでたってもリースはリース、所有物にならず終わらないのです。そこで提案です。今月々払っている3万円は当社がかぶります。住職には次にかかってくる43200円を当社に払ってください。それで電話機は住職の所有物になります。リースが終了するのです。」と業者。

 前の業者に騙されていたことを知り、リース地獄の脅迫観念に襲われそこから脱却するにはNTTの弁に従うしかないと思い込まされ「それでいこう」と言ってしまいました。

 その日のうちに工事設置確認書に署名捺印(これはシャチハタ)施工。そして1月末、余りにも高額なので疑問をもちながらも電話機リースの契約書に捺印してしまいました。しかし、すぐに業者の虚偽説明に気づき担当者に抗議しました。ただ法人としての契約にはクーリングオフが出来ないことを知り愕然としました。



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かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(11)独立要求

かんなままさんの執筆記事第11弾です。 
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独立要求
独立の要求を満たすためにも、子どもを好きなように遊ばせてください。遊ぶことは子どものエネルギーを発散させるために非常に重要です。
これを押さえつけると、子どもが余計に騒ぐようになります。
遊びたいエネルギーが鬱滞すると内向状態になります。弱い子をいじめる、虫を殺す、というように陰鬱になります。また、親に対してすぐに反抗する子どもになっていきます。

出典:「ぴ・よ・こ・と」竹下雅敏(著)


子どもは好奇心の塊です。衝動にも似た、湧き出るエネルギーのままチャレンジして、失敗して、又チャレンジして、達成感を味わい、独立要求を満たしていくのです。かつては子どもの生活空間に自由に遊べる場があり、時間も、仲間も、見守る地域の目もあったので、子ども達は生活の全てを遊びとして、エネルギーを発散させ、自立、成長していけたのです。


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でも、こんな遊びは、当たり前すぎて、その重要性が認識されていませんでした。そして、経済成長とともに、子どもの生育環境が変わってしまいました。自然の中で自由に遊ぶ場所が激減して、公園も、学校の校庭でさえ自由に遊べなくなりました。住環境もしかり。子どもの声、足音が迷惑とされ、親は子ども達が家で騒がないように気を使います。

さらに、メディアが子どもの生活に入ってきてからは遊びの質も変わりました。身・心・気をフルに連動させてまるごと体験して遊んでいたものがプログラムされた表面的な刺激、反応だけの遊びに取り込まれてしまったのです。これでは生理的に湧き上がるエネルギーも、自発のやる気も鬱滞して、独立要求も満たされません。逆に、満たされないエネルギーが陰欝、反抗、キレる原因になってしまいます。


満たされない子供達の愛情要求と独立要求


追い打ちをかけるように、子どもの教育費を稼ぐためにママ達は早くから仕事に復帰して忙しく、子どもの愛情要求を満たすことができません。子ども達は1歳未満からの集団生活で相当我慢しています。言葉にならないストレスがママの顔を見たら噴出して来ます。無理難題な事を言って、暴れて、忙しいママを困らせます。又、怒られます。・・・子どもの叫びが聞こえてきそうです。


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その上、幼稚園、放課後に英会話、お絵かき、水泳、バレエ、スポーツ教室、ピアノと、おけいこ事が人気です。
親は子どもの才能を伸ばすことがいいことだと勘違いをしています。
「子どもがピアノを習いたい」と言うのはご用心。自由に弾きたいだけです。習い始めたら一番満たしたかった自由な表現が奪われます。やめると言うと、努力が足りないと叱られます。本来は自分がしたいから頑張れるものなのに、させられてもっと嫌いになります。でも、ママから嫌われたくないから頑張ります。これも相当ストレスが溜まります。

これらの問題は深刻で、親の責任というより、子育てのまなざしを忘れた社会の責任です。
ある意味、親は子どもの幸せのために、孤立しながらも一生懸命頑張っています。でも、子どもの成長に欠かせない「自分が主役、自発、自由」がすっぽり抜け落ちているのです。

どうぞ、惑わされないでください!目の前の子どもの姿に気づいてください。元気ですか?波動は高いですか?満ちてますか?それがいちばん重要な事です。

前回、孫がイライラすることを書きました。独立要求で、自分との葛藤でもあると書きましたが、今の子ども達のエネルギーの鬱滞はそれだけでは解決できないくらい深刻です。自分を発揮できずにキレる子があまりにも多すぎます。(孫達にはゲーム機もスマホもさせていません)

子どもの姿をよく見て、気づいてください。
異常な甘えや怒りの状態が続いていたらSOSです。問題を持ち越せば年齢が上がるほど、もっと深刻になるのを見てきました。何を大事に子育てするのか、どうぞ夫婦で話し合ってください。


そして、子どもの遊びをもっと見直す必要があります。

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【第2回】きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性①整腸作用(前半)

 第二弾を書きました。整腸作用について興味があればご覧ください。前半後半の二回に分けて寄稿いたします。
(地球に優しい方の微生物学者)
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きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜 乳酸菌の機能性①整腸作用(前半)

Bifidobacterium adolescentis
Author: Y-tambe



【乳酸菌の機能性】


 まず乳酸菌の凄さを知ってもらうために、機能性を列挙してみました。

・整腸作用
・免疫賦活作用(免疫機能の活性化)
・病原菌やウィルスの感染予防作用
・ダイエット効果
・抗酸化作用
・抗炎症作用
・抗がん作用
・抗アレルギー作用(花粉症、アレルギー性皮膚炎など)
・血中コレステロールの低減作用
・腸管バリア機能の改善効果
・皮膚機能改善効果(乾燥性皮膚炎の改善や美肌効果)
・歯周病等の予防効果
・放射線防護効果
・デトックス効果

 物凄く多いことに驚かれると思います。実際、専門家である私も「本当かな?」と思うぐらい乳酸菌は様々な機能性を有しており、大変「みりょこてき」な菌です。ここに挙げたのは代表的なものであり、まだ、この他にも色々と報告されています。但し、人も個人個人で能力が違うように菌も株(人で言うと個人に相当)ごとに能力が違います。ですので、上記の機能性は全ての乳酸菌が有しているわけではありませんので、その点はご留意下さい。

 これから乳酸菌の機能性についてピックアップして書いていきたいと思いますが、今回は整腸作用についてです。


pixabay[CC0]



【整腸作用】


 整腸作用とは何を指すのでしょうか?明確な定義があるのかは分かりませんが、この記事では「腸内菌叢のバランスを理想的な状態に整える作用」という意味で使いたいと思います。では、理想的な腸内菌叢のバランスとはどういったものなのでしょうか?

 腸内菌叢は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に便宜的に分けることができます。人に良い働きをする菌を善玉菌、悪影響を与える菌を悪玉菌、どっち付かずの善にも悪にもなるのが日和見菌です。日和見菌は少し分かりにくいかもしれませんが、「ドラ○もん」に例えると、「の○太」を主人公補正で一応善玉菌とし、「ジャイ○ン」を悪玉菌としたとき、「の○太とだけ遊んでいる時はわりと仲良くしているのに、ジャイ○ンが来た途端、ジャイ○ンと共にの○太をイジメ始めるス○夫」みたいな存在です。別の例えをすると、アメリカ様抜きだとまともに行動できるはずなのに、アメリカ様にビビって弱い者いじめを始める日本みたいな菌です(ちょっと違うか。笑)。乳酸菌やビフィズス菌が代表的な善玉菌ですが、理想的な腸内菌叢のバランスとは善玉菌が悪玉菌より少し多い状態です。その大きな指標となるのは「快便」か否かです。

【うんこをチェックしよう!】


皆さん、毎日のお通じはいかがでしょうか?

「うんこ=汚い」というイメージから「私便秘なんだよねぇ」と平気で言う女性がいます(「私はうんこなんかしない」と暗に訴えたい?)。私は「あぁ、この子は、腸内腐敗が進んでいて毒素をいっぱい取り込んでるんだな。おならも臭くて、肌も汚いのかな。」と思ってしまいます(冗談です。でもそういう予測はできます。)。

健康において、快便であることは皆さんが考えている以上に重要です。便秘の女性はしっかり対策をして「私、快便なんだよね」と自慢する女性であってください(そんな人がいたら私はちょっと引きますが、その分ちょっと好きになります。笑)。男は健康のために、否、臭いおならを周囲に撒き散らさないように頑張って快便を目指しましょう(笑)。

まずは、下記の項目をチェックしてみて下さい。

《チェック項目》
・便秘/下痢気味だ
・ヨーグルトや漬物などの発酵食品は嫌いだ
・野菜嫌いだ
・肉食系男子/女子だ(肉ばかり食べている)
・おならが兵器として使えるぐらい臭い
・口臭、体臭がきつい
・肌荒れがあり、よく吹き出物ができる
・アレルギー体質

 これらに多く当てはまるほど、腸内腐敗が進んでいる可能性が高いと言えます。つまり、悪玉菌が増えて、善玉菌が減っている状態です。臭いおならの元は悪玉菌が出した腐敗物質ですから、おならが臭い人も要注意です。野菜や前回リストに示したような乳酸菌を多く含む発酵食品を摂ることをお勧めします。また、肉食は劇的に腸内腐敗をもたらしますので程々にするのが無難です。

イラストAC



 うんこの状態を評価する上で、「ブリストルスケール」というものもありますので、自分のうんこが正常かどうかの指標にしてみて下さい。次回は、整腸作用の後半として、何故快便が重要なのかを書きたいと思います。

Writer

地球に優しい方の微生物学者

主に自然科学関連の記事へのコメントと「きっと役立つ乳酸菌学 〜メリーベのために〜」という記事を寄稿しています(滞りがちでスミマセン)。大学で微生物(乳酸菌)の機能性研究を行っています。最新の知見もご紹介しながら、魅惑の菌ワールドに皆さんをお連れしたいと思います。

何故か「う○こ」担当みたいになっていますが、非常に不本意です(※)!!専門は乳酸菌ですので、汚くないスマートな記事をお届け致します。できるだけ専門用語は避け、解説をしながら分かりやすくお伝えできるように頑張ります。
※私は8種体癖です(笑)


青年会議所の広報委員長だった私が振り返る21世紀初頭
〜2001年 特集記事『 道しるべを探して…』12月号を題材に〜

 この12月号が最終回です。約16年前に記した特集記事を題材にして計10回にも渡った「道しるべを探して・・・」シリーズにお付き合い頂きましてありがとうございます。
 「植物が大きくなることは【生長する】と書きます。動物そして人間が大きくなるのは【成長する】と書きます。なぜか?動物もですが、特に人間は人間に【成る】からです。育ててもらい経験して努力して【人間に成る】のです。だから【成長】と書きます。」。幼い頃このように教えてもらったことが耳に残っており、これが特集記事を作成していく上でのベースの一つにありました。それでこのことを最終回本文に記したのでした。
 今回でこのシリーズは最終で、次に異なったテーマでの連載シリーズを掲載して戴ける予定です。またお付き合い頂けたら幸いです。今回のシリーズは一言で言えば「思想」でした。次回のシリーズは実際に私が経験した「体験」です。そしてそれはいみじくも今回の本文の最終文「自らの責任における選択によって、自己自身を・・・創造していくことが何よりも大切であると考えます。」との一言が、単なる「言葉だけ」か「ほんまもの」つまり「体現するのか」を問われる体験でもあったように感じています。                          
(seiryuu)
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pixabay[CC0]



特集記事 「道しるべを探して・・・4」 12月号

 例えば町おこしをするため、ひとつのある町の情景に、政治家、事業家、芸術家、または教育者といった人達が相対したとします。彼らの相対する対象は同じひとつのものですが、その対象に対して目を向ける部分、受け取る印象、またはその町の表現といったものは、それぞれ異なってくるはずです。その異なった違いに正邪や優劣はなく、むしろ違いがあってしかるべきです。その違いこそが、個性もしくは主体性と表現されるものです。そして、それらの個性、主体性が互いにかみ合ってこそ、皆が共有できる新たな町や価値が生み出されます。


夢と創造
 

 本年度(社)○○青年会議所は、「永続可能な地球(ほし)づくり」を・・・テーマに、各事業を展開してまいりました。そして、そのキーワードとしたのが、「夢」の一文字でした。(中略)
 夢は私達が生きていくための、原動力となるものでもあり、それは各人の想像力によって描かれ、外部的な環境のみならず、自己自身も形成していく力ともなります。想像力は同時に創造力でもあります。そしてこの想像力を生み出すもとになるのが、感性に他なりません。

 そういった意味において、感性ほど大切で貴重なものはなく、同時に人間的で正常な感性を失う恐ろしさも他にありません。恥ずかしさや痛みを感じなければ、どのような卑劣で残虐な行為を犯したところで平気であり、平気である以上その行為の連続から抜け出すことも出来ないからです。

 一人の人間として自立していけるよう、個人としての感性を育んでいくこと、そして、人と人の間に生きているものとして、互いに響き合える、共感という感性を磨いていくことが、人間が人間らしく生きていくために、欠かすことのできないものだと考えます。

ひとに成るということ
  

 私達は胎内にいるとき、単体細胞から哺乳類までの、地球上での生物の進化の歴史を全て通過経験して、人として誕生してくると聞いています。人は地球上最も進化し高い能力を備えた生物として誕生してくるわけです。ただし、能力の優れた進化した生物といった意味だけでは、・・・動物の一種のヒトであるに過ぎないのではないでしょうか。

 「人間の尊厳性」といった言葉がありますが、人はその行為、人間らしい行為によって人間に成っていく存在であると捉えます。そこに尊厳性が付与されるのです。

 逆にいえば、人は誕生した以上ヒトではあっても、その行為において非人間化していく危うさも秘めた存在であるということでもあります。こういった意味を踏まえて、この特集の4月号にて、次のような投げかけをさせていただきました。


 「森に住んでいた猿の群れの中で、・・・地上に降り立っていったグループ・・・それがヒトへと進化していったと言われている。しかし、行動力と好奇心だけで人間へと成れたのではない。・・・自らの存在の痛みを感得し、仲間の死を悼み、おのずから花を手向けざるを得ない心が働いた時、そのグループは人間と称されるべき存在へとなった。それが私達の祖である。」


今を生きていくということ 
 

 本年1月より開始したこの特集では、「人間が真に人間らしく生きられる道」を問い、その道しるべを模索する試みをしてまいり、和の精神、生命重視循環システムへの転換の投げかけをさせていただきました。この間にも凄惨な事件は後を絶たず、世界は混迷から動乱の時代に入ってきたようです。

 しかし、こういった時代性だからこそ、一人一人が自らの感性を逞しく育み磨き、いたずらに世情に振り回されるだけでなく、自他共に生きられる道を、自らの責任によって、選択していくことが必要なのだと思います。

 年間数万人の自殺者が出、数々の病理現象が現れている日本の現在ですが、自らの心を澄ませて行けば、この私達の生きている世界は、そう悪く捨てたものではありません。(中略)
 自らの責任における選択によって、自己自身を、新たな21世紀を形成創造していくことが何よりも大切であると考えます。・・・

 1年間のご愛読ありがとうございました。・・・ご協力いただいた皆様に改めてお礼を申し上げます。


2001年秋冬


 暗中模索で始まった特集記事「道しるべを探して・・・」作成から約1年が経過していました。911テロを口実に米国は早々にアフガニスタン軍事攻撃を実行に移していました。日本もそれに伴って「テロ特措法」を成立させ、ついに自衛隊を海外に展開させていきます。これに大きな役割を果たしたのが安倍氏のデマリークであったろうことは既に記しました。

またこの年の晩秋にこのようなニュースも駆け回りました。「NTT構造改革、十万人削減、新たに地域ごとに設立する業務委託会社に移管。」「51歳以上のNTT社員は本人の同意を得て一旦雇用関係を切り、地域子会社で賃金水準を15~30%カットして再雇用。50歳以下の社員については現行のまま出向させる。」。

 当時は「えっ?」と思いながらも聞き流していたニュースでした。そしてその時は全く想像もしていませんでしたが、しかし今となってはっきりと分かることがあります。このNTTの構造改革、大量リストラの姿勢が時をそうおかずして私に対しても大きな影響を与えていったことです。


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かんなままの「ぴ・よ・こ・とライフ」(10)期待をしない

かんなままさんの執筆記事第10弾です。 
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期待をしない
親子関係や夫婦関係のような非常に近い関係の中でしか、心は磨けません。その関係の中で心が磨かれてネガティブなものが除去されていくことが、成長している証です。

お互いを批判、あるいは非難することが無いということ。これは、相手に対して期待をしていないという事なのです。相手に期待をしていないと、非難することはありません。

出典:「ぴ・よ・こ・と2」竹下雅敏(著)


この世の中は期待だらけ!不満が先か期待が先か・・・本当に厄介なものだと思います。
みんな自己中心の思い込みの世界で生きているので、自分の価値観を相手に押し付けては、当たり前のように裏切られて、落ち込み、怒り・・・と関係が悪化してしまいます。


見事に裏切られた私の期待


さて、専業主婦の私は「夫婦円満」「健やかな子どもの成長」が目標でした。躾も、教育も、家事をするのも家族のため。すべて良かれと思って頑張ってきました。でも、この立派な目標を叶える手段が間違っていました。

私には子育ては二人でするものという夢がありましたので、日常の些細な出来事を話したり、不安を分かち合って一緒に考えてほしいという期待を持っていました。例えば4人の子育てや姑の事で悩み「話を聞いて」「家族で出かけたい」と泣きながら言っても「俺は仕事している。休日くらいは自由にしたい。お前も好きにしたらいい。仕事の愚痴は言わないから、お前も言うな」とひと言!そして、話を聞いてくれるどころか平日は仕事に没頭、休日はゴルフとエネルギッシュに我が人生の最盛期を謳歌していました。夫にとって働くこと事態が家族を養うためだったのでしょう。

全くわかってない!これは愚痴ではない!2人で家庭を築きたいだけなのにと、当然、私の不満は募っていきました。でも、お互いが自己主張していても事態はよくなりません。相手を変えるどころか、期待すればするほど夫は離れていきました。悪循環で、私は不満いっぱいの顔をして、言葉に棘があったと思います。


子育てへの悪影響


怒りを我慢して子育てしても、ちっとも楽しくありません。子どもは気配を察して私の気を引こうとします。こぼす、汚す、駄々をこねる・・・子どもにとっては当たり前の事ですが、私の仕事が増えることにイラッとします。叱言が増え、愛のない期待を押し付けて、できないことを怒ります。ふと、鏡を見たら鬼のような顔をしていました。


pixabay[CC0]



ショックでした。私はかわいい子どもに毎日、こんな顔で接していたのかと思うと
心底、自分が情けなくなりました。
子どもは愛情を求めているだけ。何も落ち度がないのに。

もう、こんな生活やめよう!と思いました。やっと授かった子ども達。今、私にできることだけをしようと思ったら、何だか気が楽になりました。

私は自分の期待が叶わないことで、まわりにネガティブな波動をまき散らして自己嫌悪に陥り、自分自身をも傷つけていたのです。期待することをやめたことで一番救われたのは私自身でした。


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期待を捨てていく中で見えてきたもの


視点を変えて、子どもを見たら、その発想や行動が面白くて、新しい喜びが生まれました。そこには自分の世界観で支配するよりずっとスケールの大きい感動がありました。子どもと一緒に絵本の世界で遊び、子どもの発想から科学の面白さを知りました。星を見たり、散歩に行って雑草を摘んだり・・・。
知らないうちに、夫への期待も減っていきました。

そんな時、竹下先生の講座で「地図を読めない女、話を聞かない男」という本に出会いました。笑ってしまいました!まさに我が家の事が書いてあったのです。

それで、私の気持ちを客観的にわかってもらおうと、夫に「本を読んでみて」と勧めました。面白そうに読んでいたので、しめしめ、これで私の気持ちを理解してくれると期待したら、重要な個所に線が引いてありました。何と、夫は私の言いたいところには無関心で、自分の言いたいところに線を引いていたのです!

何という事でしょう!男と女の違いに改めて納得しました(笑)

それにしても、家庭を持って一番学んだのは、愛することの難しさです。
その第一関門は身近な存在だからこそ期待、束縛、執着しやすいという事でした。これでは愛が遠くなるばかりです。でも、これは、リスクの高い神様のプレゼントなのかもしれません。この苦行を乗り越えて本当の愛が見えるのでしょう。今のうちに学ばないと、思わぬ事故や病気で引き裂かれた時に初めて「ただ、そこにいてくれるだけでいい」と気づくのは悲しすぎます。

さて、私の人生を振り返ってみれば、期待にしがみついて夢を追っている時より、無心に目の前の事をしている時の方が、夫や子ども達の事が良く見えました。そして、自分の期待をはるかに超えたご縁が訪れました。結婚もしかり、子どもを授かったのも、竹下先生に出会ったのも、この記事を書いていることも!家族の中で生きて来ただけなのに、です。何処にいようと、どんなに目立たない存在でも、全て神の摂理に繋がっているのだと思います。

Writer

かんなまま様プロフィール

かんなまま

男女女男の4人の子育てを終わり、そのうち3人が海外で暮らしている。孫は9人。
今は夫と愛犬とで静かに暮らしているが週末に孫が遊びに来る+義理母の介護の日々。
仕事は目の前の暮らし全て。でも、いつの間にか専業主婦のキャリアを活かしてベビーマッサージを教えたり、子育て支援をしたり、学校や行政の子育てや教育施策に参画するようになった。

趣味は夫曰く「備蓄とマントラ」(笑)
体癖 2-5
月のヴァータ
年を重ねて人生一巡りを過ぎてしまった。
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